これからは人生100年時代!生涯を楽しく豊かに暮らすにはお金が重要。でも、お金にまつわる危機(お金クライシス)にいつか遭遇するかもしれない……。晩産×共働き家計は、教育費と老後資金を同時に備える必要あり!ピンチを切り抜けるためのお金戦略をFPが解説します。

<教えてくれた人>: ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子
教育資金や老後資金などについてのアドバイスが好評。『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)など...
<プロフィール>
Bさん(42歳 関東在住)
夫(42歳)、長男(3歳)の3人家族。結婚14年目。
夫年収(手取り) 550万円
妻年収(手取り) 350万円
年貯蓄額 180万円
総貯蓄額 700万円
▲妻、正社員としてキャリアを重ねる
結婚後、夫婦ともに仕事が充実していたこともあり、気がつけば40歳間近。慌てて妊活して、39歳でめでたく子どもを授かりました。が、遅くに産んだ一人息子がかわいくて、子どもにかけるお金は青天井(汗)。「共働きだから」と油断して、老後資金がどんどん後回しになっていきます。
晩産×共働き家計Bさんのお金クライシスがわかる人生グラフ
【1度目のお金クライシス】42歳 家計にゆとりがあるため、子どもにかけるお金が聖域になりがち!
39歳で長男出産。産休・育休を取得後、妻が復職し、世帯年収が出産前に戻ったのをいいことに、一人息子に惜しみなくお金をかけることに。幼児英語教室のある幼稚園に通わせ、ピアノとスイミングの習い事代とシッター代が固定費に加わりました。
【2度目のお金クライシス】56歳 教育費と老後の備えを同時にしないと間に合わない!
39歳で出産したので、子どもの大学卒業時は61歳。そこから老後資金を貯め始めたら間に合わないので、教育資金と同時進行で備える必要があります。
【3度目のお金クライシス】60歳 お互いの貯蓄額を把握していないと、老後にもめがち
共働き時代は、生活費の負担分以外は各自でお金まわりを管理。貯蓄は干渉し合わないのが暗黙の了解でしたが、子どもの大学進学時に夫の貯蓄額が判明。想像以上に少なく、それ以降お金の話題になると険悪な雰囲気に。
晩産×共働き家計が今できるお金戦略
投資のリスク許容度が低めの40代は子どもが3歳までに学資保険に加入して手堅く備える
投資のリスク許容度は年齢が上がるにつれて低くなる傾向が。学資保険なら受取金が確定している上、親が万が一のときは保険料の支払いが免除。できるだけ早く、遅くとも3歳までに加入すれば元本割れを回避できます。
2025年4月から、学資保険の保険料が改定&返戻率が引き上げ
大手保険会社が保険料の値下げを公表。払込保険料が減れば、その分、受取金の返戻率が上がるので、従来よりも割安な保険料で学資保険に加入できるように。
今は共働きでも、片方が働けなくなることも、なくはない!
【収入や老齢厚生年金が減る可能性も見越して、老後の資産計画を】
定年前に退職すると、厚生年金の加入期間が短くなり年金受給額が減額。社会保険に入れるパート勤務をする、iDeCoで自分年金を増やすなど、片働きになることも視野に老後の備えを。
年に1回「貯蓄・資産報告会」をして、一家のお金を把握しよう
“夫婦別財布”でも、源泉徴収票を受け取る年末などに、夫婦で貯蓄額と投資で運用している資産額を公開し合いましょう。年貯蓄目標額を設定して、貯める&殖やす意識をUP!
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子さん
教育資金や老後資金などについてのアドバイスが好評。『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)など、著書は70冊超。
※この特集に掲載した情報は25年4月18日現在のものです。情報は変わることがあります。
参照:『サンキュ!』2025年7月号「人生100年時代のお金戦略」より。監修/畠中雅子 構成/出下真紀 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部