寒さが厳しくなる季節、トロトロのなめこが入ったお味噌汁や煮物が、いっそうおいしく感じますよね。なめこは古くから食用されてきたなじみ深いキノコですが、じつは意外と「もったいない」食べかたをしてしまっている人もいるかも!?
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、なめこの「もったいない」食べかたとおすすめの解決策を教えてもらいます。
洗わないのは「もったいない」を超えて「NG」!
キノコは洗わずに使いましょう…そう聞いた覚えのある人は多いはず。たいていのキノコは、水で洗うと風味が落ちてしまうので、ぬれ布巾かキッチンペーパーなどで汚れをふき取る程度にして、洗うことはありません。
ところが、なめこだけは事情が異なります。なめこは表面にぬめりがあるため、生産過程でおがくずやホコリが付着しやすい上に、ぬめりのせいでふき取った程度では汚れが取れないのです。
また、購入後しばらく経つと酸味が出てくることもあるのですが、洗うことでそれを落とすこともでき、一石二鳥。そのため、なめこは必ず洗ってから調理に使うようにしましょう。
洗いすぎも「もったいない」
前述のとおり、なめこは使う前に洗う必要があるのですが、洗いすぎると逆にうまみが逃げてしまい、やはり「もったいない」のです。
なめこを洗う際は、ザルに入れて手でかきまぜながら流水でサッと洗う程度にしましょう。真空パック入りのものはそのままザルにあけて、株つきのタイプなら石づきを切り落としてバラバラにしてからザルに入れて洗ってください。
早めに食べなきゃ「もったいない」
キノコは全般に買ってから数日しか持たないものが多いですが、なめこも同様です。真空パックに入っているタイプだとなんとなく長く持ちそうに見えますが、それでも1週間程度が限度。なので早めに食べないと「もったいない」!
ちなみに、真空パックでも株つきのタイプでも、一度開封したら同じくらい早く使う必要があります。できれば密閉できる袋か保存容器に入れて冷蔵庫に保存し、2日程度を目安に食べきりましょう。
加熱しないのは「NG」
なめこは、ほかのキノコ同様、加熱しないと食べることはできません。多くのキノコは(一部のマッシュルームやトリュフをのぞき)生のまま食べると、食中毒になってしまうおそれが。とくになめこの場合は、ほかのキノコ以上に袋のなかで雑菌が繁殖しやすいという事情もあります。
そのため、かならず加熱してから食べましょう。和え物に入れる場合でも、サッとゆでてから使ってくださいね。
なめこの「もったいない」や「NG」を避けて楽しもう
なめこは、しめじやしいたけ同様、昔から日本に自生していたのを、現代では工場で多く生産するようになり、いつでもスーパーで気軽に買えるようになったキノコです。それだけ日本人とのつき合いが長く、なじみ深いキノコですが、ふだん何気なくやっている調理作業に「もったいない」ポイントが隠れていることも。
今回ご紹介した解決策を参考に、ぜひ寒い季節をなめこのトロトロあったか料理でおいしく乗りきってくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部