新米ママが感じた「産後の孤独」。彼女はどう乗り越えたのか?
2018/04/25
産後に言い知れぬ「孤独感」を味わったこと、ありますか。ある新米ママが経験した「産後の孤独」について、その時の状況と対応策を教えてくれました。
熊本県在住のサンキュ!ブロガー・香名子さん(35歳)は、現在1歳5か月の男の子を育てるワーキングマザーです。妊娠中に熊本地震に見舞われて、10日間の避難所暮らしを経験。辛い思いを経て男の子を出産したあとに、言い知れぬ「孤独感」を味わってきたのだとか。そんな香名子さんは「育児は孤独?」というテーマで、当時のことをブログにつづいっています。
産後に押し寄せてきた孤独感
香名子さんは出産後、どんなときに孤独を感じたのでしょうか?
出産直後から「本当の気持ち」が言い出せなかった
出産直後は両親や親戚、友達周りの方々からたくさんの 祝福してもらえます。しかし、当たり前ですが休む間もなく「育児」が やってきます。私は 正直に言えば、「がんばったね、ゆっくり休んでね」という言葉をかけてほしかった……。祝福はうれしいけれど「休ませて欲しい…」という本当の気持ちが言い出せないことで、さっそく孤独を感じました。
社会から見放されているような気持ちになった
赤ちゃんと二人ぼっちの生活に、恥ずかしながら息が詰まりはじめました…。社会からぽつんと取り残された気分に。今思えば、社会から見放されたんじゃなくて、「人生経験1年目さんと、お母さん1年目さん、力を合わせて社会に出ていきましょー!」 という訓練だったのかもしれません。でもそのころは気づきませんでした。
夫婦間の温度差を感じてしまった
出産後、夫は私を気遣ってくれたし、家事もできるだけしてくれてはいたけれど、特に疲れている時は「なんで私ばっかり我慢しなきゃいけないの?」 「あーおしゃれして出かけたい」と、被害者意識を持つようになってしまっていました。
孤独の上にのしかかってきた「ママが働く」ためのハードル
香名子さんは子どもが1歳の誕生日を迎えるにあたって仕事復帰を決意し、死に物狂いで保活をしていましたが、希望していた保育園はすべて不合格。奇跡的に仕事復帰の約5日前に認可が決定したという経験をしました。新米ママが働きたいという思いを実現させるにはさまざまなハードルがあったのです。
保活の失敗。やっと入園しても終わらない保活
働きたいのに、それぞれの家庭の点数で入園が決まるって…。点数低くて不合格でしたと言われたとき「点数、点数って…」と心の中で叫び、電話を切って大泣きしました。やっと入園できた保育園は乳児保育園なので3歳までしか通園できません。なので、保活はつづくよどこまでも状態なのです。
「子どもといること」と「働くこと」のジレンマ
私は産後、子どもと二人きりでいるとき無性に社会に出たくなりました。仕事をしてイキイキとしている母の姿を見せたほうが子どもにとってはいいことだと思ったし、家計にとっても働いた方がいいと思っていたのです。でも、自分の親戚や友人からは「まだ早いんじゃない?」という反応があり、そんなジレンマとの板挟みで悩みました。
妻を思いやるがゆえに、夫が反対
仕事復帰をすることに関して最後までしっかりと首を縦に振らなかったのが夫です。育児と家事で私が壊れてしまうんじゃないかという理由だったそうです。夫が私を思いやってくれる気持ちはよくわかりましたが、現実的に考えて、今までの生活では生活費も赤字。「頑張りすぎないようにする。家事も協力して欲しい」とお願いし、了承してもらいました。
私が「産後の孤独」から脱出するためにやった5つのこと
香名子さんが産後の孤独な時期をなんとか乗り切るために効果的だったことはこちらの5つです。
①焦った時は深呼吸
気持ちが焦ってたりいらだったりしている自分を落ち着かせるために一呼吸。ほんの少し、間をあけることで冷静になれました。
②睡眠、休養をとる
授乳の合間を縫って、旦那さんに息子を預けてちょっとひとやすみ。軽いお出かけもかなりの気分転換になりました。
③夫と育児をシェアする
全部をひとりで背負わず、旦那さんにも素直にお願いしています。楽しんでお世話をしてもらえるように、普段から息子の一日の様子を話しています。
④環境を変える
うちの場合はたまたま引っ越しがあったので、とても環境がかわり、大きく気分が変わりました。お互いの実家が近くなったことも、気持ちが一気に楽になった要因。
⑤とにかく誰かと話す!
へたすると一日中だれとも話さないなんて言う日も。それだとさらに孤独に。私はとにかく会話を求め、人と話すようにしました。言葉を発して自分の状態を知ること。これで気持ちがだいぶラクになりました。
香名子さんはつらかった当時を振り返り、「ほんとうに『出口の見えないトンネル』のような生活でした。だけど、今ではトンネルを抜けて子どもと手をつないで歩いているような感覚」と語っています。香名子さんの思いは、多くのママにも共通する経験なのではないでしょうか?
編集/スギサワミユキ
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