秋から冬にかけてスーパーでもさまざまな品種が出回るりんご。夏場の桃やシャインマスカットなどのフルーツよりも安価に手に入るため、これからの時季はおやつやデザートに気軽にフルーツを食べる人も増えるかもしれませんね。
りんごは身近なフルーツであるがゆえに、知らず知らずのうちに「もったいない」食べかたをしてしまっている人もいるかも…?野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、りんごの「もったいない」食べかたとおすすめの解決策を教えてもらいます。
ツヤツヤりんごを選ばないのは「もったいない」!
店頭に並ぶりんごのなかには、まるでワックスをかけたかのようにツヤツヤのりんごもありますよね。ワックスや農薬だったらイヤだな…と思って選ばない人もいるかもしれませんが、それでは「もったいない」!
りんごの表面がツヤツヤになるのは、りんごが持つ天然のオイルのおかげ。完熟するとリノール酸やオレイン酸といった、油の仲間の成分が皮の表面ににじみ出てきて、まるでワックスを塗ったようにツヤツヤ・テカテカになるのです。
「油上がり」とも呼ばれ、おいしいりんごのサインですので、ぜひ避けずに選んでくださいね。なお、黄色いりんごとして知られる「王林(おうりん)」など、品種によっては完熟してもツヤツヤにならないものもあります。
冷やさないと「もったいない」!
りんごは常温でも保存したり食べたりすることができますが、食べてみて「ちょっと甘さが少ないかな…?」と感じることもありますよね。そんなときはぜひ、30分ほど冷蔵庫に入れてみてください。
りんごに含まれる果糖という糖分には、冷やすと性質が変わって、感じる甘みが強くなるという特徴があります。そのため、より強い甘みを感じたいときは、冷やすのが正解。ちなみに感じる甘みが変わってもカロリーは変わらないので安心してください!
シワシワりんごを捨てたら「もったいない」!
買って置いてたったりんごが、いつの間にかシワシワになってしまった…そんな経験のある人も多いのでは。でも、シワシワになっただけで捨ててしまっては「もったいない」!悪臭がしたり変色がひどかったりする場合をのぞき、まだ食べることができます。
ただ、シワシワのりんごは水分が抜けてしまってジューシーさがなく、そのまま食べてもおいしくないのも事実。そのため、食べる際は砂糖で煮るなどしてひと手間くわえるとおいしく食べることができます。時間がないときは、グラニュー糖をかけて電子レンジ(500~600W)で2分ほど加熱したり、市販のレモン系飲料(炭酸でも可)と一緒にりんごが半透明になるまで煮たりするのが簡単です。
おいしいりんごを無駄なく味わおう
りんごは秋から冬にかけて、身近なスーパーはもちろん、道の駅や産直、百貨店でも多くの種類が並び、一般的に流通しているものだけでも数十品種はあります。今回ご紹介したポイントはさまざまな品種で活用できますので、ぜひ旬の期間中に、おいしいりんごを存分に楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部