介護、相続・・・。親の「もしも」に備えて今やっておくべき実家のこと8

2017/01/28

親が急死したり、認知症でコミュニケーションが取れなくなったとき、「もっと早く親の希望を聞いておけばよかった」と後悔するケースが増えています。今はまだ元気でも、いつどうなるかは誰にもわかりません。そんないざという事態に備えて、今から親子で話し合いながら、始めておくべき大事なことをお伝えします。

1.「もしも」を防ぐため、親の健康状態をチェックする

CHECK親のかかりつけ医を知っておく
行きつけの病院や主治医を聞いておきましょう。行きつけの病院がないなら、ネットなどで評判のいい病院を探しておくのもよし。また、親の健康診断や人間ドックの結果も必ず確認し、もしも健康診断などを受けていないなら、同行したり、人間ドック代をプレゼントするなど、積極的に働きかけて。


CHECK親の服用している薬を知っておく
万一の場合、医療機関に正しい情報を伝えられるよう、親の過去の病歴や持病、現在治療中の病気、服用している薬なども確認を。薬や食べ物のアレルギーも要チェック。


CHECK薬や保険証など、「命にかかわる書類」の保管場所を聞いておく
保険証、診察券、お薬手帳、服用中の薬などが、どこにしまってあるのか聞いておき、必要のないものが混じっていないか整理してみるのもいいでしょう。


CHECK保険証券を確認しておく
入院や手術をする場合に備えて、保険証券の保管場所も聞いておきましょう。その際、保障内容や保健期間も一緒に確認を。


2.親の“衰え”が表れる場所=玄関、廊下を片づける
体力が低下して、片づかや収納がおっくうになると、玄関まわりや廊下、階段などに床置きするものが増えます。


CHECK転倒や骨折の原因となるものを片づける
年を取って足腰や視力が弱ってくると、ちょっとした障害物で転倒して転倒してしまうことも。通路や廊下に障害物となりそうなものがないかチェックして。


CHECK緊急避難の邪魔になるものや、高い所にあるものを移動する
火事や自信のときの避難経路を確保。玄関や窓まわり、廊下、階段、部屋の出入り口を点検。寝室に背の高い家具や落ちそうなものがないかも要確認を。

3.重要書類の置き場所を確認する


CHECK急死したり認知症になったときに必要なものを確認しておく
認知症になったときも銀行口座が凍結されます。印鑑、通帳、保険証券や有価証券、土地などの権利証、クレジットカードやマイナンバーなどの置き場所を確認しておいて。防犯面も考えながら、保管場所を決めましょう。


4.年金の内容や支払いを聞いておく


CHECK年金などの収入を確認する
治療費や介護費用、葬儀やお墓の費用をどう捻出するかというときのため、だいたいの年金額や預貯金額を把握しておくといいでしょう。また、郵便物のなかに督促状が届いてないかそれとなくチェックして、隠れ借金がないかも確認すればより安心。


CHECK現在の支出をまとめて聞いておく
家賃や公共料金、携帯電話などの支払先や引き落とし口座も確認しておくとさらに安心。親が亡くなったときに支払いをストップさせるときもスムーズです。


5.親と一緒に「残すもの」を整理する


CHECK親に何が大切な思い出なのか聞いておく
残しておきたいもの、誰かに譲りたいもの、処分していいものなどを確認しておきましょう。


CHECK「デジタル遺産」について確認しておく
ネット上に残されたSNSアカウントやメール、写真などのデータのこと。知られたくないプライベートな内容もあるかもしれないので、死後どうしてほしいか希望を聞いておきましょう。


6.親の交友関係を確認する
親が亡くなったときにだれに知らせればよいか、手助けしてくれる人がいるかどうかも確認を。


CHECK親あての年賀状の保管場所を聞いておく
お葬式に呼ぶ人リストを作ってもらうのはハードルが高くても、年賀状ぐらいは確認を。


CHECK親がお世話になっている人をチェック
友人や近所の人だけでなく、町内会長や民生委員、役所の老人福祉課などの名前もチェックしておくといいでしょう。


7.「エンディングノート」を書いてもらう
もしもに備え、医療や介護、相続、葬儀などの希望をまとめて書いておくエンディングノート。遺言書のような法的拘束力はないけれど、遺言書を書く前に自分の考えを整理するのにも役立ちます。


8.遺言書を書いてもらう
遺言がない場合、民放で定められた法的相続人が相続人になりますが、これがもめ事のもとになるケースが多いので、作成してもらうのがおすすめ。


CHECKできれば公正証書遺言を書いてもらう
自分で手書きする自筆証書遺言は書式の不備や内容の不明確さでトラブルになることも多いので、できれば公正証書遺言がベターです。


実家の片づけや身辺整理は、親が死んだときのためではなく、あくまでも親が安全で快適に暮らすため、「残りの人生をよりよく生きるため」にするものです。親の意思や気持ちを最優先させて、無理のない範囲で生前整理を少しずつ進めましょう。そして何より日ごろのコミュニケーションを心がけることが大切かもしれませんね。


参照:『サンキュ!』1月号「実家でやることリスト&マニュアル」より一部抜粋 監修/山口里美、イラスト/にしほりみほこ、取材/鹿島由紀子、文/田谷峰子
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