日本でも年々消費量が伸び、いつのまにか身近な食材になっているアボカド。たいていは熟していない状態で買ってきて、自宅で追熟させてから食べることになりますが、じつは熟し加減によって適した保存方法が変わってきます。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、アボカドの保存でやってしまいがちなNGと、上手に消費するコツを教えてもらいます。

常温で置くのがNGの色は?
アボカドは、熟していない状態だと緑色で、それがだんだん濃い緑色になり、食べごろを迎えてこげ茶色になったあと、熟しすぎると黒くなっていきます。緑色や濃い緑色の間は、常温で置いて追熟させる必要がありますが、こげ茶色になったあとはもう、常温はNG。
そのまま常温で置き続けて黒くなってしまうと、やわらかすぎて包丁で切りにくくなってしまいます。こげ茶色になったらその日のうちに食べるか、すぐに食べない場合はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。数日間は食べごろを保つことができます。
ちなみにアボカドは冷凍も可能。食べごろの状態で半分に切って皮と種を取り除くか、使いやすい厚さにスライスして、ラップにつつんでからジッパーつきポリ袋などの保存袋に入れて冷凍しましょう。
追熟にNGの温度は?
アボカドを追熟させようとしても、なかなか熟さなかったり、あるいはあっというまに傷んでしまったりと、うまくいかないこともありますよね。そんなときは、アボカドを置く場所の温度を考えてみてください。
アボカドは常温で追熟が進みますが、ひとくちに「常温」と言っても、13℃くらいから24℃くらいまで幅広いのです。近いうちに食べる予定がなく、ゆっくり追熟させたいときは、あたたかすぎる場所はNG。目安は13~15℃くらい、つまり人が少し涼しいと感じるくらいの温度で、かつ風とおしの良い場所へ。
逆に2~3日ですぐに追熟させたい場合は、人が薄手の長袖1枚ですごせる20℃くらの場所に置いたり、あるいはリンゴやバナナなどエチレンガスを出す果物と一緒にポリ袋に入れたりしましょう。ちなみに、どんなに早く追熟させたいときでも27℃以上の高温はNGです!
アボカドを上手に保存して無駄なく使おう
アボカドはこの数十年の間に輸入量が30倍以上に増え、一気に身近になった食材ですが、それでもいまだに上手に保存するのが苦手…という人も一定数いるのでは。今回ご紹介したコツを参考に、保存すべき場所を見極めたり、追熟させる温度を選んだりして、せっかく買ったアボカドを最後まで無駄なく味わってくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部