例年5月頃から出荷量が増え、夏の終わりまでスーパーの店頭でも多く並ぶピーマン。嫌いな野菜にあげる人も多い一方で、「大人になってから好きになった」という人も多く、意外と人気野菜でもあります。
ピーマンを買ってくると、知らないうちに冷蔵庫のなかでシワシワになってしまっていた…という経験、ありませんか?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、ピーマンのやりがちなNG保存方法とその理由、さらにはおすすめの解決策を教えてもらいます。

【NG1】冷やしすぎ
ピーマンを冷蔵庫の冷蔵室に入れてはいけない…と聞いたことのある人も多いのでは。実際、ピーマンやナス、トマト、きゅうりといった、暑い季節に収穫量が増えるタイプの野菜は、「低温障害」と言って冷やしすぎることで変色したり傷んだりすることがあります。
そのため、ピーマンを保存する際は、冷やしすぎはNG。冷蔵庫の野菜室に入れるか、もし野菜室がないタイプの冷蔵庫の場合は、冷気に吹き出し口から遠いところに置いたり、新聞紙に包んで入れたりするなど、冷やしすぎない工夫をしましょう。
【NG2】冷やさなさすぎ
冷やしすぎはNG…と言いつつ、これからの季節は「冷やさなさすぎ」にも気をつけてください。というのも、ピーマンやナスは、秋~春にかけては常温で保存することもあると思いますが、これから気温が上がってくると、常温では「暑すぎ」になってしまうためです。
おおむね15℃を超えるくらいの気温、つまり人が「カーディガンなどの羽織りものがなくても平気」と感じるくらいの暖かさになってきたら、ピーマンは冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。
【NG3】傷んだものをすぐ除かない
ピーマンは、袋のなかで1つが傷み始めると、まわりのピーマンも次々と傷んでいってしまいます。つまり、ピーマンがたとえ1つでも傷んでいたら、すぐに取り除いて無事なピーマンと隔離する必要があるのです。
シワシワ・ブヨブヨでやわらかくなってしまったり、色が変わってしまったりしたピーマンは、早めに袋から出しておきましょう。また、表面上は大丈夫そうでも内側にカビが生えることもあるので、基本的に早め早めに使っていくのがおすすめです。
おまけ:できれば乾燥対策を!
ピーマンを自宅で保存していると、だんだん表面にシワが寄ってきてしまうことがありますよね。これは、ピーマンの表面から水分が蒸発してしまい、乾燥している証拠です。
シワが寄るほど乾燥してしまったピーマンは、ハリがなく食感が悪いだけでなく、厚みが失われてペラペラなので加熱時もすぐ焦げてしまって、おいしくありません。そのため、ピーマンの保存時はできれば乾燥対策もしてください。
ピーマンを買ってきたら、ひとつずつキッチンペーパーなどの紙につつんでからポリ袋へ。これだけで日持ちが全然違います。ちょっと面倒かもしれませんが、余裕があるときはぜひやってみてくださいね。
みずみずしいピーマンをよい状態で楽しもう
年間をとおして出回るピーマンですが、やはり初夏から夏にかけてはみずみずしく、おいしいピーマンが手頃な価格で手に入るようになります。
トマトやきゅうりと比べて日持ちしやすいかも?と思いきや、保存方法を間違えると一気にシワシワ・ブヨブヨになってしまうピーマン。今回ご紹介したコツをおさえて、ぜひできるだけよい状態で旬の味を楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部