好きな野菜ランキングにも嫌いな野菜ランキングにも登場し、何かと食べたり調理したりする機会の多い野菜、ピーマン。とくにこれからの季節は出荷量も増え、おいしくてお値打ちなピーマンが手に入りやすくなります。
ピーマンはなじみ深い野菜なだけに、細かいことを気にせず調理している人もいるかもしれませんが、じつはさまざまな「もったいない」ポイントが隠れているかも!?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、じつは避けたいピーマンの「もったいない」食べかたと、おすすめの解決策を教えてもらいます。

切りかたを選ばなきゃ「もったいない」!
ピーマンは横方向に(つまり縦のスジと直角に)切る人が多いと思いますが、じつは好みにあわせて切りかたを変えるのがおすすめの野菜です。
ピーマンは見た目のとおり縦方向に繊維が入っていて、繊維に対して垂直に切ると、より多くの細胞を断ち切ることになります。細胞を断ち切ることで、ピーマンがやわらかくなりやすい一方で、ピーマン独特の風味や苦味は強くなる傾向に。
つまり、ピーマンをやわらかく仕上げたい場合や、ピーマン本来の風味をしっかり感じたい場合は横方向に切り、逆にシャキシャキ食感を残したい場合や、苦味をおさえたい場合は縦方向に切るのがおすすめです。
なお、みじん切りのように断面が多くなればなるほど、たくさん細胞を断ち切って苦味が強くなります。より苦味をおさえるためには、縦方向に、かつ太めに(大きめに)切るようにしましょう。
炒めるだけじゃ「もったいない」!
ピーマンを使った料理と言えば、油を使って炒めるのが代表的ですが、それだけじゃ「もったいない」!定番の炒める・焼く料理だけでなく、クタクタになるまで煮てもいいですし、片栗粉をまぶして揚げてもOK。また、電子レンジで1~2分程度の短時間加熱するだけでもおいしいです。
さらには、ピーマンは生で食べることもできます。細く縦切りにしてゴマ油や塩で和えるだけでシャキシャキのナムル風サラダが完成。ただ、生で食べる場合は新鮮なものを選んで、あまり食べすぎないようにしましょう。
捨てる部分があったら「もったいない」!
ピーマンを使うときは、まずヘタや種をとり除いて…という作業から始める人が多いと思いますが、じつはピーマンは、何も捨てなくていい野菜です。つまり、ヘタも種も食べることできます。
もちろん、もともとピーマンが苦手な人は、ヘタや種だけでなくワタもすべてとり除くほうが食べやすいですが、ピーマンが大好き!という人は、ぜひ丸ごと食べてみてください。
ピーマンを丸ごとオーブントースターで焼いて、醤油やかつお節をかけるだけでもおいしいですし、ごはんを炊く際に丸ごと入れて炊きご飯にすることもできます。炊き込みご飯は、ピーマンと一緒にツナや醤油を加えるのがおすすめで、炊き上がったらしゃもじで混ぜるだけで自然とピーマンが崩れるので包丁いらずです。
身近なピーマンをもっと楽しもう
身近すぎる野菜であるピーマンは、あらためて調理法を調べるまでもなく「いつものやりかた」で料理することが多いかもしれませんが、実際には切りかたも加熱のしかたも幅広く、奥深い世界があります。これからスーパーでも特売になることが多い季節ですから、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、ピーマンをもっともっと楽しんでくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部