初夏から真夏にかけて、スーパーによく並び価格も安くなってくるオクラ。ネバネバ食感が人気で、これからの季節はさまざまな料理に使う人が増えると思いますが、もしかしたら意外と「もったいない」食べかたをしている人が多いかも!?
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、これからの季節にぜひチェックしておきたいオクラの「もったいない」食べかたと、おすすめ解決策について教えてもらいます!

生で食べないのは「もったいない」!
オクラは茹でてから食べるのが定番ではありますが、じつは生で食べることができる野菜です。とくに真夏になる前の、旬の出始めのタイミングや、真夏でも新鮮なものであれば生食に向いています。
生で食べる場合は、できれば「板ずり」をして(あるいは後述のようにネットごとこするように洗って)うぶ毛を取り、がくの部分を切り取るのがおすすめ。サラダに加えたり、おかかマヨネーズをつけたり、さまざまな食べかたができます。茹でると「とろとろネバネバ」なオクラですが、生だと「シャキシャキネバネバ」の食感が楽しいですよ。
ちなみに、オクラは旬以外の季節だと輸入品がスーパーに並んでいることが多く、輸入ものは国産と比べるとどうしても収穫から時間が経ってしまっていることが多いため、加熱して食べるのがおすすめです。
頭を切り落として茹でるのは「もったいない」!
オクラを茹でてから食べるとき、ガクを切り取ることが多いと思いますが、このときガクのある部分を丸ごと切り落としてしまうのは「もったいない」!というのも、オクラの断面が見える状態で茹でてしまうと、せっかくの栄養もネバネバ成分もどんどん流れ出てしまうからです。
そのため、丸ごと「切り落とす」のではなく、ガクに沿って1周くるりと薄く「切り取る」イメージで処理しましょう。ちょうど大根やにんじんの「面取り」をするようなイメージです。
茹ですぎは「もったいない」!
前述のように、オクラは生でも食べられる野菜なので、茹ですぎてしまうのは「もったいない」!茹で時間は1分程度でも十分やわらかくなりますし、シャキシャキ食感を少し残したい場合は30秒程度でもOKです。
ただ、オクラは茹で時間が短いほど「シャキシャキ」が残り、長いほど「とろとろ」感が増します。つくる料理によっては「とろとろ」をしっかり出したいこともあると思いますので、そういう場合はたっぷり茹でても大丈夫です。
「板ずり」せず茹でるのはNG?それとも…
ここまでオクラの「もったいない」食べかたについて見てきましたが、オクラの調理と言えば、まずはまな板などに置いて塩を振りゴロゴロとこすりつける「板ずり」をする、という人が多いのでは。でも「板ずり」って、正直面倒ですよね…。
じつは、生で食べる場合を除いて、「板ずり」はしなくてもOKです。もちろんやったほうがうぶ毛が取れて食感がよくなるので、時間があるときや料理をワンランクアップさせたいときにはおすすめですが、「板ずり」ナシでも意外とおいしく食べられます。
また、まな板に塩を振って…という丁寧な作業をしなくても、オクラを買ったときのネットに入れたまま水洗いして、ネット越しにオクラどうしをこすり合わせるように洗えば、うぶ毛をかなり落とすことができます。
オクラの「もったいない」を避けて存分に楽しもう
ビタミンや食物繊維が豊富で、むし暑い季節を乗りきる強い味方になってくれるオクラ。これからスーパーの店頭でお値打ちに手に入ることも増えますので、ぜひ今回ご紹介したコツをおさえて、旬のオクラを存分に味わってくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部