イヤイヤ期を乗りきる!専門家&先輩ファミリー直伝のコツ
2022/03/13
最近急に「自分で!」や「イヤイヤ!」が増えてきたみたい…。お子さんに対して、そう感じたことはありませんか?先輩ファミリーと汐見先生のアドバイスから、お子さんに効く対処法を探ってみましょう。
<お話をうかがった先生>
汐見稔幸(しおみとしゆき)先生
東京大学名誉教授。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。保育者による本音の交流雑誌『エデュカーレ』編集長でもある。NHK「すくすく子育て」などに出演中。『さあ、子どもたちの「未来」を話しませんか』2017年(小学館)、『汐見稔幸 こども・保育・人間』2018年(学研)など著書多数。
2・3歳のイヤイヤには理由があった
この時期にイヤイヤが激しくなるのは、単なるわがままではありません。子どもの心の中でどんなことが起きているのか、のぞいてみましょう。
失敗しても「やりたい」という強い欲求がある
1歳代より手先が器用になり、言葉でコミュニケーションがとれるようになってくる時期。できることが増え、いろいろなことを自分でやってみたくなり、失敗しても「やりたい」という強い欲求があるので、満足するまで挑戦しようとします。
やりたい気持ちが育ち、何でもできると思っています。
でも現実は…
イメージ通りにできず、自分で自分にイライラしてしまいます。
やりたい欲求と実際の能力との間に溝がある
例えば、左右を区別できるほど認知の力は発達していないので、靴を逆に履いてしまうことも…。うまくいかないと、自分で自分にイライラしてきます。そんなとき、おうちのかたに叱られたり、責められたりすると、イヤイヤが倍増してしまうのです。
シーン別!専門家&先輩ファミリー直伝のコツ
scene1 ダメと言ってもわざとやる
うちはコレでうまくいった!:泣きまねで注意をひく(埼玉県/あやママ)
(お母さん)「コラ!机の上にのっちゃダメ!!」
(子ども)「やーだもんねー!!」
(お母さん)「りく君が机からおりてくれないよ~」(泣きまね)
(子ども)「ママものりたいの?」
(お母さん)(あと少しでおりてくれるかな?)
こんなアイディアも!
●1、2回言ってやめないときは無視。やめたときはギューッと抱き締めて「えらいね」とほめます。(大阪府/riomam)
●私がわざと悪いことをやって見せると、「それはダメなんだよ」とお兄さんぶって教えてくれます。(神奈川県/たまのママ)
汐見先生のアドバイス
やってほしいことに「ダメ」と言ってみる。
逆転の発想で、やらせたいことに対して「ダメ」と言うなど、ユーモラスに乗りきりましょう。ただし危険なことや人への迷惑など本当にダメなことはふだんと違う表情でわからせることも大切です。
scene2 できなくて泣く
うちはコレでうまくいった!:ボタンのせいにする(北海道/まーちゃんママ)
(子ども)「できない~~」
(お母さん)「ママがやってあげよっか?」
(子ども)「自分でやるの!!」
(お母さん)「じゃあママがボタンさんしかってあげる!コラ!ちゃんととまりなさい!!」
(子ども)「ママのボタンさんもしかってあげよっか?」
こんなアイディアも!
●シャツを少し引っ張るなどこっそり手伝います。笑ったり、踊りながら手伝ったり、楽しく着替えられる工夫もしてました。(兵庫県/はるる)
●「うまくできなくて悔しいよね」と気持ちを代弁すると、娘も「悔しい~」と言いながら、少しずつ落ち着いてきました。(愛知県/みったん)
汐見先生のアドバイス
気持ちを代弁してまず共感!
「できないくせに」などと言わずに「できなくて悔しいね」とまずは共感しましょう。「間違っているじゃない」とプライドをへし折ったり、「自分でやるって言ったでしょう」と突き放すのはNGです。
scene3 何を提案しても「イヤ!」「ヤダ!」
うちはコレでうまくいった!:ぬいぐるみで誘う(愛知県/ゆりママ)
(お母さん)「ひなちゃんお風呂入ろーよー」(人形で話しかける)
(子ども)「ひなお風呂入るーっ」
(お母さん)「わーいひなちゃん泣きやんだ~」
(お母さん)(この手は使えるな~)
(お母さん)「パパ洗いものしてよ~」(人形で話しかける)
(お父さん)「オレには直接言えよ!」
こんなアイディアも!
●「お風呂入るよ」ではなく「ママはお風呂入るけど、どうする?」と質問形式にすると「入る!」と言ってくれます。(埼玉県/ari)
●着替えをいやがるときは「じゃあ、しまじろうが一番ね」とパペットを着替えさせると、怒りながら走ってやってきます(笑)。(愛知県/K・M)
汐見先生のアドバイス
「じゃ、ママがやろう」など遊び感覚で対処。
真剣に「イヤ」と向き合ってもあまり意味がありません。「あらイヤなの?じゃあママがやっちゃおう」と半分遊びにしたり、「やめにしよーっと!」と引いたりして、深追いしない方がいいでしょう。
scene4 泣き叫んで地面に転がる
うちはコレでうまくいった!:落ち着くまで待つ!(東京都/ひかるん)
(お母さん)「もうこうなったらほっとくしかないわね……」(泣き叫ぶ子ども)
(お母さん)「出たーダダこね3回半ひねり!」(地面に転がる子ども)
(お友だちのお母さん)「3回半はすごいわよ!うちの子でも2回まで!」
(お母さん)「アラー何かの才能かな?」(お喋りしながら待つ)
●「今日はおもちゃは買わないよ」と事前に約束し、駄々をこねても威厳をもって「ちゃんと約束したよね」と伝えます。(埼玉県/ぴか)
●少し離れた場所で見守り、落ち着いたら「なぜだめなのか」を冷静な口調で話しました。最後は「ぎゅー」で仲直り。(東京都/つぶのばなな)
汐見先生のアドバイス
毅然とした態度を貫き、放っておく。
ダメなものはダメだという毅然とした態度を貫くことが大切です。お店などでまわりに迷惑がかかるようなら、子どもを抱えて外に連れていくこと。譲れないことには妥協しない姿勢を通しましょう。
※〈こどもちゃれんじ〉制作モニターアンケートより
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉