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赤ちゃんがいたら「働きたい」って思っちゃダメですか?働く女性の"罪悪感"に向き合う 会社員とWEBライターとして活躍中の原こさんインタビュー

2024/11/28

企業で正社員として働き、2児の子育てにも奮闘しながら、副業としてSNSやウェブ記事でシャトレーゼを中心としたプチプラスイーツを発信する原こさん。順風満帆で充実したワーママライフかと思いきや、その裏には数々の悩みや葛藤がありました。今回のインタビューでは、原こさんが今のスタイルにたどり着くまでの経緯をお聞きするとともに、働く女性がかかえるさまざまな「罪悪感」に向き合うためのヒントを探ります。

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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<原こさんプロフィール>
プチプラスイーツマニアとしてシャトレーゼを中心としたスイーツの情報を発信するライター。会社員としての本業と、副業のライター業を両立しながら、私生活では5歳長女と1歳長男の2児の母。

子どもはかわいいけど…「外に出たい」という思い

女性

原こさんが第1子である長女の妊娠に気づいたのは、新卒で勤めていた会社を辞め、新しい仕事の内定をもらったタイミングでした。「うれしい」よりも先に来てしまったのが、「なんで今?」という思い。ちょうど重いつわりも始まり、せっかく内定をもらったにもかかわらず仕事が行くことができなくなってしまいます。

さらには、出産のタイミングで勤続1年未満になってしまうために育児休業を取れないことも判明し、事実上「働けない」状態に。内定を断らざるを得ませんでした。突然、思いもよらず専業主婦になってしまい、家でひとり過ごす日々。前職が忙しい職場で休日出勤も多かったため、何もせず家にいるという状況に対して余計に違和感が強く、心にぽっかり穴が空いたような時間を過ごしていました。

出産後も専業主婦の状態が続いた原こさん。子どもはかわいいし、もちろん育児も家事もたいへんだけど、それ以上に「ずっと子どもと2人きりで家にいる」ということをつらく感じることもあったそう。

しかも同じようなタイミングで出産をした友人たちはみんな育休を取得している状態で、自分だけが専業主婦。みんなは育休明けに「帰る場所」としての職場があるのに、自分はどこにも帰れない…。女性の社会進出が進んだ現代だからこそ感じてしまう孤独感をかかえながら、「外に出たい」「働きたい」と思うようになりました。

気持ちを外向きにシフト!働くことで子育てにもプラスに

原こさんと長女
七五三の晴れ着姿の長女と原こさん(写真:ご本人提供)

長女が1歳になる頃から、クラウドソーシングサイトでライティングの仕事をしたり、商業メディアでも記名記事の執筆を開始したりなど、少しずつ活動の幅を広げていった原こさん。夫の仕事が休みになる土日にはアルバイトも始めました。

さらには就職活動もして、正社員としての内定を得ました。実母からは「まだ子どもが小さいのにかわいそう」とか、「反対されるかもしれないからお母さんとお父さん(=原こさんの祖父母)には内緒ね」などと言われたことも。

この新たな仕事は、業務内容よりも、長女を預ける場所がないために保育施設が併設されていることを基準に選んだもの。さらには、長女が頻繁に熱を出したために(同じ経験のある読者も多いと思いますが)、働き始めても結局、何度も休むことに…。けっして順風満帆とはいえない日々でしたが、外に出て働くことで気持ちを外向きにシフトできたのは大きかったと原こさんは振り返ります。

毎日育児と家事だけをしていた頃は、ちょっとしたイライラやストレスがすべて家の中に向いてしまっていたとのこと。外に出ることで気持ちを切り替えることができ、また保育園に迎えにいくときはそれまで以上に子どもがかわいく感じ、離れていた時間の分、優しくできたといいます。

「罪悪感」や「すみません」のくり返しのなかで

原こさんと長男
原こさんは「我が家のカメラマン」だそう(写真:ご本人提供)

原こさんはその後、第2子の出産を経て現在にいたるまで、会社員としての仕事(本業)と在宅でのライター業(副業)の両方を継続しています。2人の子どもは保育園に入っていますが、本業が休みで在宅ワークのみの日に預けることには、じつは「変な罪悪感」があるそう。

というのも、子どもを預ける際、緊急時にそなえて出社か在宅かを伝えるのですが、「今日は在宅です」と言うことにためらいを感じてしまうのだとか。「思えばすべてに『すみません』がセットになる」と話す原こさん。働くのも、子ども預けるのも、そしてちょっと美容室に行ったり夜に出かけたりするのも…。

そのたびに原こさんは、自分の「心の声」に耳を傾けながら、さまざまな選択をしてきました。充実して輝いて見える現在の姿の影には、そういった数えきれないほどの選択の積み重ねがありました。

周りと違ってもいい!「心の声」を聞いてみて

原こさんと長男
「人と違うなら違ってもいい」と話す原こさん(写真:ご本人提供)

原こさんのインタビューでくり返し出てきたのは、「自分は少数派だと思う」という言葉でした。赤ちゃんをかかえて働くたいへんさよりも、家にずっといるつらさのほうが大きいから就職するという決断も、「あまり世間の共感は得られないかもしれない」と話します。

小さい頃から、自分の考え方が周りと異なっていることが多い、と感じてきた原こさん。小中学生の頃はそのせいでクラスになじめなかったり、言いたいことをグッと我慢したりする場面も多かったそうですが、大人になってようやく「人は人、自分は自分」と考えることができるようになったとのこと。今では「原こさんらしさ」を受け入れてくれる友人にも出会え、ようやく自分の「心の声」に耳を傾けて困難を乗り越えられるようになったのです。

女性の社会進出が進み、多くの面でかつてよりも男女の差が縮まったように見える現代でも、女性は人生のさまざまな段階で「罪悪感」に出会うのではないでしょうか。つわりで仕事を休む、子どもが小さいうちから働く、子どもを預ける…、何の「罪」も「悪」もない場面でも罪悪感をかかえてしまう。そんなとき、少しずつでいいので自分の「心の声」に耳を澄ませてみると、乗り越える方法が見つかるかもしれません。

インタビューの後半では、原こさんのモチベーションや次なる目標にクローズアップしてお話をお聞きします!

執筆者・・・サンキュ!STYLE 取材班 植松愛実
気象予報士と料理人の両面で活動。サンキュ!では季節ごとの食材のおいしい食べかたや、家事に役立つ天気の豆知識を執筆中。

 
 

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