今こそゴルフ!女性が快適に楽しめるスポーツに進化~連載「はじめよう!フェムテック」
2022/11/22
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。
東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。
<ゲスト>
馬場由美子 Yumiko Baba
プロゴルファー。1984年、福岡県・八女市生まれ。7歳の時からゴルフを始め、高校一年生の時に、全国大会へ出場。すぐに頭角を現し、高校三年生の時に九州ジュニア選手権で優勝。2005年、プロゴルファーに転向する。現在は、ステップアップツアーを中心に活躍中。 趣味は読書、手紙を書くこと、朝の散歩。instagrm:@yumletter
ゴルフ場の施設もグッズもウェアも女性に嬉しい進化が!
■東島アナ「今回のゲストは、プロゴルファーの馬場由美子さんです。ゴルフは男性のスポーツというイメージがありますが、これまでプロゴルフの世界において、女性であるということでご苦労されたことはありましたか」
■馬場「以前は男性用に比べて、女性用のトイレの数が少なかったことですね。試合になるといつも順番待ちの長い列ができていました」
■東島アナ「男性プレーヤーを主体に、施設設計をされていたのでしょうね。現在は改善されているのでしょうか」
■馬場「はい。女子トイレの数がかなり増え、並ぶこともほとんどなくなりました」
■伊久美「女性のプレーヤーの増加とともに、改善されてきたのですね。大浴場に置かれている、ドライヤーやアメニティなどにも変化がありますか?」
■馬場「そうですね。最近では、最新型のドライヤーやヘアアイロンまで置かれているところが増えました。中には、トイレにドライヤーが用意されているところもあります」
■伊久美「ヘアケア関連製品の充実は、うれしいですよね~」
■馬場「試してみたいと思っていた製品が置かれていると、テンションが上がりますよね。また、プレー中にクラブハウスに戻った時に、トイレでヘアスタイルを整えるかたも多いので」
■東島アナ「最近、女性用のゴルフウェアやグッズも、スタイリッシュなものが充実していますよね」
■馬場「そうなのです! 昔はゴルフクラブも女性用は赤やピンクという感じでしたが、最近はブルーやシルバーなど色の選択肢も増え、クールなデザインのものも増えました」
■伊久美「最近は、一人一人の個性に合ったファッションでプレーを楽しまれている印象がありますね。そのことも、ゴルフに憧れる人が増えた理由のような気がしています」
■馬場「女子プロゴルファーの先輩たちにお聞きした話なのですが、昔は着たいと思うかわいいウェアがなかったようです。アスリートは腰回りや太ももがたくましく、一般女性向けのウェアはサイズが合わないので、仕方なく男性ものを着ていたそうです」
■伊久美「男性用を着用されていたのですね。。。」
■馬場「ゴルフ場の設備やウェアの改善の話は、現在のゴルフ界では、女性進出が当たりまえになっているという証拠ですね。喜ばしい傾向だと思っています。今や “男性だけが楽しむスポーツ”ではなく、年齢、性別、運動神経のよし悪しには関係なく、誰もが楽しんで上達できます。また、性格がプレーに出やすいスポーツなので、技術だけでなく、自分自身を成長させることもできるというのがゴルフの魅力です。 ぜひ、ゴルフを始めていただきたいです!」
女性アスリートは、いかに心と体のバランスを保つかが大切
■東島アナ「馬場さんは、女性特有の健康課題について、どのように向き合ってこられましたか」
■馬場「いちばん悩んだのは月経ですね。私は試合が続くと体重が減って、周期が遅れることがよくありました。そのため、常にいつ月経が始まるのかが気になって、プレーに集中できないこともありました」
■伊久美「どなたかに相談されたのですか」
■馬場「婦人科の先生に相談して、ピルを服用することにしました。私の主治医はスポーツドクターでもあったので、アスリートの事情にも詳しくて安心できました。“ピルを飲むと太る”という先入観があったので、最初は抵抗があったのですが、さまざまな種類のピルがあることを知って、自分に合うものを選ぶことができました」
■伊久美「やはり、専門医に相談することが大切ですね。ピルに関しては、いろいろな噂がありますから。その他、体調面で不具合を感じられたことはありますか」
■馬場「月経前症候群(PMS)ですね。以前はよくイライラしてしまっていたのですが、ピルを服用すると月経の開始日がわかるので、“月経前なのだから、イライラしてもしょうがないかぁ~”と思えるようになりました」
■東島アナ「“月経が始まるかもしれない、もしかしたら始まっているかもしれない”という不安感は、女性にとって大きなストレスです。しかもアスリートのかたなら、その心配の大きさは計り知れません」
■馬場「試合のときは、月経が始まっても下着や洋服を汚してしまうことがないように、黒いパンツやスカートなどを選んでいましたね。私の場合、月経前は、ちょっとしたことで傷つきやすくもなるので、ウエア選びはもしもの時に、心が揺れないための対策でもありました」
■伊久美「わかります。男性には想像できないと思いますが、月経前の女性は、ストレスが大きいのですよね。ピルを服用する以外に、何かご自身で心がけていらっしゃることはありますか」
■馬場「アスリートの世界で、“試合の結果は、自分ではコントロールできない”とよく言われます。例えば、よいショットを打っても、強風の影響で結果が伴わないことが多々あります。だからこそ日ごろから、結果よりも下準備を意識して心がけることを大切にしています。そして結果がよくない時は、何がよくなかったかを分析しています」
■東島アナ「“いかに心と体のバランスを保つか”、そして下準備は大切ですね」
■伊久美「私たちは、自分が暮らしている日本の枠の中だけで考えてしまいますが、馬場さんは海外のプレーヤーのかたともよく接していますよね。日本人と外国人では接し方など、何か違い感じられたことはありますか」
■馬場「男性の外国人プレーヤーと一緒にプレーしていると、常にレディファーストの精神を感じますね。ドアの扉を男性が開けることなど、当たり前にスマートです」
■伊久美「この番組でも、“男性からの女性に対する配慮”という話題がよく出るのですが、日本の男性はスマートな振る舞いをしたくても、これまでの習慣に無かったりして、照れてしまうようです」
■馬場「“レディファースト”と構えずに、“相手に思いやりをもって接する”と思えば、自然に行えるのではないかと思います」
■伊久美「本当にその通り! 人として普通の思いやりを表していきたいですよね」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
●次回は、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんをゲストにお迎えします。