例年、10月に入るころから出荷量が多くなってくる柿。最近は渋みが少なく、種もなくて子どもから大人まで食べやすい品種が多く出回るようになり、秋になるとよく食べるという人も多いのでは。
柿は古くから食べられてきた、日本人にとってなじみ深いフルーツですが、身近すぎるがゆえに意外と「もったいない」食べかたをしている人もいるかも!?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、柿の「もったいない」食べかたとおすすめ解決策を教えてもらいます!

白い粉をふきとったら「もったいない」!
柿の表面には、白っぽい粉がついていたり、周りよりもツヤが少ない部分があったりします。これを汚れだと思ってふきとってしまうのは、「もったいない」!
ブルームと呼ばれる甘い柿である証拠なのですが、同時に柿を乾燥から守る役割も持っています。そのため、買ってきた柿をきれいにふきとってから保存するのではなく、食べる直前までそのままにしておきましょう。
熟しすぎた柿を捨てたら「もったいない」!
柿は上手に保存しても2週間ほどしか持たず、熟しすぎるとドロドロのゼリー状になってしまいます。でも、この状態になった柿を捨ててしまっては「もったいない」!カビさえ生えていなければ、まだ食べられます。
柿の皮の一部に穴を空けて、スプーンですくって食べてもいいですし、サッと洗って丸ごと冷凍してシャーベットのように食べても。そのほか、カレーや肉料理に入れてもおいしいので、ぜひ捨てずに活用してくださいね。
生で食べるだけじゃ「もったいない」!
柿は生のまま食べても十分おいしいですが、じつは加熱しても食べられます。たとえばヘタの部分を切り落として丸ごとオーブントースターで10分ほど焼けば、生の状態とは違う、トロっとした贅沢な甘さに。クリームチーズやバターをトッピングしても合います。
そのほか、切った柿を食パンに載せてトーストした柿トーストもおすすめ。こちらもバターなどを追加してもOKです。いったん焼いた柿に味噌を載せて二度焼きした田楽のような食べかたもありますので、お歳暮やふるさと納税で柿がたくさん手に入ったら、ぜひ試してみてください。
身近だけど奥が深い!柿を楽しもう
柿は日本で少なくとも奈良時代には食べられていた記録があり、弥生時代にも栽培していた可能性があるほど、身近でつきあいの長~いフルーツです。そのまま食べるだけでももちろんおいしいですが、ぜひ今回ご紹介した「もったいない」ポイントを避けるコツを参考に、旬の柿を存分に楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部