マヨネーズとケチャップは似たような形状の容器に入っているので、両方とも冷蔵庫に逆さに立てて入れている…という人も多いのでは。しかし、じつはマヨネーズとケチャップのうち片方は「逆さNG」って知っていましたか?
また、使いかけのチューブに空気を入れて置いておくのがよいかどうかも、マヨネーズとケチャップで違いがあります。出張料理人としてさまざまな家庭の冷蔵庫を見てきたライター・植松愛実が、マヨネーズとケチャップの保存方法の決定的な違いを解説します!

逆さNGなのは…
形も大きさも同じようなチューブに入っている、マヨネーズとケチャップ。しかし冷蔵庫で保存するうえで決定的に違うのは、マヨネーズは逆さにしてOKでもケチャップは逆さNGであること。というのも、ケチャップは容器を逆さまにして保存すると、液体部分がもれ出てしまうことがあるため。
マヨネーズであれば「乳化」と呼ばれる状態になっているので、極端な低温や高温でなければ分離しませんが、ケチャップは「乳化」ではなく、ただ材料が混ざっているだけの状態です。しかもケチャップに含まれるトマトの水分はほかの成分より重いため、重力によって下へ下へと向かい、最終的にはフタのすきまからもれてしまうことも。
そのため、一度開封したケチャップはフタを上にして保存しましょう。実際にメーカー各社のホームページにも、保存するときは「フタの側を上に」と書かれています。
チューブの空気は抜く?抜かない??
マヨネーズやケチャップを保存する際のもうひとつの分岐点は、使いかけの状態でチューブのなかの空気を抜くか・抜かないか、ではないでしょうか。
じつはケチャップについては断然、「空気を抜く」のが正解。空気を抜いた状態であれば、水分が分離しにくくなるからです。
一方、マヨネーズは空気を抜いても抜かなくてもかまいませんが、空気を抜かない状態(つまりマヨネーズが入っていない部分が全部空気で埋められている状態)で逆さまにしておくと、チューブの残りをしっかり使いきりやすくなります。
最後まで使いきりたい!
マヨネーズもケチャップも、最後のほんの少しを使いきるのが意外と面倒だったり難しかったりしますよね。しかも前述のとおり、マヨネーズであれば空気を入れて逆さにしておけば最後まで出てきやすいのに対し、ケチャップは空気を入れたり逆さにしたりすると分離するので、同様にはできません。
そこでケチャップについては、保存時は空気を抜いてフタを上にしておき、使うときに一度フタを開けて空気を入れ、再びしっかりフタをして指で押さえ、フタを下側にして上下に何度か振ると、わりと短時間でチューブ内のケチャップがフタの側に集まってきて、残りを使いやすくなります。
ただし、この作業中にフタが外れて中身が飛び出すと大惨事ですから、本当にフタはしっかり閉めて!指で押さえるだけでは心配な場合は、セロハンテープなどでとめてから振るのがよいと思います。
ちなみにマヨネーズもケチャップも、最後の最後に残ったほんの少しの量については、チューブをハサミで切ってスプーンですくい出すことも可能。チューブは意外と簡単にハサミで切れますが、切り口でケガをしないように気をつけましょう。
身近すぎる食品だけど奥が深い!
マヨネーズやケチャップは多くの人が子どものころから見知っていて、どうやって冷蔵庫に入れるかなんて、深く考えることがないかもしれません。しかし、逆さまにするかしないか、空気を抜くか抜かないか、というちょっとした点を気をつけるだけで、今までよりぐんと便利になることも。ぜひ一度、自宅の冷蔵庫で見直してみてくださいね!
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部