夫婦関係は、法律上では入籍で始まり離婚で終わります。しかし、世の中には「仮面夫婦」のように、すでに夫婦関係が終わっていることを自覚しつつも形式上の夫婦関係を続ける夫婦もいます。
一方、本人たちは自覚していないのに、実質的にはもう愛情のかけらもないオワコン夫婦もいます。「じつは、一番怖いのは自覚のないこのパターンです」と話すのは、夫婦関係のスペシャリストである「恋人・夫婦仲相談所」の所長・三松真由美さん。
今回は、「自覚がなくても、既に終わっています」という“終了フラグ”の立っている夫婦関係の「終わっている証拠(サイン)」について、三松さんに解説してもらいます。

- 【終わっているサイン1】今日、パートナーがどんな服を着ていたかわからない
- 【終わっているサイン2】パートナーが帰宅しない理由を認識していない
- 【終わっているサイン3】パートナーとは一緒に食事をしないようにしている
- 【終わっているサイン4】パートナーとタオルを共有したくない
【終わっているサイン1】今日、パートナーがどんな服を着ていたかわからない
この記事をお読みの方で、今朝パートナーがどんな服を着ていたか、即答できる方はいますか?意外と言えない方が多いのです。
「先日、妻とある店で食事をしました。食事が終わったとき、妻から『私がトイレ行っているあいだに、入り口のコート掛けのコートを持ってきておいて』と頼まれました。気軽に引き受けてコート掛けまで行きましたが、妻のコートがどれだかさっぱりわかりません…。とりあえず自分の分だけ取って席に戻り、妻に『どれかわからなかった』と言ったら、『普段から私のことなんて全然見てないからね』と、嫌味を言われました。そういえば、妻がどんな服を着ているのか、どんなバッグを持っているのか、まったく関心がないし、もし誰かから聞かれても全くわからないなぁ、と思いました」(タイキさん 44歳 仮名)
【終わっているサイン2】パートナーが帰宅しない理由を認識していない
「今日は飲み会だから遅くなる」「え!またなの?子どもの宿題見る約束は?」というやり取りは、夫婦喧嘩のきっかけとしては定番ですが、じつはこの会話があるだけ「まだマシ」なのです。
「私は税理士なので毎年2月は超繁忙期。毎日遅くまで残業し、家に仕事を持ち帰ることもあります。だからこの時期は、いろいろとプライベートに気が回りません。先週も、家でPCを開いて持ち帰った仕事をして、気づいたら夜中の1時。もう終電はないのに夫は帰って来ていません。そのうちタクシーで帰ってくるだろうと思い、さっさと就寝。でも、翌朝起きても夫は家にいません。『いい年をして、カラオケでオールかな』と思って、そのまま出勤し、その夜も持ち帰り残業をしていたら、また夫が帰ってきません。さすがに勝手に外泊2連続はひどいと、夫のLINEに『一体、どこで飲んだくれてるの』と送ったところ『火曜日から仙台出張って言っただろ』と夫から怒りのメッセージが…。そういえば3日前に夫が『明日から出張』と言っていた気はしますが、いい加減に聞いていたので、全然記憶に残っていませんでした」(イズミさん 39歳 仮名)
【終わっているサイン3】パートナーとは一緒に食事をしないようにしている
誰かと「食事を一緒にしたい」と思ったり「食事中のおしゃべりが楽しい」と感じたりするのは、その相手との関係性がいい証拠。食事を一緒にしない夫婦は間違いなくフラグが立っています。以前書いた記事、おひとリーマンのジャンルになります。
「最近は残業規制が厳しくなったので、ほとんど毎日定時で仕事が終わります。でも、まっすぐ家に帰ると、帰宅時間が早すぎちゃって、妻と夕飯を一緒に食べなきゃいけなくなる。だから17:30に会社を出ると、ネカフェに行って漫画を読んだり動画を見たりして21時以降まで時間をつぶします。お金がないときはとりあえず電源とWi-Fiのあるカフェで3~4時間粘るときもあります。一緒に食事をすると何か話題を見つけて話を振らなきゃいけないのが面倒くさいんですよ。スマホ見ながら食べていると怒られるし。食事は一人でとるのが一番楽で好きです」(シュウトさん 37歳 仮名)
【終わっているサイン4】パートナーとタオルを共有したくない
家族でたまに共用している洗面所のタオル、歯磨き用のコップなど。これらの共有が気になるようになったら、終わっているフラグといえます。
「最初に言い出したのは中学生の娘です。『パパの入ったあとのお風呂に入りたくない。臭いから』って。使っているボディーソープやシャンプーが女性向けではないからだと思うのですが、娘は『違う』と言います。そう言われると私もだんだん夫の臭いが気になってきて、枕に残った加齢臭とか、靴下の湿った臭いとかが鼻につくようになってきました。今までは洗面所のタオルや歯磨き用のコップを親子3人で共用していましたが、それも気持ち悪くなって…今はタオルを分けました。ときどき夫が間違って使っているのを見つけると、私が『こっちを使わないで!』とすぐにタオルを取り換えます」(ミナコさん 42歳 仮名)
【終わってるサイン5】パートナーに触られるとゾワっと鳥肌が立つ
スキンシップがないことは終わっているフラグの一つですが、仮にスキンシップがあったとしても、それが喜びではなく苦痛になっているというのが、さらに重症なフラグだと言えます。
「最近は生理的に夫が無理になってきて、家の中でもできるだけ、手や体がぶつかったり触れ合ったりしないようにしています。キッチンなどで、たまに夫が、狭い空間を通りぬけようとして『ちょっとごめん』と言いながら私の背中に軽く手を触れてきたりすると、ドキっと胸が高まるどころか、ゾワっと鳥肌が立ちます。別に、ケンカをしていたりするわけじゃなく、子どもが生まれて以降、なんとなく自然とそんな感覚になった気がします」(ユキノさん 33歳 仮名)
終わっている夫婦は元に戻ることができるのか?
代表的な5つのサインを紹介しましたが、このような状態から元に戻したいと思うときはどうすればいいのでしょうか。
まずは相手に関心を持つこと。そして相手のことをよく見たり、話を聞いたりすることです。
相手に関心を持てば、そこから会話も生まれます。「おはよう」も目を合わせず、「いってらっしゃい」も何かをしながらで顔をあげなければ、相手の様子は目に入りません。相手の目を見て言葉をかけるところが、まずはスタートライン。
そして40代になり、加齢と主に容姿が衰え、清潔感がなくなったり体臭が強くなったりするのは、男性だけでなく女性も同じです。思春期の娘と一緒になって「パパ臭い」などと騒いでいては、夫の気持ちも腐ってしまいます。
夫を避けるよりもむしろ、いかに魅力的なイケオジにプロデュースできるかを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
最近新しい服を買っていないなと思うなら、たまには一緒に服を買いに行って、自分のセンスを生かして選んであげてください。髪型も、いつもの散髪屋を変えてみる。その気になれば、一緒にお家エクササイズで理想のボディをつくるのもおすすめです。
夫の見た目がイケてくると、不思議と夫からのスキンシップも嫌でなくなるものです。騙されたと思って、夫プロデュースに取り組んでみてください。
毎日の小さな行動の変化で、夫婦に立ってしまった終了フラグを取り払っていきましょう。