結婚後の悩みのひとつが「お金の管理」。家計管理が夫婦どちらか一方に偏ってしまったり、反対にまったく関心を持ってもらえなかったり…そんな声もよく聞きます。
家計を共有しようとがんばるあまり、つい相手の支出に口を出して、けんかに発展してしまうことも…。
どうすれば気持ちよく、夫婦で協力しながら家計管理ができるようになるのでしょうか?
そこで今回は、FP2級保持・元銀行員で“がんばらない家計管理”を実践するライターしばが、ストレスを感じずに家計を共有する「ゆる家計共有」のコツをご紹介します

「ゆる家計共有」ってどんなスタイル?
「ゆる家計共有」とは、家計の全てを細かく管理・共有するのではなく、必要な情報だけを適切な形で見える化し、夫婦が無理なく協力し合うスタイルのこと。
責任の押しつけ合いでも、相手任せでもない。夫婦でバランスをとりながら、ゆるく家計を共有する方法です。
▼こんな家庭におすすめ
・家計を片方が丸ごと抱え込んでいて負担
・相手に家計への関心を持ってもらいたい
・お金の話をするとギスギスしてしまう
ストレスなく続けられる「ゆる家計共有」の5ステップ
夫婦でストレスなく、気持ちよく家計を共有する「ゆる家計共有法」を5つご紹介します。
簡単に取り入れられる方法ばかりなので、ぜひできそうなものを試してみてくださいね。
【ゆる家計共有法1】 収支はアプリで自動共有、「見たい時だけ確認」でOK
家計簿アプリや資産管理ツールを使えば、収支や口座残高を自動で反映できます。
「都度報告」するのではなく、“見たい人が見たい時に見られる”状態をつくるだけでOK。これだけでも安心感はぐっと高まりますよ。
▶ おすすめアプリ:「Zaim」や「シンプル家計簿 MoneyNote」など
【ゆる家計共有法2】 大きな方向性だけ共有、細かい支出は自由に
夫婦で家計管理をする際に大切なのは、「家庭としての大まかな方針だけを共有し、日々の細かい支出はそれぞれに任せること」です。
たとえば、「食費は○万円以内に」「外食は月1回まで」など、細かいルールをたくさん設けてしまうと、お互いにプレッシャーを感じてしまい、家計管理が息苦しいものになりがち。
一方で、「将来的に家を買いたいから、毎月3万円ずつ貯金しよう」「子どもの教育費確保のために、児童手当は投資にあてよう」といった大まかな方針だけを夫婦で共有しておけば、お互いの家計に対する意識も自然と高まり、無理なく目標に向かって進めるようになりますよ。
【家計のゆる共有法3】 「何を削るか」ではなく「何に使いたいか」を話し合う
お金の相談というと「どこを削るか」が話題になりがちですが、それはときにネガティブになりやすいもの。
それよりも、「何にお金をかけたいか」「どんな暮らしをしたいか」を話し合うほうが、前向きで納得感あるお金の使い方につながります。
「教育費は惜しみたくないよね」
「月1回は家族で外食したい」
など、“未来”をベースにした対話が鍵です。
【ゆる家計共有法4】 「収支」より「総資産」を共有する
収支は月ごとに波があるため、共有しても一喜一憂しがち。
それよりも、「今、全体でいくらあるか」を共有しておくと、安心感と目的意識が生まれやすくなります。
総資産は、預金・証券・保険などを一覧にして、月1回見直す程度でOK。
見える化されていれば、将来の資金計画も立てやすくなりますよ。
【ゆる家計共有法5】「家計」と「おこづかい」の境界線を明確に
お金の揉めごとの多くは、「家族のお金」と「個人のお金」の境界線が曖昧なことが原因。
そこで、家庭の生活費(共通)とおこづかい(個人)をしっかり分けておくことが大切です。
たとえば、個人の買い物(趣味・衣服など)はおこづかいの範囲での支出とし、お互い干渉しないルールに。
反対に、大きな買い物や家族全体の支出は、事前に相談して決めるようにすれば、お互いに納得感を持てるようになります。
ゆるくでも、続けることが大事。まずはできることを1つ取り入れてみて
夫婦の家計管理は「こうしなきゃ」にとらわれすぎないことが、長続きの秘訣。
完璧なルールよりも、お互いの性格や関心に合わせた「ちょうどいいルール」があるほうが続けやすく、ストレスなくお金の管理ができます。
家計の「見せ方」や「分け方」を工夫して、お互いに無理のないスタイルを見つけていきましょう。
◼︎執筆/しば
FP2級・元銀行員のライター。がんばらない家計管理と“仕組みでまわる暮らし”をテーマに、家計・子育て・暮らしの記事を執筆中。二児の母。Instagramは@shi_ba_1106
編集/サンキュ!編集部