夏の終わりから秋にかけて、スーパーの店頭に多く並ぶようになる梨。いわゆる和梨と呼ばれるタイプで、シャリシャリとした食感とみずみずしい果肉が、残暑で疲れた心と体にたまらない旬の味覚ですよね。
梨を上手に保存しておいしく食べるには、ラフランスのような洋梨や、あるいは見た目の形が似ているりんごなどとは異なるポイントがあるようです。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、梨のNG保存方法とおすすめ解決策を教えてもらいます。

追熟させようとするのはNG
梨は買ってしばらく置いておけば甘くなる…そう思っている人もいるかもしれませんが、それはラフランスなどの洋梨だけの話で、通常のスーパーで多く出回っている和梨は追熟しません。
そのため、追熟させようとして何日も常温で置いておくのはNG。追熟に期待するのではなく、はじめから熟しているものを買いましょう。同じ品種どうしの梨であれば、表面がザラザラのものよりツルっとしたもののほうが熟している証拠です。
長く持たせたいなら冷蔵庫へ
梨は常温でも保存できますが、長く持たせようとする場合は冷蔵庫に入れましょう。梨をひとつずつキッチンペーパーや新聞紙などの紙でつつみ、ポリ袋に入れた状態で冷蔵室へ。
なお、見た目が梨に似ているりんごの場合、この方法で2カ月くらい持たせることができますが、梨はりんごほどは持ちません。買ったときの状態にもよりますが、冷蔵保存での日持ちはおおむね10日が目安です。
置く向きも注意!
梨をできるだけ長く持たせたい場合、梨を置く向きにも注意しましょう。梨は通常の向き(柄が上)で置いておくと、さかんに呼吸をして劣化が早まってしまうので、逆さま(つまり柄が下)の状態で置いておくのがおすすめ。
さきほど説明したように紙でつつんで袋に入れると上下が見づらくなってしまいますが、置く向きだけでも日持ちが変わってきますので、ぜひ冷蔵庫に入れるときなど向きに気をつけて入れてください。
みずみずしい旬の梨を味わおう
梨は例年、7月頃から早生品種が出始め、8月~10月にはピークをむかえ、遅い品種だと11月くらいまで出荷されます。その間、さまざまな品種が順に店頭に並び、比較的長く旬を楽しめるフルーツです。ぜひ今回ご紹介したコツを参考に正しく保存して、みずみずしい梨を存分に味わってくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部