毎日エアコンをフル稼働しないと室内でも熱中症になってしまうくらい、厳しい暑さの夏。少しでも光熱費を節約しながらエアコンを使いたいし、外から帰ってきたときは少しでも早く部屋を冷やしたい…、そんなときに注目すべき「窓の方角」があります。
今回は、気象予報士の資格を持つライター・植松愛実が、ちょっとでも節約しながら夏を快適にすごすためにぜひ知っておきたい、注目すべき「窓の方角」を解説します!

夏は南…じゃない!?
光熱費を節約するために、遮光や断熱の効果があるフィルムを窓に貼ったり、断熱性のあるカーテンをつけたりする人もいると思いますが、すべての窓には設置できない場合もあって、どの窓に対策すべきか迷いますよね。そんなときは、日光がもっとも直接入ってきやすい方角の窓をねらって設置すべきなのですが…その方角は、南ではないのです。
というのも、夏は太陽高度がかなり高く、太陽が南をとおる昼間はほぼ真上から照らされるので、南側の窓からは日光があまり直接入ってこないため。一方で、朝や夕方は夏であってもそこまで太陽高度が高くないため、東側や西側の窓からはしっかり日光が入ります。
そのため、窓が複数の方角にある場合は、東または西の窓を重点的に対策しましょう。
帰宅後の冷房、窓は開ける?開けない!?
暑い外から帰ってきたら、いち早くエアコンをつけて部屋を冷やしたいところですが…ちょっと待って。もし部屋に入ったときに、熱気がこもっていて「外より暑い!」と感じたら、まずは窓を開けて換気をしましょう。
外より暑い状態でエアコンを稼働しても室温が下がるまでにかなり時間がかかりますし、外気よりも高温の空気をエアコンに吸いこませるとエアコンの寿命を縮めるおそれも。とくに集合住宅の場合は日中の熱が夜まで持続することがあり、夜でも要注意です。
開ける窓は、できれば対角線上になるように2カ所選びましょう。風のとおり道をうまくつくることで、効率よく部屋の熱気を外に出すことができます。
一方、外より暑いわけではないけど、やっぱりモワッとするから部屋の空気を入れ替えながらエアコンをかけたい…というときは、北側の窓がおすすめ。北側は日中でも室内より気温が低いことがあり、もし北側に窓がなく玄関があれば玄関の扉を少し開けるだけでも効果があります。
夏に重要な「窓の方角」を知って少しでも快適にすごそう
地球温暖化や都市化の影響で、夏の暑さは年々危険度を増しています。一方で、太陽の角度やモノの温まり方など、知識を活用することでエアコンを効率的に使うことができる場合も。今回ご紹介した、注目すべき「窓の方角」を参考に、少しでも夏を快適にすごしてくださいね。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部