どうしたらいい?子どもの困った「約束事」ワースト3&解決策
2022/04/01
約束を破ったり、できない約束をしてきたり…。最近、約束事絡みで困る場面が増えていませんか?小学校入学後は友だちどうしで約束をしてきて、さらにトラブルも増えるとか。ここでは、子どもの困った約束事とその解決策を、先輩ファミリーの体験談を交えてご紹介します。
<お話をうかがった先生>
根本裕美先生
(ねもとひろみ)●日本女子大学家政学部非常勤講師(2022年4月以降)。小学校低学年の指導経験が豊富で、1年生の学習・生活に詳しいベテラン先生。
あるある!子どもの困った約束事ワースト3
先輩ファミリーの体験談を基に、困った約束事のワースト3をご紹介します。
ワースト1:勝手な約束をしてしまう
大事なカードなのに、交換してしまうわが子。
「交換したくないカードは外に持っていかない」と親と約束しても、カードを持って遊びに出かけ、お兄ちゃんの友だちの求めを断りきれず、大事なカードを交換してしまいます。(神奈川県/nori3)
予定のある友だちと遊ぶ約束をしてくる。
勝手に遊ぶ約束をしてきます。習い事のある友だちだったり、遠い所から園にバスで通っている子だったりして、遊べないときは、相手のおうちのかたにおわびをしています。(東京都/noco)
友だちどうしでものを交換する約束をしてきたり、大人の都合を聞かずに勝手に友だちと遊ぶ約束をしてきたり…。小学校入学後のトラブルを避けるためにも、今の時期から意識したいことがあります。
ワースト2:約束を忘れる
約束を守れていないのに「守れた!」とうそをつく。
夜9時までに寝ないと、次の日のゲームができない約束なのですが、9時を過ぎてもなかなか寝ません。そのくせ次の日は「9時までに寝た」と言ってゲームをしようとして困ります。(徳島県/もも)
遊びに夢中になって約束を忘れたり、気分次第で約束を守ったり守らなかったり…というケースは多いようです。年長さんになってからは「言いわけをしてごまかすので困る」というおうちのかたの声も耳にします。お子さんが守れる約束の仕方を考える必要がありそうですね。
ワースト3:かたくなに友だちとの約束を守ろうとする
一度した約束を修正するのが難しい。
一度した約束を修正できずに困っています。大人の都合などでやむなく約束を守れないことがあると、どうにもがまんができないようで、わがままを言って泣き出してしまいます。(岐阜県/ひまわり)
約束を守ることは、これからお子さんが人との信頼関係を築くうえで、とても大切なこと。でも、どうしても約束が守れない場合も出てきますね。「約束を守りたい」というお子さんの気持ちを尊重しながら、お子さんが納得する解決策を考えてみましょう。
これで解決!友だちとの勝手な約束
ここでは、「困った約束事」別の解決策を具体的にご紹介します。
ケース1:ものの交換→保護者どうしでルールを決め、子どもたちに伝える
ものを交換することについて、家庭内できちんとルールを決め、お子さんに伝えておくことが重要。でも、ご家庭によって考え方が異なるので、園の送迎時などに保護者どうしで話し合い、「保護者の前だけで交換する」など、ルールを決めておくと安心ですね。小学校では、保護者会などを利用してみて。
「本当はあげたくないのに、ついあげてしまった」という経験をするお子さんは少なくありません。この時期にこのような「つらい」「悔しい」経験をすると、小学生以降に大きなトラブルにつながる可能性が少なくなります。失敗を学習の機会ととらえ、次からどうしたらいいかを一緒に考えましょうね。
〇この言い方、効果アリ!
「お友だちと何か交換したいときには、パパやママに教えてくれる?その子のママにも聞いてみなきゃね」。
ケース2:遊びの約束→用事がある日を意識させて、遊べる曜日を決めておく
習い事がある日に友だちと遊ぶ約束をしてしまうケースには、事前にカレンダーに習い事を書き込み、目立つシールを貼るなど、お子さんにもわかるようにしてみては?個人差はありますが、年長さんなら数日先の見通しは立てられますよ。さらに、当日の朝に「今日は月曜日だから水泳の日だね」などと確認するといいですね。
〇この言い方、効果アリ!
「約束するときに『本当に遊んでいいか、おうちの人の聞いておいてね』ってお友だちに言っておくといいよ」。
これで解決!約束を忘れる・言いわけをする
●約束は、タイミングを見て、子どもが聞けるときに話す
「約束を守ることは大切」とわかっている年長さんでも、夢中で遊んでいるときに声をかけたのでは、生返事しか返ってきません。お子さんの様子を観察して、遊びが終わったときなど、タイミングを見計らって声をかけて。約束をするときは、お子さんの目がこちらを向いているかを確認してから伝えることが大切です。
●わが家の方針を貫く
この時期のうそや言いわけは社会性が育ってきた証(あかし)ですが、約束事を曲げてはいけません。例えば「夜9時に寝ないと翌日のゲームは禁止」という約束があって、実際には10時に寝たのに「9時に寝た」とうそをついたなら、「ママは知っています。ダメです」と、方針を貫いて。「うそや言いわけはいけない」と教えるためにも、筋を通すことが大切ですよ。
○この言い方 効果アリ!
・「あなたがよく使う『だって』という言葉はどんな言葉かな?『だって、ママが教えてくれなかったんだもん』『だって、お友だちもしたもん』。『だって』は言いわけする言葉なんだね。そんな言葉は使ってほしくないな」。
・「約束を破られたらママはすごく悲しいよ。あなたがこんな気持ちになるのはもっといやだから、ママはあなたとの約束を破らないようにがんばるよ」。
これで解決!約束をかたくなに守ろうとして困る
●たまには「例外」もあると伝える
この時期の子どもは、たとえ体調が悪くても、頑として約束を守ろうとするようなところがあります。この場合は「約束を守ろうという姿勢」をまずほめて、世の中には「例外」「今日は特別」ということもあると伝える必要があります。
●約束を守れないときは、謝る→理由→代案を伝える
友だちと約束をしても、どうしても断らなければいけない場合もあります。でも、約束を守ることは社会生活を営むうえで大切なことですから、「ごめんね。今日は急に出かける用事ができて遊べないけど、次の水曜日なら遊べるよ」というように、まずは謝り、そして断る理由と代案を提示する方法をお子さんに伝えて。また、大人の都合でどうしても約束が守れない場合も、同様に誠実に理由を伝え、代案を提示することが大切です。
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉