春から初夏にかけて出荷量が増えるアスパラガスは、体にも肌にもうれしい栄養素が豊富で、健康のためによく食べるという人も多いのでは。しかし、アスパラガスは非常に傷みやすい野菜で、保存方法を少し間違えるだけで、味が落ちてしまうもったいない結果に…。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、やってしまいがちなアスパラガスのNG保存方法とおすすめ解決策を教えてもらいます。

【NG1】野菜室に入れる
冷蔵庫の野菜室の温度はメーカーや機種にもよりますが、おおむね3℃~8℃くらい。じつはこの温度だと、アスパラガスの保存には「暖かすぎる」のです。
そのため、アスパラガスを冷蔵保存するとき、冷蔵庫の野菜室に入れるのはNG。冷蔵室のほうに入れておきましょう。
【NG2】乾燥対策をしない
冒頭にも書いたようにアスパラガスは傷みやすい野菜。少しでもよい状態で保存するためには、乾燥対策がかかせません。
買ってきた段階でポリ袋に入っている場合とむきだしの場合があると思いますが、むきだしのアスパラガスは自宅で何かしらの袋(余っているポリ袋など)に入れてから冷蔵保存しましょう。もし余裕があれば、新聞紙やキッチンペーパーなど紙でくるんでからポリ袋に入れるとさらに効果的。
また、もうひと手間かけられる!という人は、アスパラガスの根元を少しだけ切り落としたうえで、ペットボトルやコップなどの底に濡らしたキッチンペーパーを入れてからアスパラガスを立てて入れ、全体をポリ袋でつつむようにすると長持ちします。
【NG3】冷蔵で長く保存
ここまで、アスパラガスを少しでも長く、少しでもよい状態で保存するためのコツをお伝えしてきましたが、そもそもアスパラガスは冷蔵ではあまり持ちません。通常だと2~3日、いろいろ工夫してもせいぜい5日ほどの日持ちで、その間にもどんどん苦味が増してしまうので、買った当日に食べるのが最適です。
そのため、冷蔵で長く保存しようとするのはNG。買ってきたら早めに食べきるか、もし長く持たせたい場合は冷凍保存がおすすめです。アスパラガスの根元に近い部分の表面をピーラーでむいた状態で、ジッパーつきポリ袋などの保存袋に入れて冷凍しましょう。1カ月ほど冷凍で保存できます。
旬のアスパラガスをおいしいまま食べよう
アスパラガスは、抗酸化作用のあるβカロテンや女性にうれしい葉酸、さらには疲労回復に役立つアスパラギン酸など、ぜひ取りたい栄養が豊富に含まれています。春~初夏はやわらかい国産が多く出回ることもあり、ぜひ旬のうちに食べたい野菜でもあります。今回ご紹介したコツをおさえて、アスパラガスをおいしい状態で楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部