ワインをよく飲む人は要注意!?虫歯ができていないのに歯がしみる原因と治療法

2021/07/07

お口からのトラブルを予防するための歯医者でサンキュ!STYLEライターの野尻真里です。

気温が上昇し、冷たいものを飲食をする機会が増えてきました。
それに伴い、私の勤務先の歯科医院でも冷たいものにしみるという患者さんが増えてきました。

今回は虫歯ができていないのに歯がしみるのはなぜなのか解説していきます。

知覚過敏はどんな症状? 

知覚過敏とは、虫歯になっていないのに冷たいものや温かいものを飲食したときや歯磨きを行った際、冷風が当たった際などに一時的に歯がキーンとしみる症状です。
基本的に知覚過敏によってしみる症状は10秒以内で治まることが多いため、連続して続く痛みの場合は、虫歯や歯髄炎の疑いがあります。

知覚過敏はなぜ起こるの?

本来、お口の中に露出している部分は、歯の最表層であるエナメル質という硬い部分です。
しかし、何らかが原因で象牙質という、本来はお口の中には出てこないはずの層がお口の中に出てくることによって、知覚過敏は起こってきます。

象牙質には象牙細管と呼ばれるたくさんのトンネルがあり、神経に刺激を伝えています。
象牙質がお口の中に露出することによって、直接刺激が伝わりしみてしまいます。

知覚過敏を引き起こすトラブルとは?

では、なぜ象牙質がお口の中に出てくるのか。原因はいくつかあります。

1.歯周病で歯のまわりを支える組織が溶け、結果歯茎が下がる

2.強い圧での歯磨きによって歯茎が下がる、歯がすり減る

歯の根元部分(通常歯茎に埋まっている部分)にはエナメル質は存在しません。
そのため歯茎が下がると象牙質はすぐに出てきてしまいます。

3.酸蝕症によって表層が溶け出す

ワインや酢など酸が多く含まれている飲食を頻回に行っていることによって歯の表面が溶けだしてしまう状態です。※虫歯は虫歯菌の出す酸が原因となるため、酸蝕症とは異なります。

4.歯ぎしりや強い食いしばりで歯にヒビが入ったり欠ける

が代表的な原因となります。

歯医者さんではどんなことをされるの?

歯医者さんに行くとまずレントゲン写真で虫歯がないかどうか見られます。

虫歯による痛みではないと分かったら、次に歯周病の進行具合、噛み合わせ、歯茎の状態の精査を行い原因の特定を行います。

特定した原因に応じて、噛み合わせを調節したり、歯磨き指導や、知覚過敏処置を行います。
歯の根元が欠けているときは詰め物を行います。

当日にシミ止めのお薬を塗る場合も多いですが、これはずっと効果が持続するものではありません。そのため原因を改善する必要があります。

まれに自費診療でレーザー治療を行うこともありますが、効果は永続的でなく、近年効果にも疑問が持たれているため、主流ではありません。

また、痛みがどうしても我慢できないときに神経を取る処置を行うことがありますが、予防歯科の観点から、その歯の寿命を縮めてしまうため最終手段としても好ましくないとされています。

つまり、痛い治療はあまり行われませんが、原因の改善をしないと緩和していかない可能性が高いです。

知覚過敏が判明したら行うとよいこと

まず1つ目は、歯磨きを徹底してプラーク(細菌の塊で歯についているネバネバ)をためないことで知覚過敏は少し緩和すると言われています。
しかし、強く磨くと悪化するため歯科医院で正しい指導を受けてください。

2つ目は、フッ素濃度の高い歯磨き粉(1,450ppm)を使うことで緩和すると言われています。
象牙細管を塞ぐ、もしくは刺激伝達を防ぐような効果が表記してある歯磨き粉の使用でも緩和されます。

歯の痛みはSOSサインなので早めに歯科医院へ

歯がしみる場合、自分ではなかなか原因はわからないものです。
痛みを感じたらなるべく早く専門家に診てもらいましょう。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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