子どもたちにも、大人にも伝えたい!“ありのままの自分”を好きになって、幸せを見つけるヒント
2017/12/11
自分の見た目は、やはり気になるもの。とくに、若い女性の間では、画像加工アプリで自分の顔写真の輪郭や目の大きさを加工し、“盛って”SNSに投稿……という光景も珍しくありません。そんな中、10代の若い人たち向けに、自分の容姿に自信を持ち、自己肯定感を高めることで、自分の可能性を最大限に発揮するきっかけづくりを目的とした、注目のワークショップが行われるということで取材に行ってきました。
女の子の90%が自分の容姿に自信がない!?
若い女性が自分の容姿に自信が持てなくなってしまうというのは、日本に限った話ではありません。“やせすぎ”のスーパーモデルの問題であったり、広告写真の過度なレタッチであったりと、いまや世界規模の問題となっています。ある調査では、女の子の90%がなにかしら自分の容姿を変えたいと思っており、60%が容姿の自信のなさから、本当にやりたいことをやめてしまっているというデータもあります(ユニリーバ調べ)。そのような問題意識から、ユニリーバ「ダヴ」とガールスカウト世界連盟が共同で取り組んでいるのが、10代の若い人たちの自己肯定感を高めるプログラム「大好きなわたし~Free Being Me(フリービーイングミー)~」です。今回は、東京都港区の広尾学園の高校生約50名が参加して開催されました。
自分のことは、意外と自分ではわからない!?
これから何がはじまるのかと、集まった生徒たちの期待が高まるなか、最初のプログラムがスタート。まず、自分の見た目や性格などの特徴を無記名で3つ書き、それを全員でシャッフル。だれのものかわからない状態で、手渡されたメモの特徴を元にその人を当てるというもの。
スタートの合図とともに、生徒たちは真剣そのもの。「自分の特徴を3つ書く」というお題は、簡単なようで実は日ごろあまり考えたことがないからか、「3つも書けない!」「自分の特徴ってなんだろう?」という声が飛び交います。
書き終わったら、全員でシャッフルして捜索タイム。わいわいと盛り上がる中、無事に相手が見つかったら、自分が思うその人の印象をひとつ伝えるのがルールです。「いつも笑顔が印象的だよ」「髪の毛がとってもきれいって思ってた」「いろいろ気がついてやさしいよね」……など、容姿や内面も含め、なかなか聞く機会がない自分の印象を知ることができ、生徒たちからは自然と笑顔がこぼれます。
素敵な人ってどんな人?
次のプログラムは、みんなで円形に並び、それぞれ「自分が思う素敵な人」とはどんな人かを発表。共感すると思ったら、円陣の外周をぐるっと走り、空いているスペースに入るという椅子取り形式のゲームです。ある生徒が「笑顔が素敵な人!」と言ったり、「いつも人のことを考えている人」と言うと、共感する皆が一斉に走り出し、大わらわ。ところが、「スタイルがいい人」という発言のときは、走る人がぐっと少人数に。「みんなが思う素敵な人って、実は見た目の要素が少ないのかも……」という感想が聞かれました。
自分のいいところ、他人のいいところを知って認め合うことが大切
最後は、折り紙に容姿についても含めた「自分のいいところ8つ」を書いて、いろいろな人とセッションするプログラム。最初のプログラムと同様、「8つも書けない!」という声も聞こえつつ、だいぶ“自分自身を見つめるコツ”がつかめてきた様子。書き終わったら、一対一でいろんな人と発表しあい、お互いについて認め合います。会場はすっかり打ち解けた空気に包まれ、中には思わずハグし合う生徒も!
保護者に向けてもこのプログラムをやりたい!
最後に振り返りの時間が。「ちょっと恥ずかしかったけど、自分ではわからなかった自分を知ることができた」「少し自信が持てるようになった」「自分のいいところを認めることは大事だと気付いた」……など、率直な感想を語る、生徒たちのさわやかな笑顔が印象的な締めくくりとなりました。
「若い人たちの自己肯定感を高める活動をますます広げていきたいです。そのためには、親世代の価値観を変える必要性も感じており、保護者に向けたプログラムも考えています」とユニリーバ「ダヴ」ブランドマネージャーの鞆(とも)咲良さん。必要以上になにかと自分を比べて卑下することが、いかにもったいないことなのか。自分のよいところに気づき、自身を認め、新たな可能性を切り開くことがいかに素晴らしいのか。若い世代はもちろん、親世代にとっても改めて考えるべき大切なことが詰まったワークショップとなりました。