西日本でも水道管凍結!?凍結「前」と「後」の最善策を知って寒波に備えよう

2023/01/25

一年で一番寒いとされる「大寒(だいかん)」を1月20日に迎え、まるで暦に合わせたかのように、このさき日本各地を強烈な寒波がたびたび襲いそうです。
「寒波」とは、強い寒気が数日間にわたって居座る状態。
普段は比較的温暖な西日本の平野部でも、水道管が凍結して水が出なくなってしまうおそれがあります。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くサンキュ!STYLEライターの植松愛実が、水道管凍結対策をお伝えします!

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凍結に対する「強さ」は地域ごとに違う

冷え込みが厳しくなると、水道管の水が凍って出なくなることがあります。
凍結が起こりやすい気温は通常マイナス4度以下が目安ですが、もともと寒さの厳しい地域では予め対策が取られていることが多く、マイナス8度くらいまでは凍結しないこともあります。
水道管凍結に対する「強さ」は、地域ごとにかなり異なるのです。
つまり、ひとたび寒波が襲来すると、西日本など普段温暖な地域ほど水道管が凍結しやすいということになります。

■凍結「前」にすべきこと

Nor Fendi/gettyimages

そもそも、地面に埋められているタイプの水道管は凍結しにくいので、凍結するとしたら外でむき出しになっている部分です。
家の裏や、隣の家との間の隙間でむき出しの状態になっている水道管がないか確認しましょう(新しい建物ならほとんど無いとは思います)。
そして、その部分を保温するのが「最善策」。
古布やビニールテープを巻いたり、発砲スチロールで囲ってもOKです。
ホームセンターだと専用の保温材が売っていることもあります。

実はもともと寒冷な地域であれば”水抜栓”という便利な凍結防止ツールが装備されていることが多いのですが(私も東北在住時、普通に付いていました)、温暖な地域には少なく、こういった応急処置でしのぐことになります。
もし保温する作業が難しい場合は、家の中の水道の蛇口からほんの少しだけ水を出し続けておくのが次善策。
出す量は糸ぐらいに細く出し続けるのがおすすめです。

■凍結「後」にすべきこと

もし実際に水道管が凍結して水が出なくなってしまったら…?
そんなとき、水道管に直接熱湯をかけるのは絶対にやめましょう。

熱湯を直接かけると、水道管が破裂してしまうことがあるためです。
そのため、水道管にタオルなどの布を巻いてから、ぬるま湯をかけるようにしましょう。
外にある水道管ではなく蛇口が凍結しているパターンもありますが、その場合も布などを巻いてからぬるま湯をかけるのは同じです(布を巻くことで余熱効果が期待できます)。
近くに電源があるときはドライヤーで蛇口の付け根と下部に重点的に温風を当てるのも有効。
もしこういった方法を試しても水が出ない、あるいは原因がわからない場合は無理せず地元の水道局に連絡しましょう。

水道メーターの凍結防止

実は寒波で凍結するおそれがあるのは水道管だけでなく、外にある水道メーターも対策が必要。
メーターの両側にあるパイプ部分が凍結しやすいので、メーターボックスの中をビニール袋に入れた布などで保温するのがおすすめです。
ただ…、こういった作業、おそらく慣れていないと結構大変で…。
個人的には、無理せず前述の「蛇口から水をちょこっと出しっぱなし作戦」で良いと思います。
寒い中で作業して体調を崩してしまっては元も子もないですし、やれる範囲でやっていきましょう。

自宅の水道管が無事なのに水が出ない!?過去には自衛隊出動も

どれだけ対策をして自宅周りの水道管が凍結せずに済んだとしても、水が出なくなることがあります。
というのも、他の場所で水道管が凍結し、凍結後の対策を誤ったために破裂して漏水してしまうという事例が重なると、配水池の水位が低下するなどして広範囲で断水を引き起こすためです。
今から7年前の2016年には実際に九州全県で断水が発生し、長期化したために自衛隊が給水に出動した地域もありました(ニュースを覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、沖縄で雪が降った寒波の時です)。
普段から(季節関わらず)もしものときのために水を常備しているのが理想的ですが、もし備えていない場合は万が一を考えてお風呂の浴槽に水を溜めておくのもよさそうです。

◆この記事を書いたのは・・・植松愛実
サンキュ!STYLEライター
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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