じつは離婚一歩手前!?本人も気づかない「ステルス不仲」夫婦の特徴
2024/06/07
夫婦不仲というと、いつも喧嘩していたり、まったく会話がなかったりといった状況を思い浮かべがちですが、じつはそうではないケースも少なくないんだとか。本人たちですら夫婦不仲を自覚していない、“ステルス不仲”の実態を、「恋人・夫婦仲相談所」の所長を務める三松真由美さんに教えてもらいました。
本人たちには見えていない夫婦の危機がある!?
私の主宰する「恋人・夫婦仲相談所」には、毎月多くの夫婦仲に関する相談が寄せられます。普段から夫婦喧嘩が絶えなかったり、浮気をきっかけに1カ月以上も口をきいていなかったりなど、明らかに夫婦仲が険悪なご相談もありますが、そのようなものばかりではありません。
ご相談対応の冒頭で普段の夫婦の様子をヒアリングさせていただくうちに「ちょっと待って。セックスレス解消より先にこっちに対応しなきゃ!」と、ご本人には見えていなかった危機が浮かび上がって来ることもよくあります。
夫婦仲の危機の深刻さは「喧嘩の回数」や「浮気の有無」だけでは測れません。
本人たちにはあまり自覚がないのに、専門家から見ると、夫婦仲がかなり深刻な状態に陥っている例も少なくないのです。
今回はそんな、本人も気づかない「ステルス不仲」な夫婦の特徴についていくつかご紹介しましょう。
「会話の少ない夫婦」が抱えるステルス不仲リスク
夫婦の会話の有無が仲良し度のバロメーターになることは、多くの皆さんが認識されていることでしょう。ただし「会話が少ない=不仲」とは限りません。
カップルによっては「二人ともおしゃべりなタイプではなく、静かな空間が好き」「最小限の会話で、お互いに理解しあっている」というように、会話が少ないけれど仲良しな場合もあります。
注目すべきは「夫婦のコミュニケーションに対して、居心地の悪さを感じていないか」という点です。たとえば会話が少ない理由が以下のような場合は、「ステルス不仲」の可能性があります。
1.一日中イヤホンを耳に入れっぱなしなので、話しかけにくい
2.話しかけられると面倒くさそうな雰囲気で、話をすぐに終わらせようとする
3.相手の話題に対して、否定的な意見や見下すような反応を返すことが多い
4.常に自分の意見や希望を押し通すので、会話がかみ合わない
5.相手に対して「(君の/あなたの)話は面白くない」と言った/言われたことがある
これらはどれも、どちらかが夫婦間のコミュニケーションに居心地悪さを感じ、話しかけることをためらったり、あきらめてしまったりすることで会話が減ってしまったパターンです。
自分もしくは相手がこのような態度であったとしたら、たとえ喧嘩などはなくても夫婦仲はかなり危機的と考えてよいでしょう。
「フラットな関係の夫婦」が抱えるステルス不仲リスク
最近は「夫婦共働きで家事や育児を平等にシェアしている」というフラットな夫婦が増えています。昭和のころの「夫唱婦随」とは違う対等な関係性は、お互いに自分の意見を伝えやすく、風通しのいいパートナーシップを築きやすいメリットがあります。
しかし、この「夫婦が対等である」という特徴が、以下のような現象をもたらしている場合は「ステルス不仲」に陥っている可能性があります。
1.お互いのプライベートを尊重し、予定や交友関係を共有しない
2.家計簿がなく、お互いの収入や分担している家計の支出の実態が不明
3.家事や育児の担当はきっちり分けて、相手の分は時間と余裕があっても手を出さない
4.何かを相談して決める際に、相手を理屈で説得しようとする
5.相手に自分の弱みや欠点を知られたくない
夫婦が自立し、お互いを尊重するあまりに不干渉になってしまうと、二人の関係性はどんどんドライになって、相手への関心度が下がってしまいます。相手の予定や家計の実態などが情報共有できていない状態では、人生の見通しや将来の計画を考えることができません。
さらに、お互いがあまりに対等であることから、家の中に大黒柱が二人いるような状態になり、夫婦というよりもライバル同士になってしまう例もあります。相手のことを気遣い、できないことをカバーしあうのではなく、相手の間違いや欠点を指摘し、マウントを取りあうようなギスギスした関係になってしまうリスクは、ハイスペックカップルであるほど高いのです。
もし、自分や相手に上記のような傾向が見られるようでしたら、夫婦仲は危険水域に入っていると考えましょう。
夫婦仲は「1+1=2」だけが正解じゃない!
夫婦仲の面白いところは、「1+1=2」がベストな関係性とは限らないという点です。
時には自分がちょっと譲って「0.8+1.2=2」というパワーバランスを作ることで、相手が想像以上にリーダーシップを発揮して問題解決が進むこともあるでしょう。
また時には、自分の方が相手をぐっとリードして主導権を握り、相手の想像を超える楽しい時間をプロデュースして、夫婦の愛情をぐっと深めることができるかもしれません。
常にその場に応じてパワーバランスを調整できるのが最善です。
上から目線、モラハラ、俺様、女王妻というワードは、夫婦間パワーバランスが均衡をとっていない場合に出てきます。臨機応変に自分のスタンスのギアチェンジができると、険悪な状態を減らすことができます。
「当たり前」あるいは「仕方ない」といった思い込みを捨てて、今目の前にある夫婦のパワーバランスを今一度見直してみると、「ステルス不仲」のリスクが発見できます。