りんご

じつは農薬でもワックスでもない!りんごが“ツヤツヤ・ベタベタ”なのを避けると損な理由を野菜ソムリエが解説

2026/01/07

秋から冬にかけて出荷量のピークをむかえるりんごは、スーパーでもつねに複数の品種を置いているところが多く、もっとも身近なフルーツのひとつです。売り場に並んでいるのを見ると、表面にまるでワックスでも塗ったかのようなツヤツヤしたりんごがあることに気づきます。

「見栄えをよくするためワックスをかけたのかな?」「それとも、もしかして農薬…?」と思うかもしれませんが、じつはどちらでもなく、りんごにとっては重要なモノ。ツヤツヤのりんごをぜひ選んでほしい理由を、野菜ソムリエの植松愛実が解説します。

サンキュ!STYLEライター。本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEで...

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農薬でも人工的なワックスでもなかった!

りんご
出典:写真AC

店頭に並ぶりんごのなかには、ときどきワックスを塗ったようなツヤツヤした見た目のものがあります。しかも、こういったツヤツヤのりんごは、手に取るとベタベタすることも多く、ちょっと嫌われがちです。

でもこのツヤツヤ、じつは農薬でも人工ワックスでもありません。りんごの表面はもともと天然のロウ成分で覆われているのですが、りんごが熟してくるとリノール酸やオレイン酸と呼ばれる天然の脂肪酸がにじみ出てきて、ロウ成分と脂肪酸が反応することで油のような成分に変わります。

「油あがり」と呼ばれる現象で、“天然のワックス”とでもいえるでしょうか。りんごが完熟している証拠でもありますし、この成分がりんごの表面を覆うことで、水分を保ったりりんごを病原菌から守ったりしてくれるので、ツヤツヤのりんごはぜひ積極的に選びたいおいしいりんごなのです。

ツヤツヤにならないタイプも

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出典:写真AC

じつは、すべての品種のりんごが熟すとツヤツヤになるわけではありません。よくスーパーなどで出回る品種でいうと、「つがる」や「ジョナゴールド」といった品種はツヤツヤになりやすい一方で、「ふじ」や「シナノスイート」などはツヤツヤにならないタイプです。

ちなみに、ツヤツヤにならないタイプの場合、前述のロウ成分が白っぽい粉のような見た目になることもあります。これもよく農薬と間違われるのですが、ブルーム(果粉)と呼ばれるもので、やはりりんごにとっては大事なもの。

雨や露などの水分をはじいたり、病気を予防したり、また果実の水分の蒸発を防いで新鮮さを保ってくれたりします。りんごのほか、ぶどうや柿の表面に出ることもあるので、見たことがある人も多いのでは。

そのため、りんごの表面がツヤツヤになっていたり白い粉がかかっていたりしていても、おいしく健全なりんごの印ですから、ぜひ避けずに積極的に選んでくださいね。

身近だけど奥が深い!りんごを存分に味わおう

フルーツのなかでも、日本に住んでいて食べたことがない人はいないのでは?というくらい、身近な存在のりんご。身近すぎるあまり、ふだんあまり気にせず食べていた…という人もいるかもしれません。今回ご紹介したように、皮の表面に起きる現象だけでもさまざまな仕組みや理由があり、意外と奥が深いフルーツです。

今までツヤツヤのりんごや白い粉をふいたようなりんごを敬遠していた人も、ぜひこれからは積極的に選んで、旬のりんごを存分に味わってくださいね。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。

編集/サンキュ!編集部

 
 

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