例年、年明けから少しずつ出荷が増え、立春をすぎた頃になると見かける機会が多くなる菜の花。ふだんはそんなに和食を食べなくても、やっぱり春になると一度は食べたくなる!という人も多い野菜かもしれませんね。
菜の花は春らしい香りと食感がポイントですが、保存方法を間違えると早々に香りが失われてしまうことも…。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、菜の花のNG保存方法とおすすめ解決策について教えてもらいます。

【NG1】乾燥対策をせずに保存
早春のみずみずしい野菜である菜の花は、水分が逃げやすく、乾燥にはとくに弱い野菜です。水分が逃げてしまった菜の花は、本来の食感がうしなわれ、工夫して調理してもおいしくなりません。
そのため、菜の花を買ってきたら、まずは乾燥対策!買ってきたパッケージのまま冷蔵庫に入れず、軽く湿らせたキッチンペーパーでつつんで、ポリ袋に入れてから冷蔵庫に入れましょう。ポリ袋の口は軽く結んでおくのがおすすめです。
【NG2】寝かせて保存
野菜は畑で収穫した時点で成長をやめることはなく、その後もしばらくの間、上へ上と伸びようとします。すごくしたたかな生命力ですよね。
もし冷蔵庫の中で寝かせた状態にしてしまうと、上へ伸びようとして余分なエネルギーを使ってしまい、シワシワになるのが早まってしまいます。できるかぎり立てた状態で保存しましょう。
【NG3】冷蔵で長く保存
ここまで、菜の花を上手に保存するコツをお伝えしてきましたが、そもそも菜の花はどんなに工夫しても、冷蔵では数日程度しか持ちません。
冷蔵で長期間保存しようとするのはNG。しかも、冷蔵保存可能な数日の間にも、見た目があまり変わらなくても栄養価はしだいに落ちて行きますので、買ってきたらできるかぎり早く食べきりましょう。
じつは冷凍保存もできる!
菜の花は冷凍保存も可能で、1カ月くらいであれば香りもある程度保ったまま保存することができます。
茹でてから保存する場合は、解凍後の食感を保つために、少し硬めに茹でておきましょう。しっかり水気をしぼってからラップにつつんで、ジッパーつきポリ袋などの保存袋に入れて冷凍します。
また、茹でる時間がないときは生のままでも冷凍できます。使いやすい長さに切って、茹でる場合と同様にラップにつつんでから保存袋に入れて冷凍してください。生で冷凍した場合は、使う際にしっかりめに茹でるのがおすすめです。
菜の花を上手に保存して「春」の味を楽しもう
春らしい風味が特徴の菜の花ですが、香りが抜けたりシワシワになってしまったりすると、せっかくのフレッシュな味わいが台無しに。今回ご紹介したコツをおさえて、菜の花を上手に保存することで、今しか食べられない「春」の味を存分に楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部