家計の味方、節約の代名詞ともいえる野菜・もやし。あまりに身近な野菜であるうえに、とにかく安いので、ふだんあまり深く考えずに料理している人も多い野菜かもしれません。
しかし、そんなもやしにも意外な「もったいない」ポイントが隠れています。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、できれば避けたいもやしの「もったいない」使いかたと、おすすめの解決策を教えてもらいます。

違いを知らなきゃ「もったいない」!
単に「もやし」といっても、じつはさまざまな種類があるのをご存じでしょうか。実際、スーパーのもやし売り場にはたいてい複数の商品があって、微妙に見た目や値段が違います。
市場でもっとも多く出回っているのは「緑豆(りょくとう)もやし」と呼ばれる種類で、火のとおりが早く淡白な味わいで調理しやすく、価格も安いのが特徴。「緑豆もやし」よりも豆の部分が大きく黄色みがあるのが「大豆もやし」で、太くてしっかりしているので加熱にやや時間がかかりますが、食感がよく、中華料理や韓国料理によく使われます。
また「黒豆もやし」(「ブラックマッペもやし」とも)は、西日本でよくお好み焼きなどに使われ、青くささが少ないという特徴が。ほのかな甘みとシャキシャキ食感が、しゃぶしゃぶにもよく合います。ぜひ用途にあわせて使いわけてみてくださいね!
和と中華だけじゃ「もったいない」!
ラーメンにナムル、炒め物、スープ…、もやしを使う料理は本当に幅広いですが、和風や中華風の味つけばかりでは、「もったいない」!もやしはニンニクや黒コショウとも相性がよいので、じつは洋風にも合います。
オリーブオイルとニンニク、鷹の爪でペペロンチーノ風にしてもいいですし、ハムと一緒にオリーブオイルと塩、レモン汁、黒コショウで和えて洋風ナムルにしても。ぜひいつもと違う味つけも試してみてください。
加熱後に水にひたすと「もったいない」!
もやしはゆでて冷やしてから和え物にする料理が多いですが、冷やすときに水にひたすのは「もったいない」!水にひたすことでもやしのシャキッとした食感がうしなわれてしまうほか、栄養も流れ出ていってしまいます。
もやしをゆでたら、ザルにあけてそのまま放置して冷やしましょう。もちろん、ナムルなどで思いきり「しなしな」の食感を楽しみたい場合は水にひたしてもOKです。
【じつはNG】生で食べないで
この記事ではもやしの幅広い使いみちをご紹介していますが、じつは生で食べることはできません。
日本で出回っているもやしはすべて工場で生産されていますが、いずれも加熱して食べることを前提とした環境で育てられていて、生のままだと食中毒の危険性も。そのため、いくら新鮮な状態のもやしであっても、必ず加熱してから食べましょう。
もやしの「もったいない」を避けて味わいつくそう!
1年をとおして安く手に入るもやしですが、その奥には意外と深い世界が広がっています。たかがもやし、されどもやし。ぜひ今回ご紹介した「もったいない」ポイントを避けて、節約しながらもやしを存分に味わいつくしてくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部