「反骨精神」はどう使うのが正しい?よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説
2021/11/24
日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。
多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。
意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。
「反骨精神」の意味とは?
「反骨精神」という言葉は、「不当な権力、不正などに立ち向かう精神」という意味を持つ言葉です。
辞書的には「容易に人に従わない」「権力に抵抗する」といった気持ちをさします。
「骨」という漢字が入っているのに違和感を覚える人がいるかもしれませんね。骨には体の中心という意味から派生した、心の底、気性などといった意味があります。「気骨のある人物」と言う時に使う「骨」に近い感じですね。
自分の信念をつらぬき、権力に容易に屈しない精神、といったニュアンスがあります。
「反骨精神」の正しい使い方、例文は?
「反骨精神」という言葉は、前述のとおり不当な権力、不正、因習(古くから伝わる風習、特に時代遅れの風習をさすことが多い)に立ち向かっていく気概をあらわしています。
具体的には、こんなふうに使うといいでしょう。
・若い人たちが反骨精神を持って、腐敗した権力構造を断ち切ることを願っている。
・会社の古い制度を反骨精神によって変えていくことが、今の時代には必要だ。
目上の人に使ってもいい?だめ?
「反骨精神」は言葉の意味から考えて、目上の人に使うことはあまりないでしょう。
だからといって、ビジネスシーンに不向きな言葉ではありません。上司が部下をはげますときなど、不当な圧力などに負けないでほしいという気持ちをこめて使うことができるでしょう。
間違いやすい「反骨精神」の誤った使い方
「反」という漢字は「反抗」「反逆」といったネガティブな意味の言葉に多く用いられるため、「反骨精神」という言葉も悪い意味にとられがちです。
「何かと反抗的な態度をとる性格」という意味に誤解している人もいるのではないでしょうか。実際には、そういう悪い意味を含まない言葉なので注意してください。
したがって、以下のような使い方は誤りです。
・今年の新人は、何かと上司にけちをつける反骨精神のかたまりのようなやつだ。
・努力もせず会社に文句ばかり言う反骨精神は、きっぱりとなくすべきだ。
みなさんは「反骨精神」という言葉を正しく使えていましたか?
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。
ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。
正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っているときは柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・ danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの 主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。