【連載】熟れすぎMANGO VOL.119
2017/10/05
「夫婦」を楽しむちはるのスーパーポジティブY談
イトオシム
今年に入ってから夫婦の営みが激減していた。お互いのタイミングが全くかみ合わない。今日こそはと、気合いを入れてスネ毛もムダ毛もキレイに整え、久しぶりに奮発して買ったちょっとセクシーな下着を着けてワクワク待ってる夜に限って、旦那くんまさかの残業。おいおい。逆にこちらがお風呂に入るのも面倒なくらいグッタリしている日に限って妙にすり寄ってこられ、仕返しとばかり大袈裟に拒否してしまったり。やれやれ。わざと拒みあってるんじゃないのかと思うくらい、お互いのタイミングを見事に潰し合っていた。
いや、このままではイカン。年上で一応経験も失敗も積み重ねてきた私が打開策を考えねば。とにもかくにも営みたいのだ。
思い切ってストレートに行こう。LINEで面白LOVEスタンプと共に「今夜あたり久々にどうでしょう?」と送ってみた。「なりゆきでー。」と、どっちつかずな愛想のない返信とスタンプ。せっかく頑張って送ったのに、その態度は何なわけ!?もう絶対してやるものか。どんどん意固地になる。そしてまた夫婦の営みは遠のくのだった。
ああ、なんだか寂しいな。もう私のこと女として見れなくなったのかしらん。いやいや、こんな風にジメジメ考えちゃうのが大敵なのだ。そのことばかりに囚われず、楽観的に他のことで発散しよう。
夜のジョギングを始めた。お気に入りの曲を聴きながら自分のペースで走ったり歩いたり。汗ばんだ身体を夜風が優しく撫でていく。やっぱり運動っていい!
家に戻ると、残業続きの旦那くんが帰ってきていた。作っておいたカレーを食べてくれたようだ。彼は辛いものを食べると汗が吹き出る体質。上半身裸で額にタオルを巻きつけ、汗だくで食器を洗っているところだった。
「辛かった?」と声をかけると、「激ウマだった!」とニカッーと笑う。「何かやんちゃ坊主みたいで可愛い。しかもセクシー!」走ってアドレナリンが出たのか?思わず素直にほめちゃった。旦那くんは少し動揺した顔をしたけど、照れたように笑って、「ちいも鼻の頭に汗かいちゃって可愛い!」と言った。久々の「可愛い」という言葉が胸に響く。コレだ!コレが欲しかった!その夜、私たちは3カ月ぶりに夫婦の営みをした。
いつも一緒にいるから言わなくて分かるだろうと大切な言葉を封印して、その代わりに嫌みや文句ばかりを吐き出す。たまには心も体も素直にお互いを愛しみたいものですな。って、どんな報告してるんだか!(汗)
文/ちはる
ちはる/テレビ、CF、著書の企画、 プロデュースなどで活躍中。12年、14歳年下の旦那くんと再婚。目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。