興奮した幸せな小さな息子を持ち上げる喜びに満ちた若者の父親。

持久力や瞬発力も!2歳前後 からだあそびのアイディア17選

2022/02/26

走ったり跳ねたりと、動きが活発になる2歳前後。この時期にからだを使ってたくさん遊ぶと、バランス感覚やリズム感が身につき、全身で思いきり表現する楽しさも味わえて、運動がますます好きになります。今月は、家の中ですき間時間に気軽にできるからだあそびのアイディアを、前橋先生にうかがいました。

※ここで提案している遊びは2歳前後のお子さまを対象にしたものになります。
※ご家庭で取り組むときには、無理をせず、必ずおうちのかたがお子さんの様子を見ながら行ってください。

<お話をうかがった先生>
前橋 明(まえはし あきら)先生
早稲田大学人間科学学術院教授。医学博士。日本幼児体育学会会長。日本レジャー・レクリエーション学会会長。国際幼児体育学会会長。

1 バランス感覚を育てる遊び

とっさのときでも姿勢の安定を保つバランス感覚は、思わぬケガをしないためにも欠かせないものです。子どものからだをやや不安定な状態にすることで、ドキドキ感を味わいながら、楽しくバランス感覚を鍛えることができます。

やきいもゴロゴロ

子どもを寝かせて、おうちのかたが転がしたり、子どもに自分の力でゴロゴロ転がったりしてもらいましょう。転がる動きをすると、からだのバランスをつかさどる三半規管の働きが鍛えられます。

空中バランス

子どもの脇を支えて、もものつけ根あたりをおうちのかたの足の裏に乗せて、足を上げます。前後左右に揺らして、子どもにバランスをとらせるようにしましょう。おうちのかたの腕や足の筋力アップ効果も期待できる遊びです。

背中トコトコ

うつぶせに寝たおうちのかたの背中の上を歩きます。最初はもうひとりの大人と手をつないでゆっくり歩き、慣れたら短時間だけ自分で立つ、もっと慣れたら歩いてみる…のようにして、少しずつ難度を上げましょう。

赤ちゃんは薄いピンクの床の背景に行く。パステルカラー。スリップ防止靴下の足。幼児の最初のステップ。クローズ アップ。バックビュー。
FotoDuets/gettyimages

背中を踏んでもらうとマッサージ効果も!おうちのかたが重ね着をしているとすべりやすいので注意してください。

膝の上でゆらゆら

両膝の上に子どもを立たせ、からだを支えながら、膝を軽く揺らします。顔を見合わせて「1、2」と声をかけながらリズミカルに揺らすと、リズムにのってバランスをとる練習ができます。

ロボット歩き

おうちのかたの足の上に子どもの足を乗せ、いろいろな方向に歩きます。歩幅を変えたり、足を上げる高さを変えたりすると、変化に応じてバランスをとる力を楽しく鍛えられます。

ママと娘が踊っている。
Choreograph/gettyimages

後ろ向きに歩いたり、横に歩いたりと、ふだんと違う動きをすると、自律神経が刺激され、働きがよくなります。

飛行機落とし

大人ふたりと一緒に行います。ひとりが片手の上に子どもを立たせ、もう片方の手で子どもの胸を支えます。「1、2、3!」の合図で子どもを前に倒し、もうひとりの大人が前で受け止めます。

受け止めるのが不安な場合は、あらかじめお子さんの脇の下に手を入れておきましょう。

2 筋力・持久力をつける遊び

途中で疲れることなく、行いたいことに取り組める体力を身につけることは、とても大切です。ここでご紹介する遊びや、買ったものをキッチンまで運ぶお手伝いなどで、この時期の活動に必要な筋力・持久力を養いましょう。

トンネルくぐり

大人の足の間をくぐって遊びます。ときどき「つかまえた!」と子どものからだを足で挟むと、より楽しくなります。手足の筋力のほか、狭い所をぶつからずに通る空間認知能力も養われます。

宙ぶらりん

両手首をしっかり握って、子どものからだを持ち上げます。腕の筋肉や、背筋を強くする遊びです。いきなり引っ張らず、「持ち上げるよ、せーの」と声をかけてから、ゆっくり持ち上げてください。

腕を伸ばし、勝利の笑顔を持つ非常に幸せな幼児の女の子
CarlosDavid.org/gettyimages

無理に引っ張らないように、初めは軽く持つ程度にしましょう。

さようならこんにちは

向かい合わせに子どもを抱いてしっかり支え、「さようなら」でからだを反らせ、「こんにちは」で起こします。勢いがつきすぎないよう、もうひとり子どもの背中や頭を支える大人がいると安心です。

アジアの母と赤ちゃんのライフ スタイル イメージの肖像画
itakayuki/gettyimages

逆さ感覚を十分体験しておくと、転んだときのケガ回避能力も高まります。

コアラと散歩

子どもをおうちのかたの太ももにつかまらせて歩きます。しっかりつかまるのが難しそうな場合は、子どものお尻を支えてください。おうちのかたの腹筋と下半身の筋力がアップする遊びです。

手押し車

子どもの両足をゆっくり持ち上げて前に進ませます。やめるときは足をそっと下に置きましょう。こうして腕でからだを支える力を養うと、転んでも頭や顔にケガをしにくくなります。

顎がつきそうになったら、疲れた証拠。そのときはすぐにやめましょう。

おんぶから抱っこ

甘い小さな就学前のアジアの子供の娘は、後ろのママから寄り添う。
fizkes/gettyimages

おんぶから抱っこの状態へ、子どもが自分で移動します。最初はもうひとり大人がついて子どもを支えましょう。筋力がつくほか、「背中」「肩」などの言葉を使えばからだの部位を覚えるきっかけにもなります。

3 リズム感・瞬発力を養う遊び

ここぞというときにタイミングよく動ける力は、ものを落としたときや危険を感じたときに反応するなど、生活の中でも必要とされます。風船の動きに合わせて動いたり、かけ声に合わせて動いたりする遊びで、からだでリズムを表現する力や瞬発力を育てましょう。

ぴょんぴょんジャンプ

両手をつないで、子どもにぴょんぴょんとジャンプをさせます。子どもが跳ぶタイミングに合わせて引き上げると、ひとりで跳ぶより高く跳べるので、子どもはとても喜びます。

陽気なママは、ベッドの上にジャンプアクティブな子供の女の子と遊びます
fizkes/gettyimages

急に引き上げると、肩や肘の関節が外れる場合があるので、引き上げる前は声をかけてから、力を入れすぎないようにしてください。子どもの手首も含めて握ると、引き上げやすくなります。

風船タッチ

モーヴの背景にメタリックカラーの10ヘリウム風船、右側のコピースペース
Javier Ruiz/gettyimages

大人が紙風船やゴム風船をふわりと投げて、ゆっくり落ちてくる風船を受け止めたり、タッチしたりしましょう。慣れてきたら、大人とのキャッチボールに挑戦を。膨らませたレジ袋を使ってもいいですよ。

しゃがんで立って

プレスクールボーイがエクササイズ
SergiyN/gettyimages

両手をつないで「1、2、3で立つよ~」と言葉をかけてから、「1、2、3!」のかけ声で、立ったりしゃがんだりします。慣れてきたら、手を放して挑戦してみましょう。大人は下半身を鍛える効果も期待できます。

汽車で出発進行!

子どもの両肩に手を置き、「出発」の合図で前進します。「シュッシュッポッポ」とリズムにのって歩いたり、止まったりしましょう。「次はトイレまで行こう」と目的地を決めると楽しいですよ。

足の上跳び

開脚して座り、子どもの両脇を支えて、「1、2、3!」とリズムをつけて左右に跳ぶまねをさせます。慣れたら、自分の力で足を跳び越す遊びにも挑戦しましょう。

前橋先生からのメッセージ

親子一緒のからだあそびで信頼関係を深めましょう。

お子さんがまだあまり興味を示さなかったり、反対に元気すぎたりすると、「毎日からだあそびに付き合うのは大変」と感じられるかもしれませんね。でも、短時間でも動いてエネルギーを発散すると、子どもが落ち着いてくる、食欲が出てよく食べる、寝つきがよくなって寝かしつけの苦労が軽減するなど、おうちのかたにとってもメリットが大きいものです。

からだあそびには、ほめたりふれあったりと、親子のきずなを深め、お子さんの自己肯定感を育むチャンスもいっぱい。ぜひ生活の中に取り入れて楽しんでください。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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