「仲間分け」はなぜ大切?専門家に聞いてみた
2022/03/02
形・色など、いろいろな仲間分けをすることで、日常の場面からお子さんの成長を発見するポイントをご紹介します。
<お話をうかがった先生>
沢井佳子先生
さわい・よしこ/チャイルド・ラボ所長。静岡大学情報学部客員教授。「日本子ども学会」常任理事。幼児教育番組『しまじろうのわお!』(テレビ東京系列)監修。
基準を変えると仲間が変わることが「仲間分け」のポイントです
「仲間分け」とはさまざまなものを、ある観点から仲間どうしに分類することです。たんぽぽと桜を見て「花」と言えるのも、たんぽぽとバナナを見て「どちらも黄色」と言えるのも、仲間分けをする力が土台にあるからです。
「同じ色や形で見つける」仲間分けもありますが、「いろいろな基準で分ける」仲間分けをすると、「さっきは違うグループだったものが、基準を変えると仲間になる」ことを学べます。
[成長ポイント]
形・色など、いろいろな仲間分けをする。
こんな場面ありませんか?
●「色で分ける」「使い道で分ける」など、いろいろな基準で仲間分けをする
● 自分なりのルールで仲間分けをする
「いろいろな仲間分け」はなぜ大切?
基準を見つけることが柔軟な思考力につながる。
大切なのは、「分けること」そのものではなく、「こんな基準で分けたらおもしろそう」という発想力。常識にとらわれず、さまざまな観点をもつことが柔軟な思考力へとつながっていきます。
大人から見ればとんでもない分け方をしたときも、「違うでしょ」と否定するのはもったいないこと。「どんな基準で分けたのかな?」とおもしろがって受け止めてくださいね。
「いろいろな仲間分け」は学びにどうつながる?
「仲間分け」は数の理解の土台となる。
例えば、部屋に椅子がいくつあるのか知りたいとき、私たちは「椅子の数」だけを数えますね。机や食器まで含めたら、その数には意味がなくなってしまいます。
「数える」とは「同じ仲間のものを集めて、その個数を知る」ということ。仲間分け遊びで、「今は何と何が仲間なのか?」「どこに注目して分けるのか?」を考える体験は、数の意味を理解するうえで重要なのです。
「いろいろな仲間分け」を促す関わり方って?
新しい分け方が思いつかないときはキャラクターを登場させて。
「うさぎさんの気持ち」を考えて好きな食べ物を集めたり、「別のお人形の気持ち」を想像して服を片付ける遊びをすると、新しい分け方を発想しやすくなります。おうちのかたが「今度はどんな決まりで分けようか」と考える姿がお子さんの発想力を引き出します。
分け終わったあとは「◯◯で分けたんだね」と言葉にして。
いろいろな基準で仲間分けをしていると、混乱することも。コツは、分けたあとに「お人形たちの服で分けたんだね」「Tシャツとズボンで分けたんだね」などと言葉にすることです。「自分はこういう分け方をしたんだな」と、お子さんが反すうするきっかけにもなります。
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉