年末年始は、あちこちからお歳暮やふるさと納税の返礼品が届いたり、おせち料理やお雑煮の材料を買いそろえたりして、どうしても冷蔵庫内が渋滞しがち。すべての食材を冷蔵庫に入れることができないとき、じつは冷蔵庫から積極的に出してOKな野菜と、NGな野菜があります。
それぞれの野菜に適した保存環境を知っておくと、野菜をムダにせず使いきることができて、物価高の昨今に一石二鳥!野菜ソムリエ・食育インストラクターの植松愛実が、年末年始の冷蔵庫を救うためのコツを解説します。
冷蔵庫から出していい野菜と注意点
冷蔵庫に入れなくても保存できる野菜として多くの人が思い浮かべるのが、玉ねぎやごぼう、そして、じゃがいも、里芋、さつまいもといった芋類でしょうか。これらはもちろん常温保存できますが、玉ねぎとじゃがいもは、できるだけ光が当たらず風とおしのよい場所を選びましょう。
また、ごぼう、さつまいも、里芋も常温で保存できます。じゃがいも同様、冷蔵庫内では寒すぎるのでむしろ冷蔵庫に入れないのがおすすめ。ただし、土つきで買った場合は土を洗い落としてしまうと傷むのが早まるので、土つきのまま新聞紙につつむなどして常温保存してください。
そのほか、ナスやトマト(完熟していないもの)、ピーマンなどナス科の野菜も常温でOK。きゅうりも冬場かつ1週間以内なら常温で保存できますが、乾燥しないようにキッチンペーパーなどの紙でつつんでおくのがおすすめです。
じつは冷蔵庫から出すのはNG!
冷蔵庫から出してよいかどうかという問題でよく間違えられるのが、にんじんと大根。じゃがいもなどと同じように土のなかで育つので、「常温保存できるのでは?」と思われがちですが、じつは冷蔵庫に入れる必要があります。
なお大根に関しては、1本まるごと&冬であれば、日の当たらない寒いベランダなど条件のそろった場所なら、葉を切り落として新聞紙につつんだ状態で保存可能です。
野菜室じゃなくてもいい野菜も!
年末、おせち料理やお雑煮の材料を買いそろえようとして、冷蔵庫の野菜室が野菜でいっぱいになってしまうこともありますよね。じつは、野菜だからといって全部が全部、野菜室が最適…というわけでもなく、冷蔵室に移動していいものもあります。
たとえば、にんじんやブロッコリー、ほうれん草、もやしなどは、0℃近くまで冷やしても低温障害が起きないので、野菜室でなく冷蔵室でOK。むしろ、両方空いているなら冷蔵室に入れるのがおすすめなくらいです。ちなみに大根も、まるごと1本でなくカットしたものは冷蔵室が適しています。
意外とどこでもOKなのが玉ねぎで、前述のとおり常温保存もできますが、野菜室でも冷蔵室でもOKです。ほかの食材のスペースを確保したあとで、最後に空いている場所に置きましょう。
冷凍室への移動もアリ
じつはほとんどの野菜は、冷凍での保存が可能です。あまり冷凍のイメージがないトマトでも、ヘタをくりぬいてまるごと、あるいはカットした状態で冷凍ができますし、同じく冷凍できなさそうに見えるもやしは、洗って水気を切ったら生のまま密閉できる保存袋に入れて冷凍可能。
年末はお歳暮などで冷凍室が混みあうことが多いと思いますが、年が明けて冷凍室の食材を食べ進めたあとは、空いたスペースに余った野菜を冷凍保存するのもよさそうですね。
年末年始の冷蔵庫渋滞をうまく乗りきろう
冷蔵庫内がどうしてもパンパンになってしまい、やりくりがむずかしい年末年始。とにかく冷蔵庫から出してもいいものは出してスペースをつくり、冷蔵室・野菜室・冷凍室それぞれ混んでいるところから空いているところへ、移動できるものを融通させましょう。今回ご紹介したコツを参考に、上手に乗りきってくださいね!
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部