心身の健康を維持して、ハッピーの輪を広げていきたい~連載『はじめよう!フェムテック』

2023/04/07

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、ハースト婦人画報社やレタスクラブの編集部を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。30歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。

<ゲスト>
●シノハラ ノリコ Noriko Shinohara
レコード会社を経て、現在は一般社団法人 国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)、株式会社 ファクトリージャパングループ スクール事業本部 マネージャー。「私自身のワークは人生そのもの」と語るシノハラさん。笑顔があふれるココロとカラダの健康、ウェルビーイングな未来のための「きっかけ」となるヘルスケア関連のセミナーや講座の企画、運営に携わる。また、自治体、法人向けの専門家の紹介も行っている。 https://ihta.or.jp/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組も第3フェーズへ。今回のゲストは、一般社団法人 国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)のシノハラノリコさんです。

「赤ちゃんの発育の向上や心地よさにつながるマッサージが、医学的な見地からも、赤ちゃんだけでなく行う側の家族にも同じような癒やし効果があるというお話が、特に興味深かったです。フェムテックが目指す、誰もがハッピーな社会に繋がっていくなぁと思いました」(伊久美)

コロナ禍を経て、ますます注目されるウェルビーイング

■東島アナ「ゲストは一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会から、シノハラ ノリコさんをお迎えしました。国際ホリスティックセラピー協会は、ホリスティック医学の普及とセラピー業界の発展を通して、人々が自立的に病気やケガを防ぐ社会づくりを目指すことを目的とした一般社団法人です。シノハラさんはマネージャーを務められています。まずは、ホリスティック医学について教えていただけますか」

■シノハラ「ホリスティック医学は予防医学を目的とした代替医療のことで、一般的には統合医療と呼ばれ、主に代替医療と伝統医療を融合した予防を目的とした療法になります。私たちの協会では、心と体の健康を目的に活動しています。認定サロンである整体サロン“カラダファクトリー”では東洋医学を基本とした施術を行っているのですが、ここ数年で西洋医学の先生や医療従事者のかたがたにも賛同していただき、IHTA認定資格取得のためのテキストは医療従事者が監修をしています」

■東島アナ「概念だけではなく、医療従事者による監修のもと、エビデンスがあるのですね。ここ数年、予防医学という言葉を耳にする機会が増えた気がするのですが、注目度はいかがでしょうか」

■シノハラ「特にコロナ以降、皆さんが健康に興味をもち始めたように感じています。また、人生100年時代といわれ、ウェルビーングという考え方も大変注目されていますから、皆さん興味をもたれているのかなぁと思います 」

■伊久美「コロナ禍以前は、健康にあまり留意していなかった人も、心身の健康に関心が向いてきましたよね」

■東島アナ「ホリスティックセラピーの観点からは、どのようなことが健康のために大切とされているのでしょうか」

■シノハラ「協会では、まず、正しい知識を知っていただくために、専門家の講師によるセミナーや講座を開催しています。例えばインドにルーツがありますアーユルヴェーダも、予防医療の考え方があります。アーユルヴェーダというと、エステサロンでの施術をイメージされるかもしれませんが、インドやスリランカ発祥の伝統医療で“生命の科学”といわれ、5000年以上の歴史があるのです」

■東島アナ「アーユルヴェーダの考えで、私たちが日常的に実践できることはありますか」

■シノハラ「今、多くのかたが行っているヨガ、瞑想、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブなど、たくさんあります。家庭での食事においても、 アーユルヴェーダの食事法では、体質別に食事法が異なります。また、日本の薬草・食材を最大限に生かしてお料理することも、簡単に実践できると思います」

■伊久美「全部トレンドキーワードですね! さらに欲張って、生活習慣として免疫力アップのためにできることはありますか」

■シノハラ「早寝早起きですね。アーユルヴェーダの先生に伺ったのですが、日の出の96分前に起きるのがベストといわれています。日本でも、“早起きは三文の徳”ということわざがありますが、これも仏教の教えとしてインドから日本に伝わってきたといわれています」

■東島アナ「なぜ96分なのか、時間があったらお伺いしたいところですが(笑)、早起きは体によさそうですよね。ホルモンの分泌などに影響があるのでしょうか」

■シノハラ「太陽の光は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンと深い関係があるといわれています。セロトニンは心と体のバランスをコントロールする役割があるので、精神面を安定させます。太陽の光を浴びることによって分泌量が増えることは、科学的にも明らかになっています」

■東島アナ「このように、心と体の健康について考える国際ホリスティックセラピー協会ですが、女性に向けたイベントも行っているのですよね」

■シノハラ「はい。昨年、会員だけではなく、一般のかたにも参加していただけるリトリートツアーを沖縄や千葉で開催しました。内容としては、ヨガや瞑想の時間を取り入れ、食事の観点からも、女性たちが人生に彩りを保てるようなウェルネスのアクションを提供した企画で、大好評でした。詳しくは、国際ホリスティックセラピー協会またはIHTAで検索していただければと思います」

■伊久美「ウェルネス旅にも関心が集まっているのですね。心身の健康に興味をもつようになったことはいいことですね」

マッサージを通して、家族みんなが幸せになれる

■東島アナ「この番組では出産や子育てについて取り上げることも多いのですが、そこに繋がりそうなお話です。予防医学を通して人間の心と体の健康に役立つ知識を広めている国際ホリスティックセラピー協会ですが、取り組みの一つに“チャイルドボディセラピスト”という資格制度があります。どういうものなのでしょうか」

■シノハラ「チャイルドボディセラピストというのは、協会が造った言葉です。一般的には“ベビーマッサージ”に関する資格のことですが、ベビーマッサージだけではなく、ヨガを融合させたベビーヨガや食育、そしてベビーリフレクソロジーを組み合わせたものを学びます」

■伊久美「実は約20年前に、シノハラさんは『たまごクラブ』に読者モデルとして出ていただいたそうですね」

■シノハラ「そうなのです!お世話になりました。『たまごクラブ』さんは、正しい情報を出してくださるので、私にとってお守りのような雑誌でした。その時の取材が今の活動にも繋がっていると思います」

■伊久美「こちらこそありがとうございました。チャイルドボディセラピストの取り組みを始めるきっかけはどんなことだったのでしょう」

■シノハラ「通常ベビーマッサージというとオイルを使うことが多いのですが、オイルを使わずに誰でもどこでも簡単にできるマッサージ法を提供したいと思ったのです。保育施設や幼稚園の中で、手や空間がベタベタにならず、先生たちが簡単にできるマッサージが必要だなぁと思ったことが始まりです」

■伊久美「不勉強なのですが、マッサージでオイルを使わないことは、珍しいのでしょうか」

■シノハラ「オイルを使わないマッサージは、まだ主流ではないかもしれませんが、洋服の上から簡単に行えるので、ニーズが広がってきています」

■東島アナ「チャイルドボディセラピストは、医学的な見地からも推奨されているのでしょうか」

■シノハラ「はい。こちらは、医師に監修していただいています。例えば頭のマッサージですとリラックス効果や情緒の安定に繋がりますし、顔のマッサージも脳神経への刺激になって咀嚼力を促し、表情豊かにするというような根拠もあります。特にお腹のマッサージは便秘の改善やガスの排出を促し、お尻のマッサージは骨盤の安定に繋がるといわれています」

■伊久美「親子の繋がりを深め、赤ちゃんの免疫力もアップするということですね」

■シノハラ「免疫力や自然治癒力が高まり、睡眠力が高まる、情緒の安定、リラックス効果で自律神経の安定にも繋がります。ですから、赤ちゃんだけではなく、行っているお母さんやお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんも、同じような効果が現れるかと思います。お母さんに関しては、女性ホルモンのプラクチンの分泌が増えますので、母性が高まり母乳の出を促進する作用があります。そしてお父さんにとっては、自律神経の安定やストレス軽減するというところで、心にもよい作用があります」

■伊久美「赤ちゃんだけじゃなく、マッサージを行う親御さんたちも心地よいというのは、いいですね。今、お父さんやおじいちゃんなど、男性でマッサージを学びたいという需要はあるのですか」
■シノハラ「最近増えてきていますね。癒しの効果がありますので、ベビーマッサージを通して、ハッピーの輪を広げていきたいと思います」

■伊久美「素晴らしい、ここでもフェムテックが広がっているのですね! 協会では、子どもたちに対する社会活動もされているそうですね」

■シノハラ「はい。“オレンジリボン”という児童虐待防止運動に団体として登録させていただいております。児童虐待防止の観点からすると、ベビーマッサージを実践しているようなご家庭であれば、虐待というのは起こり得ないだろうということで活動させていただいております」

■伊久美「社会全体で、子どもを守っていきたいですね」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND