冬野菜は旬の期間が長く、大根も白菜も秋頃から年末年始、さらには春先まで多く出回り、しかも特売品として目立つところに置かれることも多いため、必然的に食卓にのぼる回数が増えますよね。
どの冬野菜ももちろんおいしいけど、そろそろ飽きてきた…という人も多いはず。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクターの植松愛実が、冬野菜の代表選手ともいえる大根・白菜・春菊の脱マンネリ法を解説します。
大根の「定番」を回避するには
大根を使った料理がどれもこれも「定番」の味に感じるのは、基本的に半月切りやいちょう切りの状態で、醤油で味つけされるため。つまり、マンネリ解消のためには切りかたを変えて、かつ醤油を使わない味つけをするのがポイントです。
切りかたとしては、スティック状に切るといつもと違う食感に。そのまま炒め物にして塩こしょうだけで炒めてもいいですし、ベーコンなど洋の食材と一緒に炒めても合います。また鶏肉などの肉と一緒に、唐辛子をきかせたピリ辛炒めにすると、いつもと違う味わいを楽しめます。
意外と主張が強い白菜は、もっと強いものと一緒に
白菜はシンプルな味わいの野菜に思えますが、意外と風味が強く、鍋でも煮物でも「白菜っぽさ」がどうしても前面に出てしまい、結局何を作っても「いつもの白菜の味」になりがち。これを回避するためには、白菜の風味よりも強い調味料とあわせるのがおすすめ。
簡単なのは味噌との組み合わせで、牛肉などの肉と一緒に味噌・みりんなどで煮込んだり、麻婆ナスや麻婆豆腐のような味噌系の調味料を使う料理に入れたりすると、「白菜っぽさ」を感じにくい仕上がりに。また、トマト風味も白菜より強いので、ロールキャベツならぬロール白菜にしてトマト缶で煮込んでもおいしいです。
春菊はとりあえず生で食べてみて
春菊をいつもと違う味わいにするには、生で食べるのが一番簡単です。春菊は独特の風味があるので、加熱しないと食べづらいのでは?と思われるかもしれませんが、スーパーで買ってまもない春菊であれば、じつは生のほうがクセなく食べられます。
生の春菊は、食べやすい大きさに切ってふだんのサラダに一緒に入れるだけでもいいですし、かんきつ系との相性もよいので、みかんやグレープフルーツを入れたサラダもおすすめ。根元に近いところが固くて食べづらい場合は、根元付近だけうすくスライスしましょう。
また魚介との相性もよく、サーモンやカツオのカルパッチョもぜひ試してみてください。そのほか、乾燥小エビと一緒にゴマ油と塩で和えるだけでも立派な副菜になりますし、ツナとマヨネーズ、お好みで鰹節などで和えると子どもも食べやすくなります。
マンネリ解消で冬野菜を最後までおいしく食べよう
長いものだと半年近くも旬が続く冬野菜。鍋物で多く消費することもあり、冬も半ばをすぎると、だんだん飽きてきてしまいますよね。今回ご紹介したポイントを参考に、お買い得で栄養もたっぷりの冬野菜を、ぜひ最後までおいしく食べてください。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部