温泉ソムリエが解説!夏温泉の魅力と子どもが喜ぶ夏温泉6
2018/07/15
温泉の季節は秋冬?いえいえ、そんなことはありません。特徴や泉質を知れば、季節ごとに訪れたくなる温泉が変わります。夏は夏ならではの温泉へ。親子の旅行におすすめな夏の温泉を、温泉ソムリエに教えてもらいました。
夏には夏のおすすめ温泉がある
アウトドアナビゲーターの渡部郁子です。アウトドアに加えて、温泉ソムリエとして各地の温泉の取材活動を続けています。小さな赤ちゃんが安心して入れる温泉や、子どもが楽しめる温泉、泉質や設備で選ぶ、季節ごとにおすすめの温泉などを調べています。
夏休みは、家族旅行シーズン。冬よりも夏に温泉に行くという家族は多いことでしょう。夏には夏の、おすすめ温泉があります。どこに行こうか迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
夏だから行ける夏温泉
秘湯と呼ばれる山奥の温泉は、夏のファミリーにおすすめです。雪深い冬の季節に比べてアクセスしやすく、秘湯ならではのダイナミックな解放感が味わえます。アクティブなお子さんならきっと気に入ることでしょう。
奥鬼怒温泉郷「八丁湯」
たとえば、奥鬼怒温泉郷にある「八丁湯」。滝を眺める露天風呂は、混浴だから家族一緒に楽しめます。気になるところはタオルを巻いて入浴。夏はプール浴槽があり、「温泉で泳ぐ」というタブーに挑戦することができます。
源泉かけ流しなので、湯温は時間や状況によって変化しますが、ぬるめの浴槽があり、泉質がやさしいので、子どもにも入りやすい温泉です。
長野県栄村「切明温泉」
ファミリーにおすすめの秘湯、2つめは、長野県栄村にある「切明温泉」。中津川の河原に湧出している高温の天然温泉と川の水で湯加減を調節し、河原を掘ってマイ温泉を作ります。ぬるめや熱め、好みの温度で温泉を楽しむことができます。
水着を着て川遊びを楽しむもよし、スコップでせっせとマイ温泉をつくるもよし。川の水が冷たい季節も、温泉で温まりながら長く遊べます。川遊びだけでなく、スコップで河原を掘るという温泉づくりの作業は、子どもにも大人にも、思い出に残る体験となるはずです。
水着で楽しめるプール温泉
温泉を利用したプールは全国各地に増えています。水着で楽しむプールなら、子どもが水しぶきを上げて楽しんでも怒られません。普通の温水プールと比べて、温かい点も魅力の一つ。温泉を活用したプールで、温泉効果を得ながら、水遊びを楽しむことができます。
那須高原「ホテルサンバレー那須」
たとえば、那須高原にある「ホテルサンバレー那須」は、3つの異なる泉質の温泉を楽しめる大型温泉宿泊施設です。温泉入浴ゾーンが広く作られていますが、水着で楽しむ混浴温泉ゾーンと、水着で思いっきり遊ぶプールゾーンがあり、夏のプール遊びにおすすめです。
伊豆「星野リゾート 界伊東」
伊豆にある「星野リゾート 界伊東」の温泉プールは、源泉かけ流しのぜいたくなプールです。湯温は季節を問わず30℃前後。海水浴のあとに、さらにプールで泳いだり、天気が悪くて海に行けないときも、プールがあるから楽しめます。
泉質で選ぶ夏温泉
泉質で選ぶなら、夏は湯上がり後の肌をさっぱりと仕上げる「炭酸水素塩泉」または「アルカリ泉」がおすすめです。
炭酸水素塩泉は、肌の余分な汚れや皮脂をすっきり落としてくれる効果があります。皮膚表面からの水分の発散が盛んになり体温の放出を促す「清涼の湯」。アルカリ泉も、肌の角質を落とす効果があります。湯上がり後にすっきりさっぱりとするので、夏は特におすすめです。
ちなみに、最近温浴施設に増えている「炭酸泉」は「炭酸水素塩泉」とは異なりますのでご注意ください。
軽井沢「トンボの湯」
ぬるめのお湯でゆっくり温まり、湯上がり後も涼やかな炭酸水素塩泉の温泉、例えば避暑地の代表、軽井沢にある「トンボの湯」や周辺の温泉施設などがあります。
長野県小諸市「菱野温泉」
アルカリ泉の温泉は、全国各地にたくさんあります。なかでも長野県小諸市にある「菱野温泉」は、本館から名物の登山電車に乗って、絶景の露天風呂まで移動するという趣向を凝らした作り。子どもたちに人気の登山電車と、絶景を見ながら浸かるぬるめのアルカリ泉が、きっと思い出に残ることでしょう。
夏を楽しむ温泉へいこう!
夏だから行ける秘湯、プールのような温泉、そして泉質で選ぶ温泉という観点から、夏におすすめの温泉をご紹介しました。夏の家族の温泉旅行が、とびっきりの楽しい思い出になることを願っています。
◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。