年賀状の準備スタート!今さら聞けない、正しい書き方、NGなことを教えて

2018/11/22

今年もそろそろ年賀状の準備をする時期になりました。どんなデザインにしようかなあと考えるのも楽しいですね。今回は、年賀状の正しい書き方やNGなことなど、冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに教えてもらいました。

年賀状はいつからやりとりするようになったの?

年賀状は平安時代、貴族の間で新春に歌を詠んでやりとりしたことが始まりだそうです。

江戸時代には、諸大名が3日に年始のあいさつ状を将軍に届けさせたともいわれています。下級武士や商人などにも広がり、遠く離れた親戚や知人に年始の書簡を書き送る風習がすでにあったそうです。

現在の年賀状は、明治時代に官製はがきが発行されたことで一般の人も年頭にあいさつ状を送るようになり、その後年賀郵便が取り扱われるようになって広まりました。昭和になってからは「お年玉つき年賀はがき」が発売され、その後ますます盛んになりました。

年賀状の基本構造を教えて

①賀詞

【上司ら目上の人や取引先、会社関係】
・謹賀新年
・恭賀新年
・謹んで年頭のご祝詞を申し上げます
・謹んで年始のご挨拶を申し述べます
・謹んで新春のご祝詞を申し上げます
・新春のお喜びを申し上げます

【友人、知人、同僚ら親しい人】
・あけましておめでとう(ございます)
・新年おめでとうございます
・新春のお喜びを申し上げます
・寿
・福
・賀春
・賀正
・迎春
・Happy New Year!

「寿」「福」「賀春」「頌春」「迎春」などの1文字や2文字の賀詞は目上のかたにはNGです。「賀正」は「正月を祝う」という意味で簡略化した表現なので、特に目上のかたには避けたほうが無難です。

【目上、目下関係なく、最もポピュラーなもの】
・謹賀新年
・あけましておめでとうございます
・Happy New Year!

②謝辞

・昨年は大変お世話になりました
・昨年はいろいろとお心をかけてくださいましてありがとうございました
・旧年中は何かとお世話になりました

相手に敬意を払うときには、句読点「、」「。」を使わずに書きましょう。

③お願い

・本年もよろしくお願いいたします
・本年もご指導のほどよろしくお願い申し上げます
・今後とも変わらぬおつきあいをお願いいたします

④祈り

・皆様のご健康とご多幸をお祈りしております
・ますますのご活躍をお祈り申し上げます
・皆様のご健康を心よりお祈りいたします

⑤日付

・元日
・元旦

「一月元旦」「一月一日元旦」は重複表現。元旦とは新年の最初の朝という意味なので、「元旦」と書くだけでOK。「平成○○年 元旦」「○○○○年 元旦」と書くのが正しい使い方。

⑥ひと言

だれに読まれてもOKなもの。例えば、2人しか知らないことなどを書く場合、その家族に読まれても大丈夫な内容かどうか、気づかいも大切です。

勘違いしていること、NGワードなど

以下の2つは、たぶん多くの人が勘違いしているのではないかと思います。
「新年あけましておめでとう」
「A Happy new year」

「新年あけましておめでとう」は、新年を祝う言葉の「あけましておめでとう」にわざわざ「新年」と書かなくても相手に意味は通じます。重複しないようにということです。間違いではありませんが避けるのが無難です。

「A Happy New Year」は「よいお年を」という意味になりますので、年賀状には「Happy New Year」が正解なのです!クリスマスカードに添えて使うときは、「A Happy New Year」でOK。

年賀状に忌み言葉は使わないように。「去る」「失う」「滅びる」「絶望」などはNGワードです。「去年」は避けて「昨年」「旧年」を使うこと。

相手が不快に感じるフレーズはできるだけ書かないように。「昨年は体を壊して……」など書かれても、送られたほうは、新年早々暗い気分になります。できるだけ楽しい話題を心がけること。

家族の写真入り年賀状は上司にはNG

家族の写真入り年賀状は、家族ぐるみのおつきあいのある人にならOK。子どもや家族などの写真入りの年賀状は、上司や取引先などのあらたまった相手には出さないほうが無難。

ただし、公的な関係でも家族ぐるみでおつきあいしている、出産祝いをいただいたなどの場合は、写真入りでも喜ばれることがあります。日ごろどの程度のおつきあいをしているかによって判断しましょう。年賀状はビジネス用、家族用の2種類用意しておくとよいでしょう。

あて名の書き方を教えて

住所・建物名

縦書きの場合、番地は原則として漢数字。番地が15なら「十五」、12なら「十二」と書きます。マンションなどの部屋番号は漢数字でなくてもOK。

敬称のつけ方(個人の場合)

あて名ははがきの中央に、少し大きめに書くとバランスがよくなります。一般的に、個人あては「様」をつけます。「殿」は年賀状では一般的ではありません。

連名の場合は、
●正しい例
○○○○様・○○様
「様」をそれぞれの名前の下に書き入れます。

●間違った例
○○○○・○○様

家族あてには、ご家族様でも、ご一同様(○○家 ご一同様)でもOKです。

敬称のつけ方(会社・団体の場合)

会社、団体は「御中」。 組織の個人にあてる場合は、部署名を右肩に、役職名を名前の上に小さく書き、個人名に「様」とします。役職名には敬称はつけません。

●正しい例
○○株式会社 △△部 部長 ○○○○様
○○株式会社  △△部 御中
○○株式会社  御中

●間違った例
○○株式会社 △△部 ○○○○部長様
○○株式会社御中  ○○○○様
○○株式会社御中  △△部御中

敬称のつけ方(恩師や医師などの場合)

恩師や医師などにあてる場合は名前に「先生」。ただし一個人として出す場合は、「様」でもOKです。

あて名で注意することは?

あて名は横書きでもよいですが、縦書きのほうがよりフォーマルな感じになります。住所は、長くても2行に収まるようにします。マンション、ビル名などは2行目に。郵便番号を書いていても、住所は都道府県から書くのがマナーです。

差出人の住所と名前は、あて名の住所・名前より小さめに書きます。裏面に差出人の住所・名前を記載した場合には省略してもいいです。

まとめ

年賀状の正しい書き方、今まで知らずにNGなことをしていたなんて人もいたのでは? 今年はマナーをしっかり守って、デザインも内容も美しい年賀状にしましょう。


教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運用に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。

取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)

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