秋から冬に向けて出荷量が多くなる、ごぼう。寒くなってくるとごぼうなど根菜類の入った、ほっこりした煮物が恋しくなりますし、年末にはおせち料理のために買う人も多くなりますよね。
ごぼうは地味な野菜のイメージがあり、あまり細かい調理方法を気にしたことがない人も多いかもしれませんが、意外と「もったいない」食べかたをしている人も!?今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、ごぼうの「もったいない」食べかたとおすすめ解決策を教えてもらいます。
きんぴらを作るのに水にさらしたら「もったいない」!
ごぼうを調理するときは、せん切りやうす切りにした状態で水にさらし、アク抜きをすることが多いと思います。ごぼうはそのままではアクによって仕上がりが黒っぽくなってしまうので、ごぼうサラダや色のうすい煮物などに使う場合はアク抜きが必要です。
一方で、きんぴらごぼうのように、もともとの濃いめの茶色に仕上がる料理であれば、その必要がありません。ごぼうは水にさらすことでポリフェノールなど大事な栄養が逃げてしまうので、水にさらさずに調理することで栄養面でもよいだけでなく、手間も減らせるので一石二鳥ですよね。
ちなみに、ごぼうは水にさらすよりも酢水にさらすほうが、ポリフェノールの減少をおさえることができます。水にさらすより少し手間は増えますが、栄養を逃がさずきれいな色に仕上げたいときはおすすめです。
皮をむきすぎたら「もったいない」!
ごぼうの皮をピーラーでむく人もいますが、これでは皮をむきすぎです。というのも、ごぼうの栄養や香りの成分は、皮や皮に近いところに集中しているため。
皮むきは最小限にするのがおすすめです。たとえば包丁の背や、丸めたアルミホイルでこするようにして、皮をむくというより汚れを落とすというイメージで下処理をしましょう。
ピンク色になったごぼうを捨てたら「もったいない」!
ごぼうを切ってみると、断面がピンクっぽく変色していることがあります。腐ってしまったのか?と思って捨ててしまう人もいますが、それでは「もったいない」!
ごぼうのピンク色は、ポリフェノールが空気にふれることで酸化しただけなので、ふつうに食べることができます。ただ、カビが生えていたり、すっぱいニオイがしたり、ぶよぶよになってしまっているゴボウは、色に関係なく捨てましょう。
美容にも健康にもうれしいごぼうを上手に使おう
ごぼうは地味な野菜に見えるものの、実際にはポリフェノールのような抗酸化物質や、発酵性食物繊維と呼ばれる肌の調子をととのえるのに必要なタイプの食物繊維も豊富に含まれていて、旬のうちにぜひ積極的にとりたい野菜です。ぜひ今回ご紹介した「もったいない」ポイントを避けて、ごぼうを上手においしく楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部