2、3、4、5、8年…夫婦のあいだは壁だらけ!夫婦間に立ちはだかる◯年目の壁、10連発!
2024/09/26
結婚生活は長い道のり。歩いていく間には多くの壁が待ち受けます。壁の種類も内容もさまざまです。そこで今回は、これまで1万組以上の夫婦のお悩みに答えてきた恋人・夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんに「夫婦の間に立ちはだかるさまざまな壁」を時系列に整理、解説してもらいました。
2、3、4、5、8年…夫婦のあいだは壁だらけ!
令和5年の厚生労働省の統計によれば、日本の平均初婚年齢は夫 31.1歳、妻は 29.7歳。そんな平均的なカップルを例に「壁」を見てみましょう。
2年目の壁:子作りプレッシャー
平均的なカップルの結婚年齢は妻29.7歳であるのに対し、厚生労働省の別の調査によれば第1子出生時の母の平均年齢は30.9 歳。つまり、結婚2年目に入ったあたりから「そろそろどうなの?」「早く孫の顔が見たい」と実家等からプレッシャーがかかり始めます。また夫婦の間でも「排卵日だから早く帰って来てね」などの「子づくり圧力」が夫婦仲をギクシャクさせる頃です。
3年目の壁:感謝の言葉がなくなる
花王が全国の共働き夫婦に対して行った調査によれば、結婚3年目あたりで、家事に関する感謝の言葉がなくなるそうです。
結婚当初は「ありがとう」「リビングきれいになったね」「助かるよ」など、パートナーの家事分担に感謝を表していた夫婦も、そろそろ「やって当たりまえ」と感じ始めるのが3年目。感謝どころか、逆に「分担がたりないこと」や「やった家事の仕上がり」に関する不満のほうが口をついて出がちになります。
4年目の壁:浮気リスク
「7年目の浮気」という有名な映画もありましたが、各種調査によれば4年目がもっとも浮気リスクが高いと言われています。その理由のひとつは、恋愛ホルモンと呼ばれるフェニルエチルアミン(PEA)が分泌されるのが恋の始まりから3年目までであること。PEAの減少により、これが引き起こす「興奮」「歓喜」「恍惚」が生まれなくなり、「恋から醒める」のがちょうど4年目。
ひとつの恋が終わり周囲の異性に新たに興味を持ち始めるタイミングが4年目であることは科学的にも明らかです。筆者が行ったセックスレス調査でも4年目からレス突入がいちばん高い割合でした。
5年目の壁:産後レス
最初の妊娠から2年ほどたち、子が1歳になったころに直面するのは「産後レス」の壁。出産後の女性はホルモンバランスの影響で性欲が低下します。さらにワンオペ育児の精神的肉体的負担が続けば、「エッチどころじゃないわ!」と「妻から拒否」が起こりやすくなります。
一方で、出産後に妻が女性から母になってしまうことで、夫のほうが性欲を失ってしまう、子どもと「川の字」で寝ているのでできる環境がないなど、産後レスの壁は、その後の「妻だけレス」につながりかねない高い壁として、夫婦のあいだに立ちはだかってきます。
8年目の壁:小1の壁
育児における「壁」としてすでに有名になった「小1の壁」。子どもが小学生になると、保育園のように長時間子どもを預けておける環境が少なくなります。加えて、子どもが小学生になると時短勤務制がなくなる企業も多く、このタイミングで働き方の変更を迫られるワーキングマザーが急増します。つまり、今後の夫婦の育児への関わり方や、妻のキャリアプランなど、夫婦での話し合いが必要な時期。それなのに「忙しいから」と、妻との話し合いを避けている夫は、将来の深刻な夫婦の危機を自ら招いていると言えます。
10年目の壁:妊活の限界
妻の初婚が30歳頃だとすると、結婚10年目でそろそろ見えてくるのが「妊活の限界」という壁。女性が40歳未満かどうかで治療の回数が異なったり、43歳を超えるとすべての治療が保険の対象外となったりすることで、「妊活どうする」を夫婦で考える時期と言えます。もちろん妊活そのものだけでなく、今後の自分たちのライフスタイルを広く考える必要があるのがこの時期です。
15年目の壁:レスが日常に
日本の性の実態をあぶりだすことで定評があるジェクスの「ジャパン・セックスサーベイ 2024」によれば、「この1ヶ月の異性とのセックス回数」を「月1回未満」と答えたレスびとは、40代は女性で63.4%、男性で60.8%と6割を超えています。これが50代になると女性で87.7%、男性で73.1%とさらにレス度に拍車がかかります。
40代で夜の営みがある人は少数派、50代になると絶滅危惧種と言っても過言ではありません。結婚15年目の夜の営みは、もはや「ないのが当たりまえ」というのが今の日本の寝室事情なのです。
20年目の壁:更年期&ED
30代で結婚した男女も20年経てば50歳。そろそろ加齢と向き合う時期になり、白髪や老眼なども、本格的な対策が必要になってきます。またこの時期の体の変化で見逃せないのが「更年期」。女性は閉経に伴いホルモンバランスが大きく変わるため、さまざまな不調と向き合わざるを得ない時期です。イライラを夫にぶつけがちです。
男性も加齢によるテストステロン量の減少で活力がなくなり、EDにもなりやすいのがこの時期です。
25年目の壁:子どもの独立
あれだけたいへんだった子育ても、子どもが大学を卒業して社会人になれば終了。今まで夫婦の共通の話題だった「子ども」が独立し、再び夫婦2人が向き合わなければならなくなるのがこの時期。
「やっとまた2人きりになれたね」となればよいのですが、多くはパートナーと2人だけの時間が「楽しくない」「めんどくさい」など、ネガティブなものになっています。「パパ&ママ」という役割を除いた時に、男女としての関係性がまだ存在しているのかが問われるときです。
30年目の壁:定年・再雇用・収入減
そして迎える結婚30年目は働く夫の「定年」の時期です。昨今は65歳まで再雇用で仕事を続けるかたも多いですが、配置転換や仕事内容の変化、同じ仕事でも大幅収入ダウンなど、何らかの変化と直面することは間違いありません。
「熟年離婚」や「卒婚」といった言葉が頭をよぎるかたが多いのか、婚姻期間20年以上のカップルの離婚率は、他の世代が減少傾向にある中で増え続けています。
壁だらけだけど悲観せず、乗り越えた先の絆をめざして!
結婚生活で迎えることが予想される10の壁をご紹介しました。
「この先、たいへんだわぁ」と悲観するのではなく、「こんなことが起きるぞ」と知っておくことで、上手に乗り越えたり、回避したりすることが可能になります。
先人の“備えあれば憂いなし”という言葉は、既婚男女に向けた言葉だと実感しています。
壁を乗り越えることで深まる絆もあります。10の壁を乗り越えた夫婦は最強カップルです。ミレニアル世代夫婦にはピンとこない壁があるでしょうが、想像力をふくらませて「いつかくる。きっとくる」と、腹に叩き込んでください。ご機嫌な熟年夫婦になるには、壁の本質を知り尽くす必要があります。