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衣類スチーマーが安く買える時期はいつ?買いどきと選び方、おすすめを家電の専門家が解説

2020/04/14

時期によって価格が大きく変動することもある生活家電。家計をやりくりする主婦としては、できればいちばん安いタイミングで買いたいものです。そこで、家電コーディネーターの戸井田園子さんに、家電の種類によって異なる、安く買える時期を解説してもらいます。

今回「衣類スチーマー」が安く買える時期についてです。

アイロンに並ぶ定番商品に!衣類スチーマーのトレンド

「衣類スチーマー」とは、蒸気(スチーム)で衣類のシワをとることができる、衣類ケア家電です。衣類のシワ取りをする家電といえばアイロンがありますが、衣類スチーマーが大きく異なるのは、ハンガーにかけたまま使えるところ。布地にスチームがかかることで繊維の目が整い、結果シワが取り除けるという仕組みです。水分が蒸発するとニオイの成分も一緒に蒸発するため、脱臭効果にも期待できるというメリットも。

衣類スチーマーに対して“新しい家電ジャンル”というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、じつはコテ型の衣類スチーマーは以前から存在していました。しかし、衣類を「たたむ」文化がある日本では「アイロン」が主流で、サブ的な存在に留まっていたのです。

また、アイロンにスチームを併用する「スチームアイロン」も古くからありますが、垂直(ハンガーにかけたまま)で使うことを想定していないため、スチームはあくまでプレスのアシストとして存在していました。

しかし、パナソニックが2013年にアイロン型の衣類スチーマー「NI-FS300」を発売すると、スチーマーだけでなくプレスもできる2ウェイが大ウケし、ブレイク!さらに、スチーマーはプレスより手軽ということもあって人気が上昇。現在ではアイロンに並ぶ定番商品に成長しました。

近年の傾向は「コンパクト化」と「デザイン向上」。出したままにできるコンパクトサイズと、デザインの良いものが増えていて、またニーズの広がりを受けて旅行や出張にも持っていけるモバイルタイプも登場しています。

価格は1500円~1万5000円までと、比較的手頃な設定。プレスができない専用機とプレスもできる兼用機があって、形も性能もいろいろなので目的に応じてセレクトしてください。

「衣類スチーマー」が安く買える時期はいつ?

手はサイコロを回しているし、ダウン (またはその逆) という価格を象徴する矢印の方向を変更
Fokusiert/gettyimages

アイロンに並ぶ定番商品にはなったものの、発展途上のジャンルなのでメーカー横並びで「ここ!」という新製品発売時期は確定していません。ただ商品の特性上、新生活がスタートする春に向けて、新製品がされる傾向があります。

一般的に、新モデルが登場したタイミングで旧モデルが底値になります。なので、現時点(2020年4月時点)で「安く買いたい」のであれば、発売から1年程度が経過した旧モデルを探すのがおすすめ。ただし、新モデルが登場すると旧モデルは店頭展示が無くなってしまうので、旧モデルをおトクに買いたいなら、店頭よりネットの方が手に入りやすいでしょう。

絶対に最新モデルが欲しい!ということなら、今まで衣類スチーマーを発売していなかったメーカーや、既存機種の新シリーズをチェックしてみるのがおすすめ。ただしその場合、「安く買う」のは難しいでしょう。

「衣類スチーマー」を選ぶ・購入する際にチェックすべきポイント

ポータブルホームと衣服の衣服のスチーマー。服の山。家事
MurzikNata/gettyimages

ここからは、衣類スチーマーを選ぶ・購入する際にチェックしておきたいポイントについて、詳しく解説していきましょう。

ポイント1:「兼用タイプ」と「専用タイプ」の違いを知る

衣類スチーマーにはスチーマーとプレスが1台でできる兼用タイプと、スチーマーだけの専用タイプがあります。

プレス兼用は、汎用性が高いものの、スチーマーとプレスの機能を両立させる必要がある故のデメリットも。例えば、スチーマー時に持ち上げて使うため、本体サイズや給水タンクなど重くならない設計が多く、そのため、給水タンクのスチーム量は多くて11~12g/分くらいまでです。このタンク容量は衣類のシワ取りをする分には十分ですが、シーツなどの大物や枚数多くをこなすにはやや物足りません。アイロンとしても使うがメインは出かける時にさっと使いたい、という人におすすめです。

一方、スチーマー専用は、プレスはできませんが、単機能特化なのでスチーム量が多く広い面積で使えるものが多いです。また、長時間使えるように、給水タンクが大きい傾向に。衣類管理はまとめてしたい、カーテンやソファなど布製品全般のメンテナンスに使いたいという人は、専用機がおすすめでしょう。ただしその分、本体サイズが大きかったり重かったりするので、設置場所の確保をお忘れなく。

ポイント2:スチームパワーと発生するスチームのタイプを知る

ひとくちにスチーマーと言っても、スチームのパワーや出方などは異なります。ここでは、衣類スチーマーのスチームについて詳しく解説します。

スチーム量

スチーム量は平均毎分何グラム(**g/分)で表示されるもので、数字が大きいほどパワーがあると考えればOK。コンパクトタイプは10g/分くらいが主流で、専用機だと30g/分とパワフルなものもあります。

スチーム噴出の連続時間

水タンクの容量との関係で、連続何分使えるかが変わります。水タンクが大きいと連続使用時間は長くなりますが、本体重量は重くなります。水タンクが小さいと、軽くなるものの連続使用時間は短く。軽さ重視か、大物にも使いたいので連続使用時間重視か、使い方を想定して選ぶようにしましょう。

スチームの立ち上がり

スイッチを入れてからスチームが発生するまでの時間も、製品によって異なります。立ち上がり時間が短い方が忙しい時には便利です。

スチームの出方

「拡散タイプ」は、スチームが広がり包み込むようなイメージ。スチームの勢いはありませんが広範囲に行き渡るので、当たった部分のシワが一度に取れやすいです。スチーム量の多いタイプが多く採用。

「ショットタイプ」は、トリガーを握ってプッシュされた勢いがあるスチームが出るもの。狭い範囲しかスチームが届かないので、広い面積だとやや時間はかかるが、スチームが当たった部分はシワやニオイがしっかりとりのぞけます。スチーム量が少ないタイプは、ショットタイプの方が効果を得やすいでしょう。

スチーム調整

スチームの出方や量が1パターンのみのものと、スチームの出方や量を変更できるモードを搭載しているものがあります。価格が上がるほど、細かい設定ができる傾向に。またプレス兼用の場合、掛け面の温度が選べる方が使い勝手が良いでしょう。

ポイント3:コード付き、コードレス(充電式)の違いを知る

アイロンはコードレス(充電式)が主流ですが、衣類スチーマーは大半がコード付き。時間制限なく使用できるのがメリットですが、コンセントの近くでないと使えないため、利用シーンが限られます。クローゼットや玄関先など、コンセントが無いと使えないこともあるので、どこで使いたいのか?電源は確保できるか?など、事前に確認しましょう。

数は少ないですが、コードレス式の衣類スチーマーもあります(現在、日本国内では東芝のみ)。コードレスアイロン同様、充電台に置いて充電し作動するタイプで、コードがない場所でも使える手軽さが魅力。ただし、連続使用の時間が限られスチームのパワーも時間とともに落ちるため、カーテンやソファなど大物まで使いたいというニーズには向いていません。

ポイント4:形状の違いを知る

兼用・専用それぞれで、形状の違いがあり、握りやすさや取り回しなどが変わってきます。また、スチームを発生させる方法も、トリガーを握り続ける、ボタンを押し続ける、スイッチを押せば連続発生する、など製品によってさまざま。使い勝手を大きく左右するポイントなので、できれば店頭で現物を触って確認したいところです。以下、代表的な形状とその特徴を解説します。

アイロン型

出典:Amazon

コンパクトサイズのアイロンで、使用中は、クレードル(置き台)に置くタイプ。プレスもできるよう、垂直・水平ともに使いやすい設計で、さらに垂直に持っても重く感じないよう、持ち手の位置や重心が工夫されています。重さ・スチーム量・連続使用時間ともに、バランスを重視しているためスチーム量は中くらいで、プレス面はアイロンに比べるとやや小さめ。専用機(スチーマー・アイロン)と比べると、性能はすべて「真ん中」くらいという印象。

コテ型

出典:Amazon

持ち手の先に、小さなロケット型のかけ面がついているタイプ。スチームは、ブッシュ式で発射するショットタイプが多く、水タンクの容量が大きくとれないので、連続使用時間は短めです。先端が小さく小回りが効くので、細かい部分のシワ取りがしやすいという特徴も。

マイク型

出典:Amazon

スチームが発生するヘッド部分の下に持ち手があり、マイクのように握って使うタイプ
プレスのための平面が必要ない、専用機に多いです。使用中は、そのままテーブルや台の上に置けるのが便利。タンク容量はモデルによってさまざまですが、スチームに特化しているため大きめのものが多いです。

シャワー型

出典:Amazon

ホースの先にヘッドがある、シャワーのような形状。日本ではメジャーではないが、海外ではよく見るタイプです。水タンクが別になっているため、手で持つ部分は軽く操作しやすいことと、水タンクが大きくできるので、長時間の使用ができるのが長所。衣類ケアはスチーマーがメインで、クローゼットに常備しておくような使い方に向いています。

形状と合わせて重量のチェックも忘れずに!

また、形状と合わせて重量のチェックも忘れないようにしましょう。アイロンと違って持ち上げたまま使用するので、手で持つ部分の重量が1kg以内だと使いやすいでしょう。ただし、1kgを超えても、形や持ち手の位置よって体感の重さが変わるので、実際に持ってみるのがおすすめ。

タイプ別、衣類スチーマーの特徴&おすすめ

ここからは、衣類スチーマーのタイプ別に、筆者がおすすめする製品をご紹介します。(2020年4月時点)。

「兼用タイプ」のおすすめ衣類スチーマー

スチーマーとプレスが1台でできる兼用タイプのおすすめ衣類スチーマーを「アイロン型」「コテ型」「マイク型」「シャワー型」の形状ごとに紹介します。

【アイロン型】パナソニック:衣類スチーマー【NI-FS760、NI-MS100】

出典:Amazon

衣類スチーマーがブレイクするきっかけを作ったメーカーであるパナソニック。製品のラインナップが豊富で、デザインもかわいいものが揃っています。立ち上がりのスピードも早く、忙しい朝に便利なのが特徴。

複数ある製品のなかで、最上位モデルとなるのが「NI-FS760」。360度どの向きに動かしてもしっかりスチームが出て、小回りが効くのが魅力。全方位にスチームが広がる出方でシワがよく伸び、プレスもしっかりできてアイロンとしても十分な仕上がり。かけ面がラクビーボール型のなので、どの方向にもかけやすい一方、かけ面が本体より出っ張っていないので細かい部分はやや苦手。

出典:Amazon

パナソニックからはもうひとつ、モバイルタイプの「NI-MS100」もおすすめです。携帯できるコンパクトサイズであることに加えて、電圧フリーなので海外でも使用可能。旅行や出張先でも使えるのが便利です。

【アイロン型】日立:衣類スチーマー【CSI-RX2】

出典:Amazon

スチーム量が14g/分と多く、素早くシワを伸ばすことができます。一度ボタンを押すと60秒スチームが出続けるタイプなので、押し続けるストレスがないのもうれしい。アイロンとして使う場合は、かけ面がひし形でどの方向に進行しても大丈夫。プレスはややコツが必要なものの、ヘッドの先端が細かい部分まで届く形状でかけやすいです。

【コテ型】ツインバード:ハンディーアイロン&スチーマー【SA-4092W】

出典:Amazon

古くから衣類スチーマーの形として発売されている製品。ショットタイプで勢いのあるスチームが特徴です。ピンポイントにスチームを当てやすいので、狙ったシワ取りに向いているが、連続でスチームを出し続けることができないため、広い面積だと時間がかかります。コテ型なので、握りやすくプレス時は細かい動きがしやすい。

【マイク型】プラスマイナスゼロ:スタイルスチーマー

出典:Amazon

スライドスイッチ式で、ボタンを押し続けてなくても連続スチームが出るのタイプ。全体に行きわたる柔らかくて広がるスチームの出方だが、スチーム量はそこそこで深いシワはやや残るかも。小判型の掛け面でプレスできるが、扱いにコツが必要でややシワが残りがち。スタイリッシュでカラーバリエーションも豊富と、デザイン性の高さが特徴で、非通電中もそのまま台(机やカウンター)の上に置けるのも便利です。

【シャワー型】コンエアジャパン:ガーメントスチーマーデュアルテックスチーム【GS-88J】

出典:Amazon

欧米ではよく見かける、ハンガー一体型。設置スペースが必要なので、日本ではあまり支持されていないが、タンクとノズル部の2箇所にヒーターを搭載しているため、温度が下がらず高温高圧のスチームを噴出できる本格タイプです。毎日着る制服やスーツなど、なかなか洗えない服のメンテをしっかりやりたい人向き。

「専用タイプ」のおすすめ衣類スチーマー

プレスはできませんが、単機能特化なのでスチーム量が多く広い面積で使えるものが多い「専用タイプ」からは、「マイク型」と「シャワー型」のおすすめをご紹介します。

【マイク型) T-fal:アクセススチーム プラス

出典:Amazon

衣類スチーマー専用機の老舗でパワーがウリ。スチームが広範囲に広がり、スチーム量も多く、一度でしっかりシワが伸び、カーテンやソファなど広い面積でもカバーできます。ただし、本体が重めなので、長時間使用はやや辛いかもしれません。通電中でも本体を直接置けるのが便利で、レトロな印象のデザインにそそられる人もいるかも。

【シャワー型】コンエアージャパン:ウルトラパワースチーマー 65minutes【GS-65J】

出典:Amazon

シャワーヘッドタイプなので、手元は軽く取り回しがラク。スチームは量が多くしっかり行き渡り、広範囲のシワがよく取れます蒸気発生部分が別なので、ヘッドが下を向いていてもスチームが出るのでかけやすい。大容量タンクで本体が大きく重いが、長時間連続使用ができるので大物もOK。



◆監修・執筆/戸井田 園子
性能・コスト・デザインなどを総合的に判断し、製品選びに役立つ情報を発信する家電コーディネーター。総合情報サイトAll Aboutの家電ガイドを始め、雑誌、テレビ、ラジオなど数多くのメディアで活躍中。

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