晴れでも乾きが悪いのはなぜ?外干しの盲点

2023/12/31

サンキュ!STYLEライターの多胡安那です。
晴れていたはずなのに、なんだか洗濯物の乾きがよくない。と思ったことはありませんか?

「きょうは洗濯日和になりそうです」という天気予報を信じ、朝からせっせと外干しした洗濯物たち。
雨に降られた様子はないのに、「あれ?」と思う感覚は、誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。
そんな乾きがイマイチな洗濯物を取り込むのは、きまって寒い季節だったはず。その理由は気温の低さにありました。

一日晴れて乾燥した日でも、洗濯物がカラッと乾く日とそうでない日というのがあります。
それはなぜかというと、洗濯物が乾くために大事なのは、湿度の低さよりも気温の高さだから。
つまり、晴れて乾燥していても、寒い日というのは洗濯物がカラッと乾きにくいんです。

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寒いと洗濯物の乾きが悪い理由

2022年1月1日午前3時の天気図。

日本の冬は西高東低の冬型の気圧配置になることが多く、日本海側では雪が降りますが、東京など太平洋側では晴れて、空気がカラッカラに乾燥するのが特徴です。
晴れて乾燥するなら、さぞかし洗濯物は乾きそうですが、そうでもないというのが実際の所。気温が低いことで、洗濯物が乾きにくくなっています。

たとえば、気温が20℃で湿度が60%の日と、気温が10℃で湿度が30%の日だったら、気温が20℃で湿度が60%の日の方が洗濯物は乾きやすくなります。
洗濯物の乾きやすさは蒸発可能な水分量で決まりますが、気温が高いほど蒸発可能な水分量が大きいため、多少、湿度が高めであっても、洗濯物は乾きやすいんです。
実際、夏は湿度が高いですが、気温がかなり高いので、洗濯物はあっという間に乾いてしまいますよね?
つまり、本当の洗濯日和というのは、乾燥した日ではなく、気温が高い日なのです。

冬の外干しは日の短さがネック

あとは、冬は夏と比べて日が短いので、洗濯物が太陽に当たっている時間が短いというのも乾きが悪い理由です。
一年で最も昼が長い夏至と、最も昼が短い冬至とで太陽が出ている時間を比べてみると、東京では約5時間も差があるんです。
それだけの差があるわけですから、洗濯物の乾きにも影響しないわけがありません。

東京における夏至と冬至の昼の時間。(筆者作成)

まとめ

私たち気象予報士も、晴れて乾燥する日には「洗濯日和」という言葉をついつい使いがちです。
降水確率0%などの日は雨の心配がほぼないため、安心して外干しできますよ。という思いがあるからです。
ですが、先述したように、洗濯物がカラッと乾くかどうかについては、季節や気温によって大きく違ってきます。
冬は晴れの日でも、思ったほどの乾きが期待できないと思っておいた方がいいかもしれません。
いっそのこと諦めて、浴室乾燥をつかったり、部屋干しにしてしまうのもありです。

ちなみに、私の知り合いには、冬は晴れても部屋干し派という人が多いです。
部屋干しすることによって、お部屋を加湿することもできるので、そういう点ではいいアイディアなのではないでしょうか。


◆この記事を書いたのは・・・多胡安那
テレビなどに出演している気象予報士で、防災士、夜景観光士、熱中症予防指導員(管理者)などの資格も保有。
プライベートでは2歳の男の子のママで、日々仕事と子育ての両立にがんばっています。
天気となにかを掛け合わせた小話や、暮らしの役に立つ情報を発信中。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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