梅和えなどの料理に梅干しを使うと、種を取り除いて使うので種は捨てちゃいますよね。でも、梅干しの種ってじつはいろんな料理に活用できるんです!
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、梅干しの種の活用法を教えてもらいます。
【1】とりあえず味噌汁に入れてみよう
じつは、梅干しの種ではなく梅干しそのものを味噌汁に入れるレシピも存在するのですが、その場合はしっかり梅の風味や酸味がするので、好みがわかれる場合もあります。一方、梅干しの種だけを入れる場合は、言われないと気づかない程度の味の変化なので、とりあえず試すにはぴったり。
まずは種を1つだけ入れてみて、いけそうだったら次回は2~3個入れてみてください。ほんのりコクとさわやかさがプラスされ、ワンランク上の味噌汁の味わいになります。ただ、食べるときに間違って飲み込まないよう、お椀によそう前に取り除いておくのがおすすめです。
【2】肉じゃがもカレーも…だいたい何に入れてもいい
味噌汁のほかにも、梅干しの種はだいたい何に入れても成立する、優秀な食材です。肉じゃがに入れると、言われないと気づかないくらいの酸味が足されて、味わいに厚みが出ます。もちろん、酸味が苦手でない場合は、種を多めに入れたり、あるいは梅干しそのものを入れて「梅肉じゃが」にしてもかまいません。
そのほかカレーや生姜焼きに入れることもできます。生姜焼きの場合は、最後にタレの調味料を入れる際に一緒に入れてください。カレーや生姜焼きの場合も、多めに入れてしっかり酸味を出すのもおいしいので、ぜひお好みで調節してくださいね。
【3】魚料理の臭み消しにも
イワシやサバ、サンマといった魚を調理する際に「梅煮」にすることがありますが、「梅煮」までいかずとも、醤油や砂糖で煮るときに梅干しの種を入れることで、臭み消しの効果があります。
消費期限が近づいてちょっと臭いが気になり始めた青魚でも、梅干しの種と一緒に煮ると気になりづらくなります。味わいもワンランクアップするので、一石二鳥です。
おまけ:ひと手間かけるなら…梅醤油や梅出汁が美味
最近はSNSで話題になったこともあるため聞いたことのある人もいるかもしれませんが、保存容器に醤油と梅干しの種を入れてしばらく置くと、梅の風味がしっかり移った「梅醤油」が完成。冷や奴や刺身など、お好きなものにかけて使えます。
鍋で出汁を取るときに梅干しの種を入れて一緒に煮出した「梅出汁」というのもあり、麺類のつゆを梅出汁で割ると、寒暖差で疲れた体にぴったり。ひと手間はかかりますが、時間のあるときにぜひ作ってみてください。
梅干しの種は捨てないで!とりあえず入れてみよう
今回ご紹介したように、梅干しの種はかなり幅広い料理に「とりあえず入れて」OK。種1つなら味の変化はわずかなので、失敗しにくいのもうれしい点です。今まで捨ててしまっていた!という人はぜひ、まずは味噌汁など簡単に試せるものからやってみてくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部