山本ゆりさんが読んできた本、今読んでる本。ファンの多いレシピの秘密は、本棚を見ればわかる?

2025/07/21

料理コラムニスト山本ゆりさんのレシピやエッセイ本の累計部数は450万超。大ヒットメーカーでありながら、なんだかいつも身近にいる気がするやわらかさも人気の秘密でしょうか? そんな彼女は読書が大好きってこと、ご存じでしたか?

本邦初公開(たぶん)。山本ゆりさんの本棚と、読書について教えてもらいました! お勧め本も紹介しますよ。

料理コラムニスト。大学時代に始めたブログ「含み笑いのカフェごはん」が支持を集め、2011年に初の料理本『sy...

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忙しいゆりさん、本を読む時間なんてあるんですか?

ゆりさんが本を読むのは、入浴中がメイン。本を読むのが好きすぎて、「部屋だと止まらなくなるので。お風呂で毎回のぼせていますが」と笑います。そんな「止まらなくなるほど面白い話」が好みです。

実はお風呂で読むのはお母様譲り。「母は本を読みたいがためにいつも1時間くらい入ってました(笑)」。

お風呂で読むときは大切な本を濡らさないように。カバーを外して、二つ折りにしたタオルでくるんで持ち込みます

料理本を読むのが好きな子どもでした

ご実家にはたくさんの本が置いてあって、その中で特に料理本を読むのが好きな子どもでした。何度も繰り返し作ったレシピもたくさんあります。

当時は本格的なレシピが多く、大さじ1杯だけ必要な生クリームを、小遣いを握りしめて買いに行きました」と振り返ります。「今だったらこれ省いてもそれなりにできるってわかるけれど、その頃は真面目に再現するしかないから」。料理本って作れない物がいっぱい載っているなあと思っていたそう。

料理のレシピになにか物語がついたようなものが特に好きでした。その趣向は今も変わっていません。

「料理本を100冊持っていても作るのはそのうちの何品か。だから、お話を読んで「料理したい」「作りたい」っていう気持ちを上げてくれるものを求めてしまうのかも」。ゆりさんの著書にも、レシピだけではない言葉もたくさん並びますが、こんなところに原点があるのかもしれません。

何度も読み返して、シミだらけになった料理本。子どもの頃は家にある材料で作れるレシピを繰り返し作ったそう。お菓子作りの基本はこの頃に覚えました
子どもの頃、限りあるお小遣いで楽しむために古本屋で料理雑誌などを買っていました。お気に入りは今でも捨てられずにとってあります

同じ本を何度も読むこと、あります

そんなゆりさんも、内容がすんなり頭に入ってこずに読み進められない本に出逢うことも。そのときは無理をせずに寝かせておきます。ある時ふとすんなり読めるタイミングが現れたり。同じものを改めて読み返すことはよくしています。

「ミステリーは犯人を忘れたころにもう一度読みます。最近忘れやすくなってるから、完全に楽しめる。老化ってお得だなって思います(笑)」1000円くらいで買えて何回も楽しめるから、本はコスパがいいと感じているそう。

改めて読書の最大の魅力を聞いてみると
「読んでいる間、違う世界に飛ばしてくれる楽しさがあります。本を閉じてる間でも、今その子ら何してんねんやろ…って思ってしまうし。あとはやっぱり、世の中も人の感情もそんな単純じゃないし、正義だけが正義じゃないとか、どうしようもない生き方をしないといけない人もいる、と思えることですかね。誰のことも否定できないなとか思います」

ゆりさんの家に積まれた本は、何度も読み返されたものだったり、お母さまから譲り受けたものだったり、はたまたこれから読まれるのを待っているものだったり……。それらひとつひとつが、今のゆりさんを形作っているのだなと思わされました。

何を読もうか迷うときに「自分はこの作家さんが絶対好き」っていう人がいると安心。ゆりさんが今好きなのは、左上から時計回りに「ハードボイルドエッグ」荻原浩著 双葉社刊、「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん著 文春文庫、「カラスの親指」道尾秀介著 講談社文庫、「汝、星のごとく」凪良ゆう著 講談社刊

お話を聞いたのは…

山本ゆり
料理コラムニスト。身近な材料で手軽に作れる料理レシピとエッセイが人気。「DAIGOも台所」(テレビ朝日系列)にて金曜日の講師を担当中。近著に『ひたひたまでそそいでコトコト煮詰めた話』(扶桑社刊)

撮影/鈴木泰介 構成・文/飯塚真希

※内容は2025年7月25日発売「サンキュ!」9月号掲載のものを、一部抜粋、加筆修正したものです

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