自宅で野菜を冷凍してみたものの「ベチャベチャになってしまった」「解凍したら、なんだか味が落ちた気がする…」そんな経験をしたことがあるかたも多いのではないでしょうか。でもそれは、冷凍のやり方が悪かったわけではありません。多くの場合、野菜がもともと持っている性質と保存方法が合っていなかっただけなのです。
ポイントを知っておくだけで、冷凍食材は使いやすくなり、毎日の家事を助けてくれる心強い味方になります。
今回は、冷凍する際に避けたい保存方法と今日から簡単に取り入れられる冷凍のポイントを、食品保存アドバイザーの佐々木麻衣がお伝えします。
冷凍で失敗しやすい野菜の特徴とは?
野菜にはそれぞれ
・水分が多い
・繊維がやわらかい、多い
・でんぷん質を多く含んでいる
といった、さまざまな特徴があります。
こうした性質を持つ野菜を、何もせずにそのまま冷凍すると、「水が出る」「食感が変わる」「パサつく」といった変化が起こりやすくなってしまいます。
でもほんの少し工夫するだけで、こうした変化はぐっと抑えられます。「冷凍は失敗しやすい」という苦手意識も、自然と減っていきますよ。
食感・風味が大きく落ちるNG保存例
失敗してしまう原因のひとつとして、「野菜の特徴・性質を知らずに保存してしまうこと」があげられます。
例えば、きゅうりは水分が多く何もせずに冷凍すると、水っぽい仕上がりになります。でんぷん質の多い芋類もそのまま冷凍すると、ボソボソした食感になりがちです。
また、空気を抜いて保存しないとカットした野菜は酸化しやすくなります。
「冷凍したのにおいしくない…」
そんな結果にならないために、保存前のひと工夫が大切です。
ひと手間で変わる冷凍保存のポイント
冷凍に向かない野菜も、ほんの少し工夫するだけで、ぐっと使いやすくなります。
水分の多いきゅうりや白菜は、塩もみをしてから冷凍することで、食感の変化や水っぽさを軽減してくれます。とくに加熱調理以外の、和え物やポテトサラダに利用する場合は、塩もみ後の冷凍がおすすめです。
じゃがいもなどの芋類は、加熱してから冷凍することで食感の変化を軽減することができます。事前にマッシュ状や小さめにカットしてから冷凍しておくと、いそがしい日の調理にもすぐ使えて便利です。
どの野菜にも共通して大切なのは、
・水気をしっかり除くこと
・空気をできるだけ抜いて平らに冷凍すること(表面積を広く)
このひと手間を加えることで、霜つきや味落ちまで軽減できます。
冷凍向き・不向きの見分け方
「この野菜、冷凍しても大丈夫かな?」と迷ったことはありませんか。
簡単な判断基準のひとつとして、サラダや浅漬けなどの生で食べることが多い野菜は、水分・繊維質ともに多い傾向にあり、冷凍による組織変化が大きく現れやすい傾向があります。
反対に加熱調理にして使うことが多い野菜は、冷凍とも相性がいいことがほとんどです。ただし、冷凍に不向きの野菜でも、少しの工夫や加工などを行うことで問題なく美味しく冷凍保存することができるようになります。ほとんどの食材は冷凍可能ですよ。
野菜の特徴を知れば冷凍保存が頼れる味方に
冷凍保存でうまくいかないのは、決してやり方が間違っているからではありません。
「野菜の特性を知り、保存方法を少し工夫する」
それだけで今より扱いやすくなり、冷凍した食材は毎日の食事作りをそっと助けてくれます。
無理なくできるところからはじめてみましょう。
■執筆/佐々木麻衣
料理家・食品ロス削減コンサルタント・冷蔵庫収納スペシャリスト。3大ロスを減らし家事をラクにする「冷凍貯金・食材保存・冷蔵庫収納」のセミナー講師も務めている。復数の冷凍術を駆使することで、年間36万円の食費削減を叶える節約と保存のプロ。
編集/サンキュ!編集部