むし暑い季節になってくると、スーパーの店頭に並び始める桃。甘い香りをただよわせる桃はついつい手をのばしたくなりますが、リンゴやミカンなどほかのフルーツと比べ価格が高めなので、せっかく買うなら失敗せず保存したいですよね。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、やりがちな桃のNG保存方法とおすすめ解決策を教えてもらいます。

【NG1】冷やしすぎ
桃が旬をむかえるのは、例年むし暑くなってくる頃なので、デリケートな桃を冷蔵庫に入れたくなる気持ち、わかります。が、桃は寒さにあまり強くないフルーツなので、常温保存が基本です。冷やしすぎはNG。
なお、暑い日に冷たい桃を食べたい場合は、食べる直前の2~3時間だけ冷蔵庫に入れておきましょう。それ以上冷やしすぎると、甘さを感じにくくなります。
【NG2】フルーツキャップを捨てる
桃などの丸いフルーツを買うとき、伸縮性のある網目模様の白いカバーがついていることがありますよね。これはフルーツキャップと呼ばれるもの。ただの梱包材だから…と思って捨ててしまう人もいるのですが、ちょっと待って。
桃はやわらかくデリケートな果物なので、自重つまり自分の重さがかかるだけで、傷んでしまうことがあります。そこで、フルーツキャップをつけておくことで、自重によるダメージをやわらげてくれるのです。そのため、もしフルーツキャップがついた状態で買ったら、捨てずにそのまま使いましょう。
【NG3】乾燥対策をしない
桃の表面はサラサラに乾いているので、表面から水分が蒸発するイメージはないかもしれませんが、実際にはつねに水分がうばわれ続けています。
おまけ:桃は冷凍保存もできる!
桃の日持ちは買ってきてから2~3日と短く、傷む前に食べきれないことも…。そんなときは冷凍保存が便利です。桃をひとつずつラップにくるんで、ジッパー付き保存用ポリ袋に空気を抜きながら入れ、冷凍庫へ。
食べるときは、凍った状態で、表面に包丁で浅く十字の切りこみを入れ、流水に当てながら皮をむくと「するん」と気持ちよくむくことができますよ。10~20分ほど常温に置くと、半解凍されたトロシャリ食感になり、生の桃とはまた違った味わいが楽しめます。
みずみずしい桃を存分に味わおう
桃は例年、6月頃から山梨県産や和歌山県産が出回り始め、しだいに長野、福島、山形などすずしい地域の桃にバトンタッチしながら、8月頃まで出荷量の多い状態が続きます。スーパーで特売品になる機会も増えますので、ぜひ今回ご紹介したコツをおさえて、旬のみずみずしい桃をよい状態で楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部