毎日、家事に追われてがんばっているのに、なんだか終わらない……。実はその中に、“がんばらなくてもいい家事”が隠れているかもしれません。
今回は、家事のプロが「やめても大丈夫」と太鼓判を押す、3つの家事と見直しのコツをご紹介します。
教えてくれたのは、アクティア株式会社が提供する家事代行サービス「カジタク」に所属し、年間約500件のお仕事依頼をこなしている家事のプロフェッショナル、西田美保さんです。
その1:洗濯物を「たたんでしまう」こと
毎日、洗濯物を取り込んだあと、時間をかけて丁寧にたたんで引き出しにしまっていませんか?
【やめる理由】
洗濯物をたたむ作業は、家事の中でも特に時間と労力がかかる単調な作業です。家族が多かったり衣類の種類が多い場合、毎日15分〜30分ほど取られてしまいます。しかし、生活上必ずしも必要な作業ではありません。
【見直しポイント】
「ハンガー収納」を増やして、たたむ時間を短縮しましょう。
・干すときに、そのままクローゼットにかけられるハンガーを使えば、「取り込む→たたむ→しまう」の3ステップを「取り込む→しまう」の2ステップに短縮可能です。
・たたむのは、ハンガーにかけられない靴下や下着、部屋着など一部に限定することで、大幅な時短になります。
その2:「汚れをためてからまとめて掃除する」こと
「汚れたらまとめて掃除しよう」と、汚れをため込んでから週末などに大がかりな掃除をしていませんか?(例:浴室のカビ、キッチンの五徳など。)
【やめる理由】
汚れは時間が経つほど固まり、落としにくくなります。軽い汚れならサッと拭けるものも、数日放置すると強力な洗剤やスポンジでゴシゴシ擦る必要が出てきます。結果的に「まとめて掃除する」ほうが、むしろ時間も労力もかかります。
【見直しポイント】
汚れは「予防」するか、「ついで」に掃除しましょう。
・浴室は入浴後に50℃のお湯を全体にかけ、冷水で浴室内の温度を下げるとカビの発生を抑えられます。
・五徳は料理後、少し熱が残っているうちに拭き取ると簡単に汚れを落とせます。
・日常の「ついで掃除」もおすすめです。例えば、歯磨き中に鏡を拭くなど、軽い汚れのうちに対処することで、掃除時間と負担が格段に減ります。
その3:「雑巾や布巾を毎回洗って干す」こと
床やキッチンを拭いたあと、汚れた雑巾や布巾を洗剤で洗い、干すという「後片付けの家事」をしていませんか?
【無駄な理由】
掃除を締めくくる雑巾・布巾洗いは、手を汚し、水仕事が長引く原因になります。特にひどい汚れの後は心理的負担も大きく、「後片付けが面倒だから掃除を後回しにしよう」という気持ちになりがちです。
【見直しポイント】
「使い捨て」をメインにして、後片付けの負担をゼロにしましょう。
・キッチン、床、窓などは用途に合わせて使い捨てシートを活用。「拭いたらゴミ箱へ」で完了です。
・古くなったタオルや着なくなったTシャツを適当なサイズにカットして、使い捨て雑巾としてストックしておくのもおすすめ。
・洗って繰り返し使うマイクロファイバークロスは、汚れの軽い場所に限定して洗う頻度を減らしましょう。
「やらない選択」や「仕組み化」を取り入れるだけで、日々の負担は大きく変わります。本当に大切なことに時間を使えるよう、家事の見直しを始めてみませんか。