夏になるとスーパーの野菜売り場に特売でならぶ、とうもろこし。たわわにみのった姿はまさに夏の味覚といった雰囲気で、ついついカゴに入れたくなりますよね。
子どもも大人も好きな人が多いとうもろこしですが、じつは意外と「もったいない」食べかたをしてしまっていることがあるかも!?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、とうもろこしの「もったいない」食べかた4選と、おすすめの解決策を教えてもらいます。

【1】買ったらすぐ食べなきゃ「もったいない」!
野菜や果物は、収穫後は時間とともに味や糖度が落ちていくものが多いですが、なかでもとうもろこしは急激に落ちてくタイプの野菜です。そのため、買ってから何日も食べないのは「もったいない」!
帰ったらできるだけ早く食べましょう。冷蔵庫で保存してもせいぜい2~3日しかおいしさを保てないので、すぐ食べないのであれば冷凍するのもおすすめです。
【2】加熱前に薄皮を捨てるのは「もったいない」!
とうもろこしを丸ごと加熱するときは、鍋でゆでたり電子レンジで蒸したりしますが、いずれの場合も加熱前に薄皮を捨ててしまうのは「もったいない」!とうもろこしを皮つきで買ったら、外側の固い皮だけ捨てて、最後の2~3枚の薄い皮は残しておきましょう。
そのまま薄皮ごと鍋でゆでるか、薄皮ごとラップにつつんでレンジ加熱すると、風味が落ちにくく甘さが引き立つ仕上がりに。ちなみに外側の固い皮を残したままだと青くさくなってしまって逆効果なので、実に近い2枚程度の薄皮だけ残しましょう。
【3】生で食べてみなきゃ「もったいない」!
とうもろこしは、じつは生でも食べることができます。しかし、おそらく筆者と同じアラフォー以上の世代にとっては、生のとうもろこしなんて青くさくて食べられない…という感覚ではないでしょうか。
たしかに、かつてのとうもろこしは、いくら生で食べても毒性がないとはいえ、生食しにくい野菜でした。しかし近年は品種改良が進み、スーパーで売っているごくふつうのタイプのとうもろこしでも、生で食べられる時代になったのです。
とうもろこしを生で食べるときは、そのままガリッとかぶりついてもいいですし、バラバラにしてサラダに入れても。前述のとおり、とうもろこしは鮮度が落ちてしまうのが早い野菜なので、「調理が面倒だな…」と思って放置してしまうくらいなら、生で食べてみてください。
【4】ヒゲを捨てるのは「もったいない」!
とうもろこしを買うと、先端にたくさんのヒゲがついていることが多いですよね。このヒゲのうち、茶色くカリカリになっている部分は食べられないのですが、白っぽくてやわらかいヒゲの部分は、じつは食べることができます。
ヒゲは洗ってサラダに入れてもいいですし、たくさん手に入ったときはまとめてかき揚げにしても。「とうもろこしのヒゲ茶」というお茶を聞いたことがある人もいると思いますが、ヒゲにはカリウムや食物繊維が含まれ、昔から生薬としても親しまれていて、捨てるのは「もったいない」のでぜひ活用してください。
「もったいない」を避けて夏の味覚を楽しもう
多くの人が子どものころから慣れ親しんで食べているとうもろこしですが、身近な野菜だからこそ、意外な「もったいない」が隠れています。ぜひ今回ご紹介したコツをおさえて、夏の味覚・とうもろこしを存分に楽しんでください。
ちなみに、とうもろこしは例年9月ころまで出荷されることが多いですが、猛暑が厳しいと早めに収穫時期を終えてしまうことも。店頭にならんでいるうちに逃さず食べましょう!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部