梅雨時期から夏にかけて旬をむかえる桃は、人気のフルーツでもある一方で、上手に食べるのがむずかしいと感じている人もいるのではないでしょうか。実際、野菜のプロからすると、じつは「もったいない」食べ方をしてしまっているケースも多いのだとか。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、桃の「もったいない」食べ方とおすすめの解決法を教えてもらいます。

熟す前に食べたら「もったいない」!
桃は買ってきてすぐの段階では、まだ熟しておらず食べごろになっていないことがあります。そのため、室温で2~3日置いて追熟させてから食べるとちょうどよいことが多いのです。
桃が熟したかどうかを見きわめるには、ヘタのまわりをやさしくさわって確かめましょう。桃は熟す際、おしりのほうから順にやわらかくなっていき、最後にヘタまわりがやわらかくなるので、ヘタの周辺がやわらかければ追熟完了です。
冷やしすぎたら「もったいない」!
フルーツは冷たくして食べたい!という人も多いとは思いますが、桃を冷やしすぎた状態で食べると、本来の甘さを十分に感じることができず、「もったいない」状態に。
そのため、桃を冷蔵庫に入れっぱなしにするのはおすすめできません。冷やして食べたい場合は、常温保存しておいたものを、だいたい食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れると、冷やしすぎず甘さをしっかり感じることができます。
かたすぎた桃を捨てたら「もったいない」!
ちゃんと工夫して保存し、食べごろを見極めて食べたつもりでも、実際に食べてみたらやっぱりかたすぎて全然甘くない…なんてこともありますよね。そんな桃も、捨てたら「もったいない」!
固すぎる桃は、砂糖といっしょに加熱してしまえば、コンポートとしておいしく食べられます。桃1個に対して、目安としては砂糖大さじ1と、水とレモン汁をそれぞれ大さじ3くらいずつかけ、耐熱容器に入れてラップをして電子レンジ(500~600W)で数分、さらに桃をひっくり返して追加で数分加熱すればできあがりです。
余ったら冷凍しなきゃ「もったいない」!
桃はあまり日持ちしないフルーツで、通常のスーパーで買った場合は数日で消費する必要があります。しかし家族の人数などによっては食べきれないこともありますよね。
そんなときは冷凍保存がおすすめ。1つずつラップにくるんで、ジッパーつきポリ袋などの保存袋に入れて冷凍庫へ。食べるときは、凍ったまま表面に浅く十字に切り込みを入れると、流水に当てながらするん!と気持ちよく皮をむくことができます。そのまま10~20分ほど常温に置くと、半解凍されたトロシャリ食感が楽しめますよ。
桃の「もったいない」を避けておいしく楽しもう
桃はリンゴやみかんといったほかのフルーツに比べると高価で、せっかく手に入ったときには少しでもおいしく食べたいですよね。今回ご紹介した「もったいない」を避ける方法をぜひ活用して、旬のみずみずしい桃を存分に楽しんでください!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部