11月に新宿紀伊国屋で開催された「ビブリオバトル☆スター決戦」。読書家たちがお気に入りの本を5分という短い時間でプレゼンし競う大会です。今回のプレゼンターは壇蜜さんをはじめ、超有名人ばかり!その会場へ、漫画家であり読書家のおぐらなおみさんが潜入しました。白熱のプレゼンを、漫画とともにご紹介します。読み終わったらきっと書店へ行きたくなりますよ~
ビブリオバトル☆スター決戦ルポ
みなさんこんにちは。漫画家のおぐらなおみです。今回は、読書好きが読書好きのために戦う、読売新聞主催の「ビブリオバトル☆スター決戦」へ潜入しました。
会場は新宿紀伊国屋ホール。チケットは完売!ライブビューイングも行われるほど、とんでもなく人気の大会です。私もいつか観戦したいと思っていたので心臓バクバクで傍聴してきました。
ビブリオバトルとは…
それぞれが面白いと思う本を持ち寄り5分間でその魅力を紹介。参加者全員が一番読みたくなった本を投票して「チャンプ本」を決める知的書評ゲームです。
今回のバトラーはこの6名!
それぞれのバトラーが紹介するのはこちらの本です。
鈴木福くん→5分後に意外な結末(桃戸ハル・学研)
鈴木勝吾さん→殺人犯はそこにいる(清水潔・新潮社)
香川愛生さん→若おかみは小学生!映画ノベライズ(令丈ヒロ子・講談社)
野水伊織さん→ジャッジメント(小林由香・双葉社)
三遊亭兼好さん→錯覚の科学(クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ・文芸春秋)
壇蜜さん→ウォーレスの人魚(岩井俊二・KADOKAWA)
紹介する本は「5分後に意外な結末」(桃戸ハル・学研)。”意外”がテーマの、短編小説集で勝負を挑みます。
のんびりにみえる福くんでも、毎日の生活が”意外”にあふれているそう。そんな彼の日常を織り交ぜながらプレゼンはすすみます。
残り1分のベルが鳴ったら「頭がまっしろになっちゃった!」とバニクッてた福くん
かわいかった…(でももう中学生なのね)」
付箋たっぷりの本を片手にプレゼン。紹介する本は「殺人犯はそこにいる」(清水潔・新潮社)です。
すごい迫力でした。鈴木さんはなんと実際に事件の現場まで足を運んだそう…。
この本の作者は、あの悲惨な事件の事実と思われることをほぼほぼ書き記しているそうです。なのに犯人はつかまらない、なぜだ!!読みたいですね~。
女流棋士の香川愛生さんがご紹介するのは意外にも、「若おかみは小学生!映画ノベライズ」(令丈ヒロ子・講談社)。子どもが大人へ成長する姿を、旅館という場を使ってあらわしているノベライズ本です。本も読みたくなったけど、映画も見たくなりました!
おっとりした話し方でしたが、香川さん、あだ名は「番長」なんですって!これも意外!
人気声優の野水伊織さんは「ジャッジメント」(小林由香・双葉社)をプレゼン。
加害者を被害者の親族が復讐できるという法律が制定された世の中の話です。
迫真のプレゼンに、私はちょっと泣いてしまいました…。少年の声が本当にリアルで…さすが声優さん。
噺家の三遊亭兼好さんがご紹介するのは「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ・文芸春秋)。
脳がいかに錯覚を起こしているのかを巧みな話術で説明します。さすがの噺家さん!新作落語をみているよう。
プレゼン後、「落語の役にたちましたか?」という質問に「よく眠れました(ちょっと難しくて)」と答えたのは笑っちゃったなー。
壇蜜さんが紹介する本は「ウォーレスの人魚」(岩井俊二・KADOKAWA)。なんと絶版している本。
人魚にまつわる不思議な本の紹介だけど、なぜだか興味がわいてくる…こんなの初めて…
ぞくぞくしました。
いちいち色っぽくて、邪念もよぎりました(笑)。
観客がプレゼンのチャンピオンを投票
客席の投票数で優勝が決まります。来場者全員に1枚ずつのうちわが配られ、投票したい人にうちわを上げて投票します。
もちろん投票できる数は1回。
果たして今回のチャンプは…
その気持ち…伝わりました!今すぐにでも読んで、あの謎を知りたい!
俳優さんならではの説得力と迫力が勝敗を決めたように思います。
取材・漫画/おぐらなおみ 画像提供/読売新聞
プレゼンターの紹介本一覧
改めて、今回のゲストが選んだ本は以下の通りです。
鈴木福くんのプレゼン「5分後に意外な結末」(桃戸ハル・学研)
全編「意外な結末」で〆る短編集。累計140万部を突破する人気シリーズです。読みだしたらとまらない”引き込まれ型”書籍!
鈴木勝吾さんのプレゼン「殺人犯はそこにいる」(清水潔・新潮社)
半径10キロという狭い範囲内で5人の少女が姿を消す…。冤罪、野放しの犯人、うごめく司法の闇。作者が自ら調べ上げた超大作ノンフィクション!
香川愛生さんのプレゼン「若おかみは小学生!映画ノベライズ」(令丈ヒロ子・講談社)
両親を亡くした少女が旅館でユーレイに支えられながら女将業を修得していく。累計300万部の大人気シリーズがアニメ映画になり、さらのその映画を原作者自らノベライズしたスペシャルな1冊。
野水伊織さんのプレゼン「ジャッジメント」(小林由香・双葉社)
凶悪な犯罪が増え続ける日本に新しく制定された「復讐法」。この法律のもと、被害者たちの心は本当に救われるのかー。復讐とは何かを問いかけた、長編デビュー作。
三遊亭兼好さんのプレゼン「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ・文芸春秋)
脳科学を覆す1冊!注意力、記憶力、自信、知識、原因、可能性…にまつわる錯覚を取り上げながら、「脳」がいかにあいまいなものであるかを実際に起こった例とともに紹介。
壇蜜さんのプレゼン「ウォーレスの人魚」(岩井俊二・KADOKAWA)
海難事故にあった雑誌記者が人魚に遭遇。その人魚は人間の女性に発情ー。人間はかつて海にいたという壮大な説が生まれ、そこから人間の欲がうごめく。人魚伝説を別ベクトルから見たストーリー。