水道メーターも凍結の可能性が!?水道管凍結の最善策を知って寒波に備えよう

2023/01/24

「10年に一度レベル」とも言われる、強烈な寒波が襲来します。「寒波」とは、強い寒気が数日間にわたって居座る状態で、ふだんは比較的温暖な西日本の平野部でも水道管が凍結して水が出なくなってしまうおそれがあるそうです。

気象予報士でライターの植松愛実さんに、水道管が凍結してしまったときの対策について教えてもらいました。

凍結に対する「強さ」は地域ごとに違う

冷え込みが厳しくなると、水道管の水が凍って出なくなることがあります。

凍結が起こりやすい気温は通常マイナス4度以下が目安ですが、寒さの厳しい地域ではあらかじめ対策が取られていることが多く、マイナス8度くらいまでは凍結しないこともあります。

水道管凍結に対する「強さ」は、地域ごとにかなり異なるのです。つまり、ひとたび寒波が襲来すると、西日本などふだんは温暖な地域ほど水道管が凍結しやすいということになります。

凍結「前」にすべきこと

地面に埋められているタイプの水道管は凍結しにくいので、凍結するとしたら外でむき出しになっている部分です。

家の裏や、隣の家との隙間でむき出しの状態になっている水道管がないか確認しましょう(新しい建物ならほとんど無いとは思います)。そして、その部分を保温するのが凍結前の「最善策」。

古布やビニールテープを巻いたり、発砲スチロールで囲ったりするのもOKです。ホームセンターだと専用の保温材が売っていることもあります。

Nor Fendi/gettyimages

もともと寒冷な地域であれば「水抜栓」という便利な凍結防止ツールが装備されていることが多いのですが(私も東北在住時、普通に付いていました)温暖な地域には少なく、こういった応急処置でしのぐことになります。

もし保温が難しい場合は、家の中の水道の蛇口からほんの少しだけ水を出し続けておくのが次善策。出す量は糸ぐらいに細く出し続けるのがおすすめです。

凍結「後」にすべきこと

もし実際に水道管が凍結して水が出なくなってしまったら…?

そんなとき、水道管に直接熱湯をかけるのは絶対にやめましょう。

熱湯を直接かけると、水道管が破裂してしまうことがあるためです。そのため、水道管にタオルなどの布を巻いてから、ぬるま湯をかけるようにしましょう。

外にある水道管ではなく蛇口が凍結しているパターンもありますが、その場合も布などを巻いてからぬるま湯をかけるのは同じです(布を巻くことで余熱効果が期待できます)。近くに電源があるときはドライヤーで蛇口の付け根と下部に重点的に温風を当てるのも有効。

もしこういった方法を試しても水が出ない、あるいは原因がわからない場合は無理せず地元の水道局に連絡しましょう。

水道メーターも凍結する可能性が!?

実は寒波で凍結するおそれがあるのは水道管だけでなく、外にある水道メーターも対策が必要。

メーターの両側にあるパイプ部分が凍結しやすいので、メーターボックスの中をビニール袋に入れた布などで保温するのがおすすめです。ただ、こういった作業は慣れていないと結構大変です……。

個人的には、無理せず前述の「蛇口から水をちょこっと出しっぱなし作戦」でいいと思います。寒い中で作業して体調を崩してしまっては元も子もないですし、やれる範囲でやっていきましょう。

水道管が無事なのに水が出ない!?過去には自衛隊出動も

どれだけ対策をして自宅周りの水道管が凍結せずに済んだとしても、水が出なくなることがあります。

というのも、他の場所で水道管が凍結し、凍結後の対策を誤ったために破裂して漏水してしまうという事例が重なると、配水池の水位が低下するなどして広範囲で断水を引き起こすためです。

今から7年前の2016年には実際に九州全県で断水が発生し長期化したため、自衛隊が給水に出動した地域もありました(ニュースを覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、沖縄で雪が降った寒波のときです)。

普段からもしものときのために水を常備しているのが理想的ですが、もし備えていない場合は万が一を考えてお風呂の浴槽に水を溜めておくのもよさそうです。

■この記事を書いたのは・・・植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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