【男性ゲスト】一目置かれる!結婚式の服装・着こなし&マナー、トレンドも紹介
2019/02/20
最近ではラフなレストランウェディングなども増えていて、「カチッとしすぎていても……」と悩むことも。しかし、カジュアルななかにも、守らなくてはならないルールもあります。きちんとした式からラフなパーティーまで、何を着たらいいかを冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに教えてもらいました。
男性の礼服の種類
招待されたゲストとして着る服装には、最も格が高い「正礼装」、次に「準礼装」、そして「略礼装」があります。
昼間の正礼装
<モーニングコート>
上着が後ろに長くなったデザインが特徴。上着の色は、黒かグレー、ズボンはグレーと黒のストライプ、または白と黒のストライプのもの。一般的に花嫁花婿の父親や兄弟、両家の既婚の伯父・叔父が着用します。
夜の正礼装
<燕尾服(テイルコート)>
燕尾服は、上衣の後ろの裾が燕(つばめ)の尾っぽを連想させるところから名づけられました。現在、日本では公式行事の晩餐会や結婚式の新郎、両家の父親が着ているのを見かけるくらいですから、招待された側は着ない方が無難でしょう。
<タキシード>
タキシードは、シングル1つボタンが基本。ダブルは4つか6つボタンになります。かなり格式の高い披露宴の場合、上品に着こなしたいですね。
昼間の準礼装
<ディレクターズスーツ>
黒いジャケットに、黒一色か黒とグレーのストライプのズボン、ベスト。一般的に親族、主賓や上司が着用します。
<ブラックスーツ>
日本の男性でいちばん着こなされている礼装は、ブラックスーツです。男性ゲストの8割はブラックスーツを着用しています。ブラックスーツとは、黒無地スーツの総称。昼夜兼用、しかも慶事にも弔事にも着用できますので、1着あるととても便利です。
夜の準礼装
夜の準礼装は、前述のとおりブラックスーツになります。
昼・夜の略礼装
<ダークスーツ>
ダークグレーやネイビーのスーツになります。
和装について
最近は和装の姿は見かけませんが、和装の正礼装は五つ紋付き羽織袴。新郎、両家の父親、媒酌人が着るのが一般的です。羽織と羽織下の着物は黒の無地。白く家紋が染め抜いてあるもので、袴の縞は、年配向きは幅が狭く、手に白い扇子を持つのが正式。草履は畳表で、鼻緒の色は白。和装の正礼装の便利なところは、着る季節や時間帯を問われないことでしょう。
ホテル、レストラン、二次会などシーンで違う?
ホテルの場合
親族、上司として出席する場合はディレクターズスーツ、同僚や友人ゲストとして出席するならブラックやダークカラー(紺、グレー)のスーツ。
レストランウェディングの場合
レストランでの着席型、オシャレな洋風ダイニングでの立食、クルージングなどがあります。二次会からの出席なら、礼服は必要ありませんが、基本は上着(ジャケット)着用です。ネクタイはなくても大丈夫ですが、アスコットタイやポケットチーフでオシャレに演出してもよいでしょう。薄めのカラーのボタンダウンのシャツもおすすめ。紺やグレーなどの落ち着いたカラーのスーツやジャケットにスラックスなどもOK。
セミフォーマルスタイルといえども、あまりカジュアルすぎるのは感心しません。新郎より目立ってしまう原色や個性的で派手なデザインは避けること。デニム素材もNGです。また間違っても上下白系で統一するのはやめましょう。白は新郎、新婦のカラーだということを忘れないでください。
二次会の場合
居酒屋、カジュアルレストラン、ライブハウス。親しい友人達とわいわいゲームなどをして盛り上がる、参加型パーティーなどがあります。カジュアルな服装でも避けたいアイテムはあります。あまりにふだん着すぎるジーンズにスニーカーや短パン、サンダルばきもNG。毛皮、ファーなど皮革製品も避けます。
ジーンズにこだわるならきれいめのもの、その上にジャケットを着用すればよいでしょう。はおるだけできちんとしたイメージに変身できます。ですがデニム素材はなるべく避けたほうが無難。カジュアルになりがちなコットンジャケットは、深みのあるカラーだと大人っぽくエレガントな雰囲気がでます。
「ふだんよりも少し上品にオシャレして出かける」というイメージを持つことが大事。例えばネクタイをするならば綿素材、ノーネクタイもOKです。ゲームなどして盛り上がり、上着を脱ぐことを想定して、インナーのシャツにもこだわって、オシャレに着こなすとセンスが光ります。
アイテム別のおすすめ・トレンドは?
スーツのおすすめ・トレンド
ゲストとしての服装はブラックスーツが主流。最近はグレーやネイビー、ストライプ(派手でなく、シンプルな)も多くなってきています。その場合はスリーピース(ジャケット、ベスト、スラックスの3点セット)にするのが無難です(よりフォーマルな印象になります)。上司など目上の人の結婚式はブラックスーツを着用しましょう。
ワイシャツのおすすめ・トレンド
ワイシャツは白が基本。20代から30代前半の男性ならパステル調でもOKです。トレンドとしては、首回りがすっきりして見えるセミワイドが人気。襟はウイングカラーかレギュラーカラー。
靴下のおすすめ・トレンド
長さはふくらはぎまでカバーするミドル丈。無地の黒を選ぶのが無難。濃い紺やグレーのスーツなら同じように濃紺やダークグレーの靴下を合わせてもよいでしょう。
靴下のおすすめ・トレンド
黒の革靴かエナメル素材。一般的に「ストレートチップ」か「プレーントウ」。
ネクタイ、ポケットチーフ、カフスボタンなどのおすすめ・トレンド
ネクタイは、白、シルバーが定番です。最近では、友人の結婚式の場合は、パステルカラーやストライプ柄を身につける男性も多くなってきました。カフスボタンをつけるときは、シンプルなフォーマル用のものを選びます。ポケットチーフは白。一般的にリネンかシルク。
新郎新婦との関係別に気をつけること
自身と新郎新婦との関係性などによっても、服装で注意すべき点が異なります。以下、その一例をご紹介しましょう。
職場の上司の場合
社長や、部長といった要職にあり主賓として出席する場合、きちんと正装に身を包む必要があります。直属の上司でスピーチを頼まれたときなどは、ブラックスーツの準礼装、それ以外ならダークスーツで。
友人代表(スピーチを頼まれている)の場合
ブラックスーツにシルバータイが定番。シャツをカラーのドレスシャツに換え、色物のネクタイをプラスして着こなしに少し工夫してみるのもよいでしょう。
親族の場合
父親としては、正礼装のモーニングコート(グレーと黒、または白と黒のストライプのズボン)や、ディレクターズスーツ(グレーと黒のストライプか白の千鳥格子のズボン、ベスト着用)を着用します。
夕方以降は、燕尾服(テイルコート)、タキシード(シングル1つボタンが基本。ダブルは4つか6つボタン)になります。また独身男性、既婚者ともにブラックスーツ着用も一般的になっています。
夫婦で一緒に参加する場合
特別な決まりはないですが、格を合わせること。お互いの服の色を似たものに合わせたり、妻のドレスと夫のポケットチーフの色や柄をおそろいにするなど、工夫してみるといいでしょう。
季節によって服装のマナーも異なる?
夏場でも長そでシャツが基本。逆に寒い冬はベストやセーターを着たいところですが、着ません。会場内は暖房がきいていますから大丈夫。行き帰りはコートを着ましょう。
冬場のコートは基本的にクロークで預かってもらえるので、特にNGなものはありません。ですが、ダウンやファーがついているのはできれば避けたいもの。やはりフォーマルなものをおすすめします。また落ち着いたカラー、グレーやネイビー、ブラックなどでシンプルなデザインがよいと思います。
そのほか結婚式の服装で気をつけたいこと
白いスーツやタキシード、黒いシャツ、ブーツ、白い靴下、ボタンダウンシャツ、クロコダイルの型押しやスエードの靴はNGです。
ビジネススーツやリクルートスーツは会社帰りのイメージが強く、ふだん着だととられてしまいます。
男性の身だしなみで気をつけてほしいのは、ヘアスタイル。清潔なのはもちろん、きちんとセットする心意気で。長髪だとなおさらです。髪を染めているなら、よりいっそう印象よくまとめてください。またひげは不潔な感じになっていませんか? 剃るか、伸ばしているなら清潔感を出してください。
海外挙式の場合、服装はどうする?
ハワイの場合、正装はアロハシャツです。ズボンは短パンではなく長ズボンがフォーマルになります。カジュアルなサンダルやスニーカーは避けます。デッキシューズがおすすめです。
持ち物はどうする?バッグは必要?
持ち物は最低限に!男性の場合は、ふくさ、招待状、財布、携帯電話。カメラ代わりにスマホを使うかたが多いですが、あればデジカメ、一眼レフ。スマホの充電器もあると心強いですね。
なくても困らないけれど、ふだんからの常備薬、口臭剤(ガムやミントなどマウスケア)、小さめのワックスなどのヘアケア製品も。バッグがないと、これらすべてをポケットに詰め込むことになり、見た目がパンパンに膨らんでいたら見苦しいでしょう。小さめで落ち着いた色みのクラッチバッグをおすすめします。フォーマル感があり、スーツ姿に合います。
まとめ
結婚式といえばワンパターンのスーツだけではなく、親戚、上司、友達の結婚式、結婚式場やレストランウェディング、新郎新婦との関係、結婚式を挙げる場所などで着ていくものを考えるのも楽しいですね。男性もオシャレで差をつけたいところです。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運用に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)